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太陽光発電に日照権?

 この見出しで、2005年5月23日朝日新聞の九州版でトラブルが紹介された。

『事の起こりは、太陽光発電設置者の隣の空き地に2階建てのアパートが建ち、日陰が発生し、発電量が3分の1ほど減った』と言うものである。
太陽光発電設置者は、アパートを建てる住宅会社に「太陽光発電の利益が失われる」と訴えたが、住宅会社から話を聞いた施行主は「建てる権利はあるはずだ」。住宅会社は「こんなトラブル聞いたことがない」と困惑している。

と新聞では紹介しているが、問題は日照権だけであろうか?

 今月中旬、アパートは建ち、発電量は3分の1ほど減った。(このままだと、季節の変動とともに発電量は減少し続けることが予測される)太陽光発電設置者は22日、アパートよりも高い位置に太陽電池を設置するため、7〜9メートルの柱6本を立てる工事をした。
「とりあえず自費で改築するしかない」と言う。この記事に対してコメントを求められたNGO「太陽光発電普及協会」(大阪府八尾市)にも最近、同様の問合せが増えている。
井口正俊会長は「太陽光発電をしている人には既得権がある。損害賠償の対象になるはずだ」と強調。「環境に良かれと思って金銭的犠牲を払っていることを考慮してほしい」と訴えている。また、93年に九州で初めて個人宅の太陽光発電を始めた方のコメントとして、「日照権問題は都市部で出てきておかしくない」と話す。「隣に建物ができて日陰ができる場合、高い方に太陽電池をつけて共同で使うという形に変わるのでは」とも語る。
(隣接する住宅の屋根を借りて太陽光発電を設置することは許可されております)

ここに、まったく見当違いのコメントを寄せている国の機関があるので紹介いたします。

 上記の記事に対して、国土交通省は「(建築を)規制しすぎると財産権の侵害になる。
今回の鹿児島のケースに違法性はなく、あとは民事上の問題」
という。と紹介している。

 太陽光発電普及協会 山梨県支部 浅川太陽光発電所は、国土交通省に対して、
「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」
設備認定 発電事業者 浅川初男 は上記の記事で紹介されている問題は、あきらかに法律違反であり「違法性はなく、民事上の問題」とした国土交通省の見解は法律違反として認識していない、縦割り社会の見識のなさを露見しているとして、誠に残念ながら報告する原稿を発表しなくてはなりません。

私どもは、今まで「RPS法」についての紹介と、矛盾について出来る限りの機会を通じ皆様方に紹介してまいりましたし、電力会社とも協議を提案したり、関係各機関に対しても同様に公報活動や協議の場を持ち周知につとめてまいりましたが、

「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」の一翼をになうはずの国土交通省が違法性はないとするコメントには、理解し難いものがある。
RPS法では環境大臣、農林水産大臣、国土交通大臣の意見を経済産業大臣は聞かなくてはならない。として各省庁間の連携をうたっているのにも係わらず。RPS法は関係ない「(建築を)規制しすぎると財産権の侵害になる。今回の鹿児島のケースに違法性はなく、あとは民事上の問題」としてコメントを寄せているが、コメントを寄せた部署は、RPS法をまったく理解しておらず、何のための法律か、はたまた、法律違反の手本を国土交通省が自ら認め、RPS法を無視して良いとコメントしているともとれる。

RPS法では、太陽光発電は新エネルギー発電として法律で認められており、また、太陽光発電で発電された電気には環境価値が認められており、今回の国土交通省のコメントはRPS法で認められている環境価値を認めないと取れるコメントである。
国の根底の機関である国土交通省が経済産業省の作り出した法律には従う必要がなく、建築優先、太陽光発電にも財産権と営業権があるのにそれらを無視するコメントを新聞で発表するのは問題である。

新聞では、建てる側が優位と言う発言になっているが、問い合わせを寄せた太陽光発電設置者がRPS法に同意していた場合は、アパート建設業者とアパート建築運営業者は、
「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」で認めている新エネルギー発電の太陽光発電所に対して、日照時間を故意に減少させ、発電量の減少を故意にまねき環境価値を阻害または妨害したことになり、RPS法で認められている環境価値損失で告訴することが可能です。
また、日陰により消失した日照権と、経済的損失(日陰により生じた収益の減少部分)や日照を確保するために、太陽光発電設備の移動等に要した費用は民事損害賠償の対象になり、今回の事で生じた精神的苦痛に対しても損害賠償の対象になります。

また、他の環境価値問題も浮上してまいりますので大きな問題となるでしょう。

今回の問題は、日照権問題ではなく、RPS法で認められた環境価値をどのように扱うかであり、RPS法を適切に理解し、正しく運用するかが求められているのです。
日照権問題として、民事上の問題とする発言を寄せた国土交通省の発言は、RPS法を無視した発言で、RPS法に同意している国土交通省としての姿勢が問題になります。

今回の、「太陽光発電に日照権?」の記事を書き上げた記者は、RPS法を理解したうえで、これらのコメントを取り、記事にしたのであれば、自然エネルギー発電に対するRPS法を周知、理解させるために記事を書いたのか、いずれにしろ良い着眼点です。
「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」が正しく理解され、正しい運用がなされ、自然エネルギー利用の推進基盤になれば良いのでが、現状では電力会社の優位に利用されており、自然エネルギー淘汰の法律にならぬように皆様に知っていただきたいのです。

太陽光発電普及協会 山梨県支部   
浅川太陽光発電所  所長 浅川 初男
RPS法 電気事業者   浅川 初男

2005.05.25


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