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浅川第5太陽光発電所 建設記録

 浅川各太陽光発電所は、農業と太陽光発電を組み合わせることを目的に農業に太陽光発電を導入し、特に、衰退著しい中山間地農業と太陽光発電を組み合わせ、農地に太陽光発電システム導入を行い、実際に、3カ所の農地に太陽光発電システムを設置することにより、発生し問題化した弊害や、改良点を見いだし、幅広い農業の発展を目指し、5カ所目の太陽光発電設備を田圃に建設することになりました。

 農地での、太陽光発電システム設置に関しては、農地法に関連した問題がありますが、農地の保全と農地の荒廃防止、農業従事者の高齢対策、中山間地域の農作業軽減策や田圃での農作物の生産に影響を与えることなく、太陽光発電システムを設置すれば、農地法に関連した問題は解決でき、衰退して行く中山間地域の農業生産向上に寄与しながら、農業従事者が新たなる収入アイテムを手にすることができ、さらには、施設園芸システム等と組み合わせて導入することにより、環境価値等も見いだせ、それらの収入により遊休農地や休耕地、荒廃農地の復元が可能なことをお知らせいたします。

 今回の太陽光発電所は、風光明媚なところに位置し、その景色に見とれて、時間を忘れて眺めてしまうくらい良い場所に設置しております。
南には富士山、西には南アルプス連峰、北には八ケ岳、東には秩父連山と見渡すことができ、国内最高峰の2つの名山を望むことができます。

このように場所は、申し分なく良いのですが、この農地には大きな問題があり、農地の所有者である高齢な農業従事者では、農地の維持管理がままならない状態にありました。農地の借り契約を当事者同士でかわした後に、農地の検証に入って驚きました。圃場整備が行われて20年以上経っているのに、田圃には直径15センチ以上の石ころが散乱しておりました。大きなトラクターではさほど問題にはならなかったのですが、20馬力程度のトラクターでは、転石によりロータリーの刃が破損してしまい、補修費が耕作単価を上回る結果に。大型と中型のトラクターで耕作することにより、判明した転石を運び出したところ、軽トラック二台分もありました。

また、隣接する畑も借り受けましたが、こちらは20年間畑として使用してなかったので、小型のユンボで耕起したところ、大変なことが判明いたしました。

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畑の半分面積を深さ30センチの耕起を試みたところ、

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大型トラック数台分の石にぶつかり、畑の周りに運び出しました。

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石を運び出した後にトラクターが使用できるように整地を行いました。

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20年間放置してあった畑は、とんでない圃場整備が行われ、地主も耕作を放棄していた畑だったのです。

第5発電所 02

あまりのひどさゆえ、国会議員に視察していただき現状を理解していただく。
6月に、この畑を視察にこられた国会議員の議員会館室を訪ねたところ「あの石だらけの畑で、お会いした方ですね」が、お会いした時の第一声でした。

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よほど強く、圃場整備後20年、耕作を放棄していた石ころだらけの畑が印象に残ったのでしょう。石ころだらけのこのような畑を、耕作できるようにと、国会議員の視察前に整地作業と石取りにチャレンジいたしましたが、重機に乗る体力と、石ひろいで体力的限界をむかえ、畑の半分近くまで作業を進めましたが、畑の約半分の石取りを終えたところで断念。
それとともに、投入した重機のレンタル料金や農機具等の作業代金を計算したところ、これ以上の投入は個人資金では限界でした。
石取りをした畑半分には、向日葵の種をまきましたが、異変が生じました。

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石取りを終えた畑半分の全体にひまわりの種は、発芽しておりましたが、大きくなるにつれて半分以上が枯れはじめました。この現象は現在も続いており、どの作物を植え付けても枯れてしまうのではと思い、営農指導員に相談。相談した農業指導員の方が畑のひまわりの枯れかたを見て、畑の土全体に原因が存在することを指摘。原因を排除するには、客土が必要とのこと。私には、ここに客土をするほどの豊富な資金は持ち合わせておりませんので、持ち主の方が選択された放置をするのではなく、石取りを終えた畑半分を10年間耕耘だけを行い、余暇の時間を利用して土作りをする決断をいたしました。

本年度は、隣接する田圃にそばを作付けすることにして、田圃全体(15a)に鶏糞を軽トラ一台散布し、天候の回復を待って、種まきを行う予定です。
農作業は、天候次第で遅れもすれども、本年は異常気象で7月に入ってからは雨続き、蕎麦は、雨に弱いので、保水能力の高い田圃には不向きではありますが、梅雨明けを待って、他の農地と一緒に種まきを行うしか、なさそうです。
(本年度は、点在する田圃への蕎麦の作付面積は、約45a以上になる予定)

