| ホーム | ドキュメント | 施設 | 自然とあそぼう | リンク |

八ケ岳南麓における地球温暖化現象 2006.P2
(太陽光発電の発電量の変化と気象現象・自然現象)

 八ケ岳南麓に点在する、各、浅川太陽光発電所では、太陽光発電システムの研究と開発、それに伴い普及方法を模索し、太陽光発電に使用する太陽電池の種類(単結晶・多結晶)を複数使用し、太陽からの無尽蔵の自然エネルギーである光を利用し、地球環境の保全のために、太陽電池で太陽の光を電気に変えて、発電を実施しております。太陽電池の種類を変えることにより、太陽から降りそそぐ光に含まれる波長の違う光を利用して、10年以上渡り発電し、発電状況を観測することにより、大気中にあるゴミや塵の量的変化を発電状況から捉えていることを確認できる発電状況を発見いたしました。

 浅川太陽光発電所が発電を開始した当初は、販売されている太陽電池の種類は単結晶タイプと多結晶タイプに大きく分かれており、多結晶タイプの太陽電池の発電能力は、散乱光に対して発電能力が高いことがわかりました。曇りの日には、単結晶タイプの太陽電池の発電能力が低下するのに対して、多結晶タイプの発電能力は、単結晶タイプの太陽電池に比べて発電能力の低下が単結晶タイプよりも緩やかであることが実証されました。また、単結晶タイプの太陽電池は空気が澄みわたる、雨上がりの晴天時や、季節風の治まった晴天時には、多結晶タイプと比較すると驚くほどの発電能力を示しました。
 10年以上太陽光発電を続けていると、季節変動による発電能力の変化や、温度による発電能力の変化、特にめまぐるしく変わる気象条件による発電能力の変化をリアルタイムで記録、観測し、多くの経験を積むことができましたが、太陽電池の劣化による発電能力の変化を12年間で経験することはありませんでした。私どもの太陽光発電所においては、約30年前に製造された太陽電池が発電を続けておりますが、発電状況や発電量には変化はありませんが、太陽電池の大型化により発電量や面積の違いから、見た目で古さが顕著に確認できるようになりましたが、発電性能については、面積の違いからは、さほど影響のないことがわかりました。(浅川第2太陽光発電所参照
 性能比較試験を続けていると、日々の発電量から、月別発電量、年間発電量と処理し、各項目ことに前年度と比較対照出る発電データが揃い、年を重ねるごとに晴天率の変化を克明に捉えることができるようになりました。 それらの結果を『八ケ岳南麓における晴天率と地球温暖化』でお知らせしてまいりましたが、昨年度(2005)から、浅川各太陽光発電所の発電データに今までにない発電状況が生じてまいりました。昨年1年間の発電記録と本年度(2006)の記録を見直して行くと、発電効率と発電量に、今までに無い特徴が現れはじめているのに気付きました。発電データの再確認をすると、単結晶と多結晶の発電効率が両者とも並びはじめているのです。疑問を持った私は、私よりも知識のある知人を交えて前回の原稿で、お知らせいたしました八ケ岳南麓の季節風による砂塵や土ボコリの話しを照会いたしました。
 今回、それらを交えて知人に話したところ、昔の話になり、生活環境での大きな変化を確認することになりました。知人は都内と八ケ岳南麓を10年以上往復しておりますので都内と八ケ岳南麓の生活環境の変化をつぶさに見てこられました。寒さが緩やかになったことや、自動車による環境破壊があったこと等、時間が足りないくらい話に夢中になり、話題に事欠きませんでしたが、お話しの中で、大気中の微粒子の影響による呼吸器系の病気の蔓延が心配になる等で、お話しは一区切りが尽き、年代とともに産業の発展と大気中の微粒子の増加から自動車公害へ、さらに都内の環状線雲の話題に移り、地球環境規模の気象現象黄砂と大気汚染の関係にと続きました。昨日から、日本列島は大規模な黄砂にみまわれ、二日前に中国大陸で舞い上がった砂粒(微粒子を含む)が降りそそぎ、日中にもかかわらず八ケ岳南麓では、一時的に視界が1,500m位までおちていました。先日の知人との話を思い出しながら、これに大気汚染物質が含まれていることを誰が懸念しているか、海を隔てた大陸からの汚染物質の到来を注意しないと国内における花粉症と称している症状が、何が原因で広範囲にわたり発生しているのかを検討しようとする試みさえも無いのが現状である。