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太陽光発電の経済性 ・P3 2006

浅川太陽光発電所 所長
浅川 初男
(RPS法電気事業者)

 地球温暖化防止の切り札である太陽光発電の普及とともに、太陽光発電について、私どもが研究していた現象や問題が本格的に表面化し、各地で報告され、私どもに問い合わせが殺到してまいりましたので、その現象問題の理解と、現象の回避や対処方法及び対策を、私どもの研究からお知らせし、問題の解決に繋がることを願って、ここにお知らせいたします。

問題の現象については、浅川太陽光発電所のホームページを介して、1998年から、その都度お知らせしてまいりましたが、当時は皆様が起こりうる現象を理解できる設備容量(太陽光発電の集中設置)が設置されない為に、理解されませんでした。本格的に普及されて、集中すると次のようなことが起こるとして、 浅川太陽光発電所ではホームページで随時情報の開示をしてまいりました。

  • http://www.mt8.ne.jp/sun/p2.html
  • http://www.mt8.ne.jp/sun/keizaisei.html
  • http://www.mt8.ne.jp/sun/keizai_p02.html
  • http://www.mt8.ne.jp/sun/20051125.html
  • http://www.mt8.ne.jp/sun/engy200#FE076

この中で、注目しなくては、いけない部分は、太陽光発電の複数設置です。 当初、私どもは、太陽光発電所は早い者勝ちである。と講演会等の場所で発言しましたが、現在のように皆様が、地球温暖化防止に興味をいだき、地球環境の保全がいかに大切であるかを実感する機会が多くなるにつれ、環境汚染の無いクリーンエネルギー利用の太陽光発電の大切さを御理解いただき、設置を前向きに検討していただくことが多くなるにつれ、太陽光発電システムを設置する家庭が普及して参りました。それとともに、給電部における電圧変動による障害が発生する恐れが懸念され、1997年から浅川第2太陽光発電所と大友第2太陽光発電所で共同研究をしてまいりました。 浅川・大友・第2太陽光発電所では、(両発電所の総合出力約50kW)

  • http://www.mt8.ne.jp/sun/2nd.html
  • http://www.eps4.comlink.ne.jp/~satoruot/dainihatuden.htm

現在、家庭用インバータ(パワーコンディショナー)4台、中規模インバータ1台、動力用中規模インバータ1台が同一場所で連系運転しておりますが、各インバータとも正常な運転をしており、系統電圧や周波数にも異常を生じておりません。私どもの太陽光発電所では、同一電柱より給電を受け、動力と一般電灯線で結ばれ、1本の電柱から6台のインバータに給電しており、各、インバータとも、相互干渉の影響を受けずに通常運転をしております。 同一場所でのインバータの複数使用には、ある一定のルールが必要になります。

ルール1
系統電圧が一定であること(101±6V)以内であること(分散型電源系統連系技術指針に基づく範囲以内)が必要になります。 この範囲を逸脱していればインバータ(パワーコンディショナー)は発電を中止するか待機状態になり、危険値であれば運転を停止いたします。

ルール2
系統に連系しているインバータ(パワーコンディショナー)が最大電力追尾システムを搭載していること。(電圧変動に対応できる機器であること)

ルール3
系統電圧に異常があると思われる場合は、電力会社の協力を求め、系統電圧の適正値に近づける措置(柱上トランスのタップ調整)を行う。

ルール4
同一供給点の電柱から供給されている、家庭用太陽光発電システム設置家庭のインバータ(ハワーコンディショナー)が同一機種でないこと。 旧タイプのものにあっては、干渉を受けやすい物もある。

ルール5
同一供給点の電柱から供給されている場合、4台目は最大電力追尾対応のインバータであること。

5台目には、特別なシステムを取り付けなければ最大電力追尾のインバータでも、周波数変調や電圧異常を感知し、発電を中止し、待機状態になったり、発電を停止いたします。現在の実験設備での研究結果からは、同一電柱からの家庭用太陽光発電システムは、最大で4件が可能であると言えますが、4件の内で1台は必ず最大電力追尾機能がある物が設置されることが条件になります。

