月到天心
Moon to the Heart of Heaven
PMF-014_015
時よ 止まれ
小径<こみち>に迷えば
月(天心)は水辺に



Disc-1 (PMF-014)

1. 宝泉の華 - Housen 10:11
2. 醍醐 - Daigo 9:30
3. 月の城 - Moon Castle 8:41
4. おもろ - Omoro 14:18
5. 草の海を吹き抜けて - Wind rippling the sea of grass 5:12
6. 月映揺圓 - Yin yue yao yuanハ 9:01
7. 帰依 - Kie 7:30
8. 幻桜 - Mahorozakura 8:08
合計1:12:28
1.「宝泉の華」はmyspaceで試聴出来ます

DISC-2 (PMF-015)

9. 晩鐘の月 - Bansyou 7:31
月の組曲 - Moon Suite
10. 第一章 月の忘れもの - Vol.1 Something was left on the moon 8:57
11. 第二章 月への思ひ - ハVol.2 Longing for the moon 7:23
12. 第三章 月から舞い降りて - Vol.3 Landing from the moon 3:03
13. 第四章 大地に浮かぶ月 - Vol.4 The moon above the earth 2:32
14. 観遠 - Kannon 2:59
15. 第五章 月のわらべ歌 - Vol.5 Children's song of the moon 4:34
16. 第六章 満月と小月 - Vol.6 Full moon and a little moon 2:56
17. 第七章 下弦の月 - Vol.7 The crescent 5:48
18. 第八章 波舞月 - Vol.8 The moon dancing on the waves 7:20
19. 時照 - Jisyo 2:30
20. 第九章 月のゆりかご - Vol.9 A cradle of the moon 4:45
21. 第十章 月華の語り - Vol.10 Words from Moon Flowers 3:44
22. 第十一章 十三番目の月 - Vol.11 The 13th moon 3:56
23. 第十二章 観還月 - Vol.12 Mikaerizuki 10:17
合計1:18:17

題字:福家俊明(総本山園城寺三井寺第百六十二世長吏)
Title lettered : Shyummyo Fuke
162nd Head Priest Mii-dera Temple. called Tyouri.




小馬崎達也 (ギター、久乗編鐘、全作編曲)
Tatsuya Koumazaki (Guitar, Kyujo Hensyo, All composed. arranged)
仲林利恵 (篠笛、能管、箏・十三弦、十七弦)
Rie Nakabayashi (Shinobue, Noukan, Koto)
佐藤美穂 (コントラバス)
Miho Sato (Contrabass)
吉口克彰 (パーカッション)
Katsuaki Yoshiguchi (Percussion)
仲林光子 (琵琶) <6>
Mitsuko Nakabayashi (Biwa)
三井 勇 (笙)<2,9>
Isamu Mitsui (Syo)

最新2枚組CD「月到天心」(¥4,000)!!
オーディオファンにとっては嬉しいお知らせです。
メモリーテックで開発したクリスタルディスクでも制作します。
クリスタルディスクでの発売日と価格については未定ですが決まり次第お知らせします。

〜日本国内のみ送料無料〜
こちら<pangaea@mt8.ne.jp>までお知らせ下さい。

時よ 止まれ
小径
<こみち>に迷えば
月(天心)は水辺に
井上勝六



月世界の妙音との出会い

 今は昔、唐の玄宗皇帝は月へ行った。銀色に輝く天空へと架かる橋を渡り、月宮殿に到り、「霓裳羽衣の曲」<げいしょうういのきょく>という美しい調べに出会った。地上に帰った玄宗は、しばしば、この曲を演奏しては彼の愛した楊貴妃に舞わせたという。かの白楽天も「長恨歌」に「漁陽の?鼓、地を動かして来たり、驚破す、霓裳羽衣の曲」とうたっている。

 小馬崎達也くんとの出会いは1996年のこと。三井寺で行われた大法会で三井流「聲明」にあわせて演奏されたのが最初である。そのとき、第162代長吏をつとめた父の聲明に魅せられた彼は、以来、多忙な演奏活動の合間をぬって度々、三井寺に足を運ばれた。それは小馬崎くんが三井流「聲明」と出会ったというよりも、三井流「聲明」が彼の出現を待っていたかのような出会いであった。そして、いまや彼は三井流「聲明」のもっとも深い理解者である。

