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風の組曲 wind suite
Tatsuya Koumazaki & Febian Reza Pane

八ヶ岳山麓より静かに流れるアコースティックの響き…。それは大自然からのメッセージ。生命への慈しみと温もりを感じ、”やすらぎの記憶”を辿りながら永遠の夢想へと誘います。

大自然に静かに響く、リラクゼーション・サウンド。

 

  1. 風のささやき
     Whispering wind
  2. ほたるの夢
     Kunang Kunang / Firefly dreams
  3. 草の海を吹きぬけて
     Wind rippling the ea of grass
  4. 月夜風
     Wind aat moonlit night
  5. 彷徨い
     Wanderer
  6. 月の足跡
     Moon shaadow
  7. 彼は誰と風が呼ぶ
     At twilight,
     wind is wondering who you are.

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小馬崎達也  (acoustic guiter)

Febian Reza Pane  (piano)

All Music Composed by Tatsuya Koumazaki

Arrenged by Febian Reza Pane , Tatsuya Koumazaki

〜風に吹かれて〜  井上勝六

 虫や鳥や花が飛ぶとき、また、農山漁村の生活の中で、大気の流れである風はなくてはならないもの。人々の風への関心が高いのは、それが日々の生活と深く関わっていたからだ。
 風は雲を呼び、霧や雨や雪をもたらす。wind(風)がweather(天候)と同じ語源をもつのも、大気の流れで生まれた風と天候の変化が、表裏一体の関係にあったからだろう。風には、「疾風怒涛」〈しっぷうどとう〉「風雲急」〈ふううんきゅう〉のような激しい変化があれば、一方では、「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞ驚かれぬる」(古今集)のような繊細さも備わっている。
 古人は、「野分〈のわき〉のまたの日こそ、いみじうあわれにをかしけれ」(徒然草)と、台風翌日の庭の荒れた様〈さま〉に情趣を覚えた。吹き過ぎる風に一抹の憂愁の香りを聴いたのは、絶え間なく千変万化する風の流れが、定めなき人生の時の流れに重なったからだろう。同時に、台風や暴風など、あらがいようのない自然の猛威は風神<ふうじん>の仕業と畏怖し、なだめ、すかし、そしてまつりあげた。
 自然界の超異常現象は風神、つまり「風の邪」<かぜのじゃ>のいたずらであったから、身体の異常も「風邪」<かぜ>と称され、それは「万病のもと、百病の長」と恐れられた。気逆・気滞など心の異常も、風の動きと関わりのある "気" の乱れによるとされた。実際、気の動きによって左右される心の有り様<よう>は、風采・風姿・風格などと、その人ならではの雰囲気をかもし出す。また、ゆかしいおもむきは風流・風雅、そこはかとなく漂う味わいは風情・風味・風光など、気と風は同義語として使われた。
 「風景画家」は存在しても「景色画家」がいないのは、刻一刻と変化する掴<つか>みどころのない自然の気を「景である形」に描き込んで、画家はそこで創作変化を行うからだろう。「木の葉のそよぎ、風の音にも静かに耳を傾ける心は、芸術を愛し人間を愛する心である。」といったのは、確かチャップリンであったか。

『風の組曲』  小馬崎達也

風と遊んだことがありますか?。
風は空気(大気)の流れです。命の根源(もと)を運ぶ風。風が命を運び、そして土に帰してくれます。澱んだ空気が溜まれば、大きな風が吹き荒れ、元のきれいな空気に浄化してくれます。風は止まることのないドラマを私たちに見せてくれますが、でも、風そのものは見ることが出来ません。
心の目で風を観ると、地球、そして宇宙は、その大気=命の根源(もと)によって一つに包まれているのを感じます。命の根源である大気を運ぶ風は無限です。清里に移り住んだ頃は、大自然の山と人工的な街は全くの別な世界だと思っていました。でも最近になって少しづつ心で風を感じるようになって、山と街という分離感がなくなってきました。山で感じることを街でも感じ、街で感じることを山でも感じる、そんな隔てのない世界を教えてくれたのが風です。
清里では、季節の替わり目をまず風が教えてくれます。夏、下界ではこれから暑い夏になろうとしている7月下旬から8月上旬、秋の香りをのせたさわやかな風が吹いてきます。冬、夜の気温がー20℃にも達する2月中旬、まだまだ春は遠いのに昼には春のやわらかな香りをのせた風が吹いてきます。そして春夏秋冬、風はいろんなことを伝えてくれます。風を感じ、風を観て、風と遊ぶ……、みなさんといっしょにそんな日々を重ねられたらと思います。

STAFF

Producer : Tatsuya Koumazaki

Recording Engineer : Akira Katou(Taiyou-sou Club)

Mastering Engineer : Tadaaki Kisaka

Jacket Design : Shuich Taira

Executive Producer : Hideo Utsugi

Special Thanks to

矢崎幹夫(ベーゼンドルファー I.P.F. JAPAN), 茶位幸信(茶位ギター工房), 佐伯稔, 中尾貿易(株)オベーション, (株)エレクトリ, アキフェーズ(株), 牧丘町民文化ホール, 横内の花子ギター・マンドリン工房、矢部正人(White Scuner), 井上勝六

CD「風の組曲」のお問い合わせは、Pangaea Music Farmまでお知らせ下さい。


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