 太陽光発電設備の建設準備段階から、どのように進んでいるのやらここ数年の経過を振り返ってみることにします。
平成16年から、新たに借り受けて、耕作可能農地探しに入る。
平成17年3月、地元地主の紹介により、借り受け可能な農地を紹介していただき、春より、農地借り受けの交渉に入り、秋の収穫終了後、本格交渉に入る。
高齢の為に、来年度からは農地を休耕にするとのことであるが、貸し付け条件は、隣接する田圃と畑を一緒に借り受けることが条件で、双方納得の上で、契約書を交わす。(市町村合併により、書類作成にお金かがるので相対契約)
平成17年冬、田圃と隣接する荒廃している畑を耕作地にする為に、重機とトラクターで、耕耘に入るも、はじめに紹介したような点石いたる処にあり、半分の畑を完成させるまでに春になってしまう。
結果、予定していた太陽光発電設備は、遅れに遅れ、4月に入り農作業小屋の設置予定が、点石の為に設置予定場所が当初の場所と変わり、電力会社からの注文で、受電用コンクリート柱を立てなくてはならず、4月、5月と電柱探し、ゴールデンウイーク開けにやっと、電柱を立てることができましたが、電柱工事でも、やはり点石により、穴堀の場所を3回ほど位置かえて立てることができました。6月に入り、電気工事と合わせて、太陽光発電設備資材の搬入が始まり、搬入した電材を受け取るところで、改めて、世界的建設資材の高騰を思い知らされることになりました。いつもであれば、電材を運んでくる方は、工事現場に資材を降ろし、シートを掛けて行くのですが、今回は、事前に到着連絡をいただき、現場で受け取ることになりました。どうしてこのようなシステムになったのか尋ねたところ、銅の高騰により、電材の盗難が工事現場で相次いでいるようなので、直接、現場で受け渡しを御願いしているとのことでした。確かに、建設資材の5mパイプの価格が前回の倍の値段になっていた。(納得)
隣国の中国の建設ラッシュがこのような形で、私たちに影響を及ぼすとは思ってもみなかった。また、太陽電池の価格が上昇しているがこちらは、EUでの太陽電池設置が盛んな為に、国内市場より、遥かに大きいEU市場向けに太陽電池が振り向けられた為に、世界一の太陽電池生産国である日本国内市場に品薄になっているとのことである。太陽電池は、自然エネルギー利用が盛んになれば、環境問題が起こりにくい(完全リサイクル可能)品物なので、引き合いが高く、世界的に不足気味のようである。私のところにも、いっとき、隣国からの問い合わせがあり、太陽電池の必要枚数の多さに驚いたのと、コピー商品の反乱により、信頼性のない商品が出回り、私どもにも問い合わせが来たことを後になって、国内数社の太陽電池メーカーから教えていただきました。
信頼が無くなった太陽電池は、国内はもとより、海外でも受け入れられないことを国内メーカーは肝に銘じて、太陽電池の生産に当たっていただきたい。
不具合を、技術的問題や生産過程での現象などで心配ない等と説明していると、不良品として、数年後に損害賠償を求められることになるのを知らなくてはなりません。日本の損害賠償額と比べ物にならないくらい、EUでの環境価値に対する損害賠償は高額になることを日本の太陽電池生産メーカーは心得るべきである。不良品の交換に応じるのは当たり前、経済、環境、精神的な損害賠償に最低限応じる用意が必要になるであろう。横道にそれまくったので軌道修正。

なぜ農業に太陽光発電システムなのか

農地における自家用発電システムは、太陽光発電よりも水力発電が早くに認められていたが、低圧系統に逆潮流をすることを認められていませんでした。この為に、小規模の水力発電を実施しても、系統と連系した安定した電力供給システムにはならず、独立系のものとなり、広く施設園芸等に取り入れられることはなく、設備費だけがかさむ水力発電システムとなり、一般施設園芸等に利用されませんでした。また施設の開設に伴う申請等も難しく、一般農家が手軽に利用できる水力発電システムとはなりませんでした。
特にひどいのは、「農山漁村電気導入促進法」で次のように制定されている。

  1. 電気が供給されていないか若しくは
  2. 十分に供給されていないと認められる農山漁村又は
  3. 発電水力が未開発のまま在すると認められる農山漁村につき導入をして、生産の増大と生活文化向上を図ること。