最近では、大きな太陽光発電システムを取り付ける家庭を見ることも珍しくなく、インバータ(パワーコンディショナー)を複数取り付けて使用している家庭もあり、太陽光発電システム販売業者は、ただ販売するだけではなく、現地確認を怠ると、太陽光発電システム購入者から不当販売として訴えられることも考慮し、販売にあたらなくてはなりません。

太陽光発電システムが普及するとともに、それにともない問題も発生いたしますが、問題に対して、取り組む姿勢が大手電力会社により違うのも事実で、太陽光発電を開始して、10年以上経つと売電計の交換時期になりますが、大手電力会社によっては、一部費用負担や全額負担を求めたり、無償で交換したりと対応がまちまちです。これらについては、改革を経済産業省に求めていますが民事契約上の問題として、取り合わない態度を経済産業省は執っています。 私たち、太陽光発電を行っている人々が、これらの問題を直視し、対応にあたる時期に来ておりますので、大きな声を行政にとどけることのできる組織作りが必要です。

 私たちは、パイオニアとして普及する道筋を確保する為に努力してまいりましたが、問題が全国に波及するにあたり、私どもだけでは対応が間に合いません。多くの太陽光発電システム設置者が、集い、問題発言できる組織を育てていただきたいのです。現に、私どもと、同じように全国組織化しているNPOがあるので、会員の皆様は実際に起きている問題をNPOの会合などで話し合い、太陽光発電を広める為に、行政にアッピールしていただきたいのです。 私たちのルートだけでは、行政を動かすことは難しくなり、多くの人々の意見や問題定義が行政に届くことが大事な時代になっています。太陽光発電システムを自宅に取り付けるだけではなく、取り付けた太陽光発電システムが末長く、多くの方が使用できるように皆様の声と協力が必要です。

それらの声が発せられないと、最後に太陽光発電システムを取り付ける家庭は、現状ある太陽光発電システムに影響を与えないようにする為に、先に設置している太陽光発電システムに使用しているインバータ(パワーコンデショナー)を全て、影響を受けないタイプのものに変えないと太陽光発電システムを取り付けできないことになり、太陽光発電システムの普及に悪影響を与えることになるのです。先に述べた販売業者のカモになる恐れが生じます。

特別措置を行わない限り、1本の電柱に連系できる太陽光発電システムは、私どもの知る限りでは、4件でインバータ(パワーコンディショナー)4台までです。同一家庭での複数使用時には、最大電力追尾機能付きであれば、1台をメインインバータとして1件で複数台使用可能なタイプもあります。

これらのインバータは、インバータ販売元に複数台使用時の配線方法等を確認する必要があります。(有資格者であっても確認をしてから連系操作を) また、系統の端末においても、50kW以上の発電設備が設置可能ではあるが、配電線網がしっかりしていないと、電圧上昇現象を発生する場合もあり、一般住宅の密集地では、低出力(3kW以下)の太陽光発電システムを複数台設置した場合は、電圧降下や上昇が頻繁に発生する可能性があり、売電には向かない家庭内部消費型の太陽光発電システムになることが予想される。

内部消費型とは、太陽光発電システムの発電状態時に、太陽光発電システム設置家庭の内部の消費電力が多い場合のみ発電をする状態を言います。 このタイプは、家庭用燃料電池システムに取り付けられており、燃料電池システムでは、消費電力がない場合は売電ができないように発電システムを止めるシステムを求められて開発が進んでおります。

太陽光発電システムの場合は、日中の太陽光を余すことなく利用することが地球温暖防止につながるので、太陽光で発電できる場合は、余剰電力は全て電力網に送り出し、売電することにより、地球温暖化防止に役立つのです。 このことにより、太陽光発電の経済性が最も発揮できるのです。 地球温暖化防止対策に貢献できる太陽光発電システムを、最も高効率で運転できるように各、大手電力会社は配慮し、地球温暖化防止に自然エネルギーを利用した発電に対して、協力することが求められております。

『私どもの、施設運営に御配慮していただいている電力会社関係者におかれましては、更なる御協力のほどよろしくお願い申し上げます』                             

2006.04.06


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