渓聲山色 - Keiseisansyoku
心の子守唄 - Lullaby in the heart
未生の眠り、未生の岸辺
小馬崎達也&パンゲア - Tatsuya Koumazaki & PANGAEA
PMF-017

渓聲山色 - Keiseisansyoku
心の子守唄 - Lullaby in the heart
小馬崎達也&パンゲア - Tatsuya Koumazaki & PANGAEA

01 空と海の心と祈り - 大日如来 12:09
 Prayers and heart of sky and sea - Vairocana
02 瑠璃の光 - 薬師如来 11:57
 The light of RURI - Bhaisajyaguru
03 宝相華の香 - 阿弥陀如来 12:23
 The scent of HOUSOUGE - Amit?bha
04 未生の岸辺 - 観世音菩薩 10:26
 In the MISYOU shore - Guanyin
05 星への願い - 文殊菩薩 09:37
 Wish on starlight - Manjusri
06 天恵の海 - 千手観音菩薩 11:41
 The sea filled with blessing - Sahasrabhuja arya avalokitezvara
07 郷の花 - 弥勒菩薩 11:24
 The flowers in home world - Maitreya
合計時間 -Total time 1:19:34
 


PHOTO:垂井俊憲(FUJI PHOTO HOUSE)*




小馬崎達也 (ギター、久乗編鐘、全作編曲)
Tatsuya Koumazaki (Guitar, Kyujo Hensyo, All composed. arranged)
仲林利恵 (篠笛、能管、箏・十三弦、十七弦)
Rie Nakabayashi (Shinobue, Noukan, Koto)
佐藤美穂 (コントラバス)
Miho Sato (Contrabass)
吉口克彰 (パーカッション)
Katsuaki Yoshiguchi (Percussion)
三井 勇 (笙)<1,6>
Isamu Mitsui (Syo)


表紙:安達原玄
(釈迦金棺出現図より・安達原玄仏画美術館所蔵)

【釈迦金棺出現図】 しゃかきんかんしゅつげんず
涅槃(ねはん)に入った釈迦が,(「とう」はりっしんべん+刀)とう利(とうり)天より下ってきた生母摩耶夫人のために,棺から再び金色身をあらわして仏滅の真理を説いたという《摩訶摩耶経》の所説を描いたもの。




絵:釣谷豊之
(月下雪景)



題字:福家俊彦(園城寺三井寺)


最新CD「渓聲山色〜心の子守唄」¥2,500

メモリーテックで開発したHQCD盤として高音質のCDになっております。
96 K/24BとDSD5.6のハイレゾナンスバージョンも後日製作します。
お楽しみに。
〜日本国内のみ送料無料〜
こちら<pangaea@mt8.ne.jp>までお知らせ下さい。


渓聲山色 
宋の詩人、東坡居士蘇軾の偈(げ)

渓聲便是広長舌
山色豈非清浄身
夜来八万四千偈
他日如何挙似人



小馬崎達也の世界
 高原の家。窓を開け放つ。部屋には空の青に染まったような清新な空気が流れ込む。外には、いままでまったく見たことのない世界が広がっている。いつも感じる小馬崎達也くんの世界である。
 小馬崎達也くんとの出会いは1996年。いつの間にか二十年来のつきあいである。三井流聲明に魅せられた彼は、たびたび三井寺を訪れてきた。2010年には三井寺の開祖・智証大師の入唐求法1150年慶讃大法会に際して作曲された「晩鐘の月」を含むアルバム『月到天心』を発表された。タイトルは「月、天心に到るところ、風、水面に来るとき」ではじまる北宋の詩人・邵雍の「清夜吟」の詩句から採られている。彼の音楽は、いつも月の光、風の音、海の響きを感じさせてくれる。それは日常の世界だけでなく、その底に横たわる日常生活では気づくことのない「目に見えない」世界からの光であり、音である。だからこそ、彼が紡ぎ出す「目にみえない」音楽を「愛」と呼ぼうと「希望」、「信頼」と呼ぼうと同じである。
 古代ギリシアの女性詩人サッポーは、「世界でもっとも美しいもの、それはそれぞれの人が愛しているもののもつ美しさである」と歌った。まさに彼の音楽は、彼が世界各地をめぐり、文化の異なった世界の人びとと出会いを通じて身体で感じ取ってきた美しいものへの感性そのものでもある。
 この世でもっとも信頼できる友人をもった者として、彼の世界が多くの人たちに理解され、伝わることを願わずにはいられない。


