| ホーム | ドキュメント | 施設 | 自然とあそぼう | リンク |

太陽光発電の危機 P4『刺客の登場』

2005.12.20

 1994年以降、太陽光発電の急速な普及にともない、2005年に至り太陽光発電にとって脅威となる政策が密かに進行している可能性が有ると見られる出来事が、2005年12月9日 経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー対策課にて発生している。

 ことの発端は、太陽光発電普及協会 東京支部 高橋(当会渉外担当)が太陽光発電担当部署である新エネルギー対策課の人事異動により、新担当課長の就任をしり、太陽光発電普及協会として担当課長に挨拶と名刺交換の後、当会の基本方針を説明する中で発生。

(詳しくは、当協会発416号及び418号を参照ください)

 私ども太陽光発電普及協会は、住宅用太陽光発電が法的に認められる前から活動をしていた独立系太陽光発電を自宅等に取り入れていたパイオニアや系統連系が認められると直ちに導入した住宅用太陽光発電所のパイオイアが太陽光発電の普及を目的に相互の情報を持ち寄り結成されたボランティア団体です。その活動は、全国太陽光発電所長会の発足とともに国のエネルギー政策に住宅用太陽光発電の普及策を提言、検討し太陽光発電の普及に努めてまいりました。 当初の住宅用太陽光発電は補助金政策と一体のものとして普及が進められたが、そこには多くの制約が存在し、個人による補助金申請には多くの時間と、複雑な書類を作成する必要が有り、個人で補助金申請を行うには難点が有りました。 太陽光発電普及協会は発足間もない団体でありましたが、補助金申請の窓口となった新エネルギー財団と幾多の協議や提案を行い、申請者の便宜を図るように双方納得のいく書類作成手順や補助金審査時間の短縮等、補助金申請者が規制を受けずに済むシステムを新エネルギー財団に提案協議し、その内容は広く電力会社の安全管理にまで及び、その都度検討を行い補助金申請手順や内容を改革していただき、多くの住宅用太陽光発電所が公平に補助金申請を行える道を切り開き、さらには、当時の政策の本体である通産省との協議まで実施し、住宅用太陽光発電の為の多くの規制を緩和する政策を導きだし、今日の住宅用太陽光発電の普及に大きく貢献するとともに、地球環境問題を取り上げ自然エネルギー利用による地球温暖化防止策に協力してまいりました。

 今回の、経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー対策課長の言動及び行動は、私ども太陽光発電普及協会の今まで行ってきた長年の実績や太陽光発電普及活動を根底から否定し、その言動により今後の太陽光発電普及策を規制するものと判断するに至りました。

 私ども、太陽光発電普及協会はその真意を確かめるべく法的手段に訴え、自然エネルギーを利用したエネルギー政策を実施する政策決定機関が一部の極端な経済優先主義によりエネルギー政策を考えようとする方により、地球温暖化防止の最有力候補の自然エネルギー利用政策を葬り去る危険性を阻止すべくこの様な行動を起こした次第であります。

太陽光発電普及協会は、歴代の新エネルギー対策課の課長との話し合いは、公式の場と非公式の場を通じてとりおこなわれてまいりました。また、今回と同様に幾度となく新エネルギー対策課や各課を訪問し、名刺交換と挨拶を交わす最低限の会話を交わす場合も幾度か有りましたが、その都度居合わせた課長職に就いておられる方とは会話を交わしておりますが、今回のように退去を求められることはありませんでした。

 今回、退去を求められる異常事態に対して前々から抱いておりました心配事が表面化するに至り、推測の域をでることがなく埋もれていた実態を皆様にお知らせし自然エネルギー利用拡大の為にも超えなくてはならないハードルを考えてみたいと思います。

 太陽光発電は『国策の自前のエネルギー』の必要との考えから導入されサンシャイン計画、ニューサンシャイン計画と引き継がれ、住宅用太陽光発電普及へと進化を遂げてまいりましたが、住宅用太陽光発電が普及するとともに大きな壁が立ちふさがりました。電力会社との連系システムと経済性との関係です。 当初の太陽光発電所の扱いは自家用発電所の取り扱いであったが、書類審査の複雑さと申請許可の難しさから一般には馴染み得ないものであった為に、かなりの専門知識が必要となり、それなりの知識を体得する努力が必要でした。

 それらを軽減し、住宅用太陽光発電所として、太陽光発電規模に応じて一般家電製品として扱えるようにして、広く一般に馴染むものとなりました。

 住宅用太陽光発電システムが一般家電製品扱いとなる規模を決定するときに、電力会社サイドと太陽光発電普及サイドが第一回目の衝突を起こしました。 この時、太陽光発電普及協会は既に一般家庭用太陽光発電システムによる一般家庭での太陽光発電システム必要規模を協会会員からのデータにより必要太陽光発電システム規模が判明しており、電力会社サイドからの必要要請規模を3kWと知ると会員のほとんどが増設を開始し、その増設規模が10kWを超えることを知った当時の太陽光発電普及サイドが後押しを行い、難しい申請のいらない一般家庭用太陽光発電システムの規模が20kW以内となったのです。 (20kW超は自家用発電設備となりますので自家用発電所申請が必要です) 当初は、住宅用でしたので住宅の屋根にしか太陽電池を取り付けることが認められていませんでしたが、太陽光発電普及協会と経済産業省の担当部署との協議の場において法律の適正解釈を望む協議から以下の様な解釈がなされました。