以上を目的として制定されている為に、農地での自家用水力発電は、普通ほとんどの地域で不可能なことになっているのです。しかしながら、今回のRPS法「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」によりこれらは覆され、農家本人や組合が電気事業者になることで、農業に発電を取り入れることが、簡単になり発電ができます。
私ども、電気事業者が農地で電力を発電し、他の農業施設や他の農業者に電力会社の電線を使って、電力会社経由で電力を供給した場合は、農地法の観点から言うと問題になるようですが、安定供給を前提に考えるとこの方法しか存在いたしません。農地法を研究している皆さんは、農業には電力が必要ないと考えておられるようで、「電力会社から低圧配電線(600V以下)により受電している需要家が場内(この場合農業施設と考えられる)にマイクロ水力発電を設置する場合、低圧配線に連系できるマイクロ水力発電設備の出力は、原則として、50kW未満である。 低圧連系の場合、原則として交流発電設備(同期発電機・誘導発電機)による余剰電力を電力会社の配電線に流すことはできないことになっている。(逆潮流無し)」とし、高圧連系であれば可能と説明している。どこの一般農家の農業施設に高圧連系が必要なほどの電力を使用する農業施設があるのでしょうか考えてみてください。このようにして、一般農家が発電設備を導入することを拒んでまいりましたが、RPS法によりそれらの矛盾が取り払われ、一般農家が発電設備を設置することが可能になったのです。
しかし、電力会社からの低圧配線で受電している場合は、水力発電や風力発電では、系統連系(売電)ができないことが、私の研究課題となり挑戦となりました。インバータ(直流から交流へ・交流を整流し交流に・とあらゆる電源スタイルから一般利用できる単相三線交流又は動力用交流に変換し、系統連携する)開発にのめり込み、農地での太陽光発電にさらに拍車がかかって行きました。

 しかしながら、農地を利用した太陽光発電に対して、農地として耕作できない農地を利用した太陽光発電まで閉め出そうと考えておられる方々や、荒廃農地対策や環境対策農業としての現状を理解できない方があり、残念です。
私は、遊休農地や休耕地、荒廃農地等に太陽光発電や新エネルギー等の利用や新エネルギー利用発電を導入し、新しい中山間地農業のスタイルを表したいのです。今回の、太陽光発電施設の周りには、施設園芸施設(ハウス)が点在しており、今回の発電施設で発電された電力は、全てこれらの施設に東京電力の電力網を介して供給されることにより、太陽光発電所周辺のハウスで栽培される農産物は、全て京都議定書にかかげられている地球温暖化防止エネルギーを利用した農産物となり、施設園芸施設からの農産物と農地利用太陽光発電が相乗効果を上げる結果となります。実際に、農地に太陽光発電を導入して、経済的に農業経営と合わせた経営には多くの資本投下が必要となり、両者を両立させて経営するにはかなりの努力と経験が必要となり、現段階では一般農家に推奨できるものではありません。
しかしながら、これからの農業を考えると、地球環境の変化を的確に捉えることができ、太陽光発電の光の強さを知ることができる太陽光発電システムは、農業には必須のアイテムとなり得ますので、私は、農業に太陽光発電の導入努力を続けて行きます。農業従事者が太陽光発電をすることで、他の農業従事者に対して、京都議定書で言うところの環境価値を周りの農業施設に自然エネルギー利用農業従事者からプレゼントできたらと考えるとともに、この環境価値をブランド化し、周りの農業施設共に利用できたらと考えております。

 私の考えを理解し、農地に太陽光発電を導入する考え方に賛同し、私とともに農地に太陽光発電を設置し、発電を実施している方が実際におられます。
私たちの実践的施設は、北杜市大泉町の真ん中を南北に縦断する農道沿いにありますので、農作業や農耕者の通行の邪魔をしないように農道沿いに散歩しながら眺めてください。

 施設が設置してある農地には無断で入らないでください。
農地に無断進入した場合は、耕作作物により保証を求められることがあります。

『見学を希望する方がありましたならば、メールで御問い合わせください』

発電施設なので電線が配線してありますので、危険な場合があります。景色は抜群に良い眺望なので車でお越しの際は、脇見運転などで事故を誘発しないように心がけましょう。

589 795
257 859

浅川太陽光発電所 所長 浅川 初男
RPS法   電気事業者 浅川 初男
2006.09.00

▲上に

浅川太陽光発電所 - 八ヶ岳・北杜市大泉 -
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