 このたび、小馬崎くんの新しいアルバムが出る。タイトルは「月到天心」。書き文字は昨年末に他界した亡父の書である。収録されている「晩鐘の月」は、亡父が最期の大導師をつとめた三井寺開祖・智証大師入唐求法1150年慶讃大法会のために作曲され、初公開された曲である。全編を通して聞いていると、これまで小馬崎くんが世界各地をめぐって培ってきた蓄積の到達点であり、彼が愛する世界の人々への応答でもあることが伝わってくる。そして何よりも、ぼくには三井流「聲明」との出会いをもたらした亡父へのオマージュとして響いてくる。

 人は音楽なしで生きてはいけない。誰もが心のひだの隅々にまで染みとおるような音楽、愛する人への想いを伝える音楽との出会いを待っている。 静寂につつまれた夜、彼の住む八ヶ岳を望む清里高原には蒼い月の光とともに妙なる音楽が降り注ぐ。それは彼の清々しい人柄そのままのような調べである。これが小馬崎達也くんの「霓裳羽衣の曲」であるとぼくは信じて疑わない。
2010年7月27日  総本山三井寺執事長 福家俊彦


清夜吟(せいやのぎん)

月到天心處 (つき てんしんに いたるところ)
風来水面時 (かぜ みなもに きたるとき)
一般清意味 (いっぱん せい いみ)
料得少人知 (はかりえたり ひとのしること まれなるを)

月到天心處 (ユェー・タオ・ティエン・シン・ツゥ)
風来水面時 (フェン・ライ・シュェイ・ミィエン・スー)
一般清意味 (イー・バン・チン・イー・ウェイ)
料得少人知 (リャウ・デー・サオ・レン・ヅー)

月が天の心に届くころ
風が水面に触って吹くころ
本来は純粋に清らかに感じざるを得ないのに
それを心深く理解できる者はまだほとんどいない

邵雍< Shao Yong >(しょう・よう、1011年-1077年)は、中国・北宋時代の儒学者。字は堯夫、諡を康節という。


〜月のしずくを浴びながら満月を仰ぐ〜

〜新月の闇にたゆたう晩秋の冷たい空気や
透明な音の世界にずっと浸っていたい感じがいたします。〜

奥会津書房_遠藤由美子

小馬崎達也 (ギター、久乗編鐘、全作編曲)
Tatsuya Koumazaki (Guitar, Kyujo Hensyo, All composed. arranged)
仲林利恵 (篠笛、能管、箏・十三弦、十七弦)
Rie Nakabayashi (Shinobue, Noukan, Koto)
佐藤美穂 (コントラバス)
Miho Sato (Contrabass)
吉口克彰 (パーカッション)
Katsuaki Yoshiguchi (Percussion)
仲林光子 (琵琶)
Mitsuko Nakabayashi (Biwa)
三井 勇 (笙)
Isamu Mitsui (Syo)

題字:福家俊明(総本山園城寺三井寺第百六十二世長吏)遺墨
Title lettered : Shyummyo Fuke (162nd Head Priest Mii-dera Temple. called Tyouri. ) IBOKU


絵 - Picture
大野静子(手の声を聞く- 地蔵絵)
Seiko Ohno ( Hear your voices of hands. - ハpicture of Jizo )
釣谷豊之(夜明け前)
Toyoyuki Tsuritani ( Predawn )
田中時彦(きつねギター)
Tokihiko Tanaka ( Fox guitar )

写真:ドラガンドラギン
- プラハ 2002、マリオボッチャ - イタリア・ローマ 2006
Photo : Dragan Dragin
-Czech Republic Prague、 Mario Boccia - the Italian Republic Rome

プロデュース、録音・編集:パンゲア・ミュージック・ファーム
produce, recording and edit : Pangaea Music Farm
録音場所:日光・明治の館、パンゲア ミュージック スタジオ
Recording place: Nikko Meiji no Yakata , Pangaea Music Studio 2008 January ~2010 May
マスタリング:加藤明(太陽倶楽部)
Mastering : Akira Kato (Taiyou Club)
このCDマスター製作には、エコロジーでクリーンな太陽光発電による
ソーラーマスタリングシステムを採用しています。
その結果、従来よりさらなる音質向上につながりました。(商標登録済)