平成二十六年十月吉日
総本山 三井寺 執事長 福家俊彦



渓聲山色
 渓声便是広長舌 山色豈非清浄身 夜来八萬四千偈 他日如何挙似人 (北宋時代の詩人 蘇東坡)
(山や谷、川のせせらぎの音を聴いていると、仏の言葉が聞こえてくる。山の色や姿を観ていると、仏のように清らかな身になるようだ。夜になると、たくさんに仏の詩や教えが降ってくる。いつの日か、いかにして、人に伝えることができるだろうか)
 この詩を思い浮かべた曹洞宗祖の道元は、「峰の色 谷の響きも皆ながら わが釈迦牟尼の 声と姿と」と詠んだ。谷川のせせらぎを聴いて真理(仏性)を会得したという道元は、「心とは山河大地なり 日月星辰なり」(自然も古仏も自己も凡てが、法位と同じ場所にある)、「山河を観るは仏性を見るなり」(自分と宇宙は一体で、同じ生命を生きている)と説いたが、この「人間と自然が一体となった調和の世界」という思想は、彼が比叡山(天台宗)で学んだ「山川草木 悉皆成仏」(山も川も草も木も、自然は凡て覚りを開いている)という天台本覚思想(人の心にもともと備わっている汚れない真理・悟り)に基づくという。
 ところで、天台宗を開いた最澄は唐から法華経典を持ち帰ったが、それは差別思想を内包した小乗仏教を反省、原始仏典の平等思想に立ち返って紀元前後に生まれたとされる(大乗仏教)。「法華七喩」(法華経のたとえ話)の「薬草の喩え」には、「植物には千差万別の差異があるが、同一の大地と雨によって生い茂り、潤されている」とあり、差別(区別)と平等の相互関係が象徴的に述べられている。つまり、「生きとし生けるものは平等だが、しかし凡ては違っている」と差別(区別)は個の特徴で、在って当たり前、それはかけがえのない個性だとしている。もちろん、そこには互いに乗り越えられない大きな矛盾がある場合もあるだろう。しかし、生きていくことはそれらをいかに受け入れていくか(修行・菩薩行)、そして「流れのままに身を委ねる」(丸太をくり抜いて作った丸木舟“兪”が、波に任せ揺られながら川を下っていく様)ことができれば、それが解脱(如来)の心境ではないだろうか。
ちなみに、「兪」に心が着いた「愈」は「病気や心配の種が抜き取られて、心が気持ちよくなる」、「愉」は「心中にわだかまりがなくて楽しい」の意である。他者の存在を認めることは自分が自由になること、それを認めないことは相手に捕われ支配されていること・・・、つまり、解き放たれた者の心は楽しく、他者を意識しないような緩やかな?がりが望まれよう。しかし、そんな淡白な交わりであっても、それぞれは「万に一つも無駄がない」ような関係にあるらしく、詩人の吉野弘さんはそれを「生命は」で詩情豊かに詩い上げている。

生命は 自分自身では完結できないように つくられているらしい
花も めしべとおしべが揃っているだけでは 不十分で
虫や風が訪れて めしべとおしべを仲立ちする
生命は その中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ
世界は多分 他者の総和
しかし 互いに 欠如を満たすなどとは 知りもせず 知らされもせず
ばらまかれている者同士 無関心でいられる間柄
ときに うとましく思うことさえも許されている間柄
そのように 世界がゆるやかに構成されているのは なぜ?
花が咲いている すぐ近くまで 虻の姿をした他者が 光をまとって飛んできている
私も あるとき 誰かのための虻だったのだろう
あなたも あるとき 私のための風だったかもしれない

