久乗編鐘
日本の寺院や一般家庭で仏具として使われている「おリン」の形で、高岡銅器の優れた鋳造方法を用いて製作された打楽器。
私の使っている久乗編鐘はB2,C3〜C5の2オクターブと半音一つです。
上の1オクターブはC4〜C5は半音階の13個で、C3からは必要な7個あります。もう一つ増やして21個になります。
最近のコンサートにはどこにいくにも欠かす事の出来ない楽器になりました。2002年のチュニジア・イタリア公演では教会の中に非常に良く響き渡っていました。
紀元前5世紀の中国には、既に編鐘という楽器がありました。高さ150cmを超える鐘から20cm程の小さな鐘まで、大小を吊るして音階をつけてあります。それは祭祀や儀式の時に使われた重要な楽器でしたが、その後途絶えてしまいました。
仏具のおりんで聲明の基音とする為の、十二律(十二音階)の音をつくり出しました。
音階につくったおリンを、中国の古代楽器である編鐘のように架にかけて「久乗編鐘」が誕生しました。おリン独特の音色がたまらなく不思議な楽器です。
西洋の鐘の音は、天に向って飛翔し高らかに鳴り響く感じですが、日本の鐘やおリンの音は、対照的に地を這って響き、人々を静かに包み込む音のようです。
どことなく、温かく優しく何かに護られているような感覚に包まれ、心の底に響く心地よさを感じていただけるのではないでしょうか。
感謝する・手を合わせる・祈る・・・・そんな気持ちにさせる楽器なのでしょう。 (山口久乗ホームページより)
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