  1. 住宅に隣接する土地(建物等を含む)に太陽電池を設置することが出来る。
  2. 隣接する屋根や壁面に所有者の許可が取れれば太陽電池を設置することが出来る。
    (一般道路や河川水路等をまたぐ場合は許可申請が必要)
  3. 住宅以外の建物にも太陽光発電システムの設置をすることが出来る。
    (車庫、壁面、物置、別荘、集合住宅、アパート等)

  このように広く解釈がなされ、居住施設があれば太陽光発電システムが設置できるようになり、広く住宅用太陽光発電システムが導入される道筋が開かれ飛躍的な普及が始まると次なる問題が発生しました。 電力会社サイドから一般住宅用太陽光発電所が増えすぎると系統連系点(電力会社の電力網に接続場所)における電力変動が発生し、電力の質に異常をきたす恐れがあるとして、同一場所での複数の一般住宅用太陽光発電所の系統連系に対して規制をかけてきました。系統に異常をきたさない立証データの提出を求めたり(個人では要求データの作成は不可能)、最大電力追尾機能のあるインバータ(パワーコンディショナー)の設置を後からの一般太陽光発電所の設置希望者に対策を求める等のことが伝わりましたが、これらにつきましては浅川太陽光発電所と大友太陽光発電所が共同で実験を行っている施設によりそれらのデータは何ら意味を持たずただの虐めにすぎないことが判明しました。

 現在のインバータでは同一供給点で5台(4kタイプ4台、15kタイプ1台)の同時使用が可能で、さらに同一供給線で4台(4kタイプ)が同時使用可能となっております。ただ問題はこれ以上の実証データが私共に無いことです。 さらに電力会社サイドからは一般太陽光発電所の増加にともない電力料金問題が発生してまいりました。一般住宅用太陽光発電所のシステム規模が6kWを超えると電力会社側からの利益が確保されない、一般住宅用太陽光発電所側に利益を払い戻すことになる収支バランスとなりました。時を同じくして自然環境保護等のNPO団体が努力して建設した風力発電所も全国に立ち上がり、収支バランスの良さから広がりを見せ更なる自然エネルギー利用の促進を願い 計画していた自然エネルギー利用促進法がRPS法に置き換えられ、電力会社サイドの巻き返しに遭い、風力発電所からの電力買い取り入札制度が実施され、RPS法を盾に風力発電所からの電力の買い取りを拒否するとも取れる金額を提示(0円〜3円)この事態収集すべく公正取引委員会に対して、自然エネルギー利用促進を願う太陽光発電普及協会は大手各電力会社に対して独占禁止法違反として訴えを起こし、結果として大手各電力会社に対して公正取引委員会から「注意」の裁定判定が下った。

 またRPS法が施行されるときにも、現在注目されている燃料電池システムの取り扱いを取り上げるように進言したが却下され、住宅用の開発は阻害されたが 開発企業の努力により一般住宅用開発は当初の一般住宅用太陽光発電所のシステム規模同様の3kWで開発が続けられ、一般住宅に導入可能までのところに来たところ、燃料電池システムからの系統連系による売電は許可しない方針が伝わる。3kWの燃料電池発電システムだと夜間の発電電力はほとんどが売電になる為に原子力発電と競合することになり、原子力推進政策と相反するものになることと、燃料電池に供給する燃料の多様化をさけ、化石燃料の使用を求めた結果、一般燃料電池システムの出力が1kWに小型化され、系統への電力の供給が無い内部消費型になり、電力が足りない時は電力会社から電力を買うシステムを強要された格好になってしまった。

 以上の様な経緯を経験している太陽光発電普及協会は、今回の新エネルギー対策課長が燃料電池関係を兼務していることを考えると、一般住宅用太陽電池普及に関しても、燃料電池と同じ運命をたどるように政策立案する新エネルギー対策課から強いられるのではないかと推測する。 私たち、太陽光発電普及協会は太陽光発電を通じ地球環境の保全・地球温暖化防止に努力するとともに、自然エネルギーの利用促進を進め更なる地球温暖化防止策を提案するものです。私共の渉外担当に対して退去を求めた新エネルギー対策課長に疑念を抱かざるをえません。

太陽光発電普及協会 山梨県支部 浅川初男


▲上に

浅川太陽光発電所 - 八ヶ岳・北杜市大泉 -
copyright 2001-2009・The ASAKAWA soler power station / ASAKAWA Hatsuo

ホームページ掲載の写真や原稿には、著作権等があり、無断で使用することは権利の侵害になりますので、営利目的に使用の場合はあらかじめ許可が必要になります。

sun@mt8.ne.jp

【 お詫び 】
サーバ移行時にメールの設定が不十分のため、不達メールがでてしまいました。
お心当たりがありましたら、再度送信していただきますよう、お願い申し上げます。