まだ世間の汚れを知らない無垢の乳児は、その全存在を母親に依存している。そんな乳児がまどろみながら耳にした子守唄は、あたかも天上から響き流れ来た声明であったろう。この小馬崎達也氏の楽曲「心の子守唄」は、記憶にはない遠いはるかな昔、誰もが母の胸や背で知らずに経験した至福の一時を呼び起こしてくれるかもしれない

南アルプス市 クリニックいのうえ 井上勝六

渓声山色 宋の詩人、東坡居士蘇軾の偈(げ)

渓声便是広長舌  けいせいすなわちこれこうちょうぜつ
山色豈非清浄身  さんしきあにしょうじょうしんにあらざらんや
夜来八万四千偈  やらいはちまんしせんのげ
他日如何人似人  たじついかんかひとにこじせん 
渓谷の声(山や谷、川のせせらぎの音)を聞いていると、仏の言葉が聞こえてくる
山の色や姿を見ていると、仏のように清らかな身になるようだ
夜になると、たくさんの仏の詩や教えが降ってくる
いつの日か、いかにして、人に分かる時が来るだろうか
---------------------------------------------------
蘇東坡(そとうば)
蘇 軾(そ しょく、景祐3年12月19日(1037年1月8日) - 建中靖国元年7月28日(1101年8月24日))は、中国北宋代の政治家、詩人、書家。東坡居士と号したので、蘇東坡(そとうば)とも呼ばれる。


御縁に感謝 - Spcial Thanks To :

高野山真言宗 総本山金剛峯寺
真言宗醍醐派総本山 醍醐寺
天台寺門宗総本山 園城寺三井寺
天台宗南叡山妙法院 蓮華王院本堂(三十三間堂)
高野山真言宗 白鳳山 中心光寺
高野山真言宗 袈裟山飛騨千光寺
天台宗 峨眉山文殊仙寺
浄土宗 海光山慈照院長谷寺
浄土宗 松林山柏心寺

桐ギター製作:小林一三(小林一三ギター工房)
久乗編鐘製作:山口敏雄、山口直子(株式会社山口久乗)
笛師:久保井朗童(天賦流五代目・みさと笛三本調子)、蘭情(篠笛三本調子、〇二本調子)


録音:2010年5月〜2014年10月 パンゲアミュージックファームスタジオ
Recording place: Pangaea Music Studio 2010 May ~2014 October

マスタリング:加藤明 太陽倶楽部レコーディングス
Mastering : Akira Kato Taiyou Club Recordings
このCDマスター製作には、エコロジーでクリーンな太陽光発電による
ソーラーマスタリングシステムを採用しています。
その結果、従来よりさらなる音質向上につながりました。(商標登録済)


題字:福家俊彦(園城寺三井寺)
表紙:安達原玄(釈迦金棺出現図より・安達原玄仏画美術館所蔵)
挿絵:釣谷豊之(月下雪景)
タイトル題字:福家俊彦(園城寺三井寺)
PHOTO:垂井俊憲(FUJI PHOTO HOUSE)*のみ
ジャケットデザイン:山内豊也(日本珈琲販売機構ぽえむ)
プロデュース・製作・録音・編集:小馬崎達也 パンゲアミュージックファーム



たくさんの方々のご協力、ご支援、そしていろんな思いの中からこのアルバムが完成する事が 出来ました。
心から感謝致します。ありがとうございました。
父・小馬崎道夫 - 2014年7月3日、仏画家・安達原玄 - 2015年3月9日に捧ぐ


平成二十七年七月(2015年7月) 小馬崎達也

最新CD「渓聲山色〜心の子守唄」(¥2,500)
〜日本国内のみ送料無料〜
こちら<pangaea@mt8.ne.jp>までお知らせ下さい。
Back

キャップ  ジャケット三つ折り_表(外) ジャケット三つ折り_裏(内) バックインレイ表 バックインレイ裏