ジャケットデザイン:田口印刷M(株) 村松寛
Jacket design : Hiroshi MUramatsu

Special Thanks:

天台寺門宗総本山園城寺三井寺
真言宗醍醐派總本山醍醐寺  
天台宗曜光山月山寺     
曹洞宗宝沢山西隆寺     
日光総業株式会社明治の館  
株式会社 山口久乗      
クリニックいのうえ     

福家俊彦、小暮徹順、光栄純貴、中村純裕、遠藤由美子
和智士朗、山口敏雄、山口直子
大野静子、田中時彦、釣谷豊之
安里勝昭、児野豊子(十世)、池田玲子(太陽倶楽部)
小林一三ギター工房、佐伯稔(中尾貿易オベーション)
Febian Reza Pane、夏信玲(漢詩翻訳協力)
井上勝六
田口印刷(株)


絵 - Picture



大野静子(手の声を聞く- 地蔵絵)
Seiko Ohno ( Hear your voices of hands. - picture of Jizo )
2007

釣谷豊之(夜明け前)
Toyoyuki Tsuritani ( Predawn )
7MB


田中時彦(きつねギター)
Tokihiko Tanaka ( Fox guitar )
2006


写真:Photo



Dragan Dragin
チェコ共和国プラハ - Czech Republic Prague
2002

Mario Boccia
イタリア ローマ - the Italian Republic Rome
2006


仲林利恵 (篠笛、能管、箏・十三弦、十七弦)
Rie Nakabayashi (Shinobue, Noukan, Koto)

仲林光子 (琵琶)
Mitsuko Nakabayashi (Biwa)

佐藤美穂 (コントラバス)
Miho Sato (Contrabass)

吉口克彰 (パーカッション)
Katsuaki Yoshiguchi (Percussion)


三井 勇 (笙)
Isamu Mitsui (Syo)

番外編〜


公演や録音・編集の中で「月到天心」を作る時に大きなヒントになった言葉を紹介します。

ある映画で心のに残ったセリフです。
「月到天心」を作り上げた時に観た映画でした。
私も同じ事を感じてこのアルバムを作りました。
世界中の誰もが知る偉大な作曲家の言葉が心に響きました。

ずうっと疑問を持っていましたが、
先人達、偉人達の言葉によって勇気づけられました。

音楽は空気の振動だが
神の息吹だ
魂(たましい)に語りかける
神の言葉だ
音楽家はもっとも神に近い存在だ
神の声を聞く
意思を読み取る
神を讃える子供たちを生み出す
それが音楽家だ
でなければ
音楽家は必要ない


* * *

自分の心の声を無音にすれば音は聞こえる
無音がカギだ
音符と音符の間の沈黙だ
沈黙が深まると
魂が歌い出す



「門」
“建物の入り口”から“家、家族”“門下生などの徒弟”といった意味になります。
「闇」「聞」
「闇」ですが、この場合の「門」とは、廟門、つまり神を祀る社の入り口。
「音」とは、“神の音ない”つまり、神が訪れて話すことば。
神のことばをうかがう儀式は、暗くなってから行われたらしく、
「闇」つまり神の音ないを待つ儀式・・・暗い時にきまっている→「闇」=暗い、
となっていったらしい。
「聞」は、廟門の前で、神のことばを「聞く」こと。

* * *

先人達が長い年月を積み上げて作り上げてた言葉を意味も分からず安易に使っている現代です。
少しでも気づいた人達から日本人としての意識が高まればと思います。

* * *
「神の言葉を聞く」
日が沈み廟門の前で神からの音魂を聞く儀式が通常のコンサートの意味かもしれません。


月到天心處
風来水面時
一般清意味
料得少人知

月が天の心に届くころ
風が水面(みなも)に触って吹くころ
本来は純粋に清らかに感じざるを得ないのに
それを心深く理解できる者はまだほとんどいない


* * *
遺墨に心から感謝致します。

ありがとうございました。

最新2枚組CD「月到天心」(¥4,000)!!
10月26日発送します。
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こちら<pangaea@mt8.ne.jp>までお知らせ下さい。
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