と原稿を書いていたならば、花粉症について人口密集地に多発することをニュースで紹介していた。大気中の微粒子は、地表から人間の身長くらいの大気層が最も微粒子が多いので、交通量の多い道路沿線や人が沢山、行き来する場所や集まる場所は自然と微粒子が多いことになる。と原稿用にとキーを叩いていたならば、ニュースで光化学スモッグの発生を予測した注意を呼びかけていた。免疫系に経験の無い大気汚染物質があると、人体は危険を察知して防衛反応が起こるのですが、子供はそれらの過剰反応によっては、生命維持さえも危険な状態になります。子供の身長付近には、大気中の塵やホコリに混じり、化学物質が散乱しているのです。大人と比べ子供は免疫経験が少ないために、化学物質の影響を受けやすくなっています。このような状態は急激な呼吸運動により生じやすいので、風の流れの止まった校庭や広場は危険な場所になりうることを大人は注意しなくてはなりません。局所的な気象変化ばかりではなく、日本列島全体の大気変動を考えると、大気中の微粒子についても、広範囲にわたり考える必要があり、大気中の微粒子の広がりには地球温暖化現象により、対流圏の広がりで、対流圏内の気象現象の大型化を予測している地球シミュレーターが教えてくれているが、どのように活用すれば良いのだろう。
今回、地球シミュレーターの地球温暖化予測にもある対流圏内の気象現象の裏付けにも、関連すると見られる、それらの結果と同じ状況を八ケ岳南麓に点在する浅川太陽光発電所の太陽光発電所の発電データから大気中の微粒子(塵)等の増加を確認する結果となりました。さらに詳しいデータを蓄積しないことには正確には証明できませんが、問題は民間の一般太陽光発電所のデータで大気中の微粒子の増加現象を捉えていると思われるデータを得ることができるのに、専門機関は沈黙を守っていることなのです。大気中の微粒子により太陽からのエネルギーが分散され、日射量の減少か、とも思われる現象を、異なった太陽電池で発電される電力量の変化から大気中の微粒子(ホコリや塵、微細な浮遊物質、微細ゴミ等)の増加現象を捉えることができたのです。 浅川太陽光発電所では、同方位、同設置角度を実施して、太陽電池の性能テストやタイプの違う(単結晶、多結晶)太陽電池による発電状況の変化を記録し続けており、単結晶太陽光発電システム1カ所、多結晶太陽光発電システム1カ所、単結晶、多結晶混交太陽光発電システム1カ所、また、設置角度を変えた設置方法も実施し、太陽高度の季節による変動を設置角度の違う各太陽電池(40度3kW、25度3kW、5度4kW)単結晶と多結晶タイプで捉え、四カ所の発電所とも最大電力追尾システムで発電しております。このようなシステムでデータを蓄積した結果、発電量の天候(晴れ、曇り等)による変化と気象状況下(温度、湿度、風、雨等)による変化を、各発電所ごとに比較することにより、大気中微粒子の増減によるものと思われる発電量の変化を、本年度は、大きく捉えることができました。また、八ケ岳南麓から見下ろすと、甲府盆地にかかる雲や、空気層の汚れを見ることができ、大気層の変化が本年は特に感じるようになりました。また、好天が続いた後に、降り出した雨を目に受けた場合、敏感な人であれば目に痛みを感じる人が多くなっているのも気になります。
 八ケ岳南麓では、大気層の不安定から桜が咲き誇っているのに強風と雪が舞い、暖かいのか寒いのか、判断がつきかねる日々をここ数日過ごしております。 日照的には、正月より4月までの間は平年と比べ、減少していますが気温は、乱高下があり、低めに感じましたが、平均的には高めに推移したため、ここ八ケ岳南麓では、梅の花と桜の花それにコブシの花、庭には椿、シャクナゲ(異常気象のためと思われる)、桜草、水仙、ヒヤシンス、ふきのとう、紫ツツジ、クロッカス、福寿草、シバザクラ等、4月後半に入り一斉に咲きはじめました。 私が覚えている限りでは、近年に無い春の花のそろい咲きです。 日照時間の累積で咲くタイミングを記憶している花と、気温で咲くタイミングを記憶している花のサイクルが、ここ八ケ岳無くろくでは、本年一緒になったようです。私は、このチャンスを生かすべく、朝日の射すタイミング時間を狙い、北杜市小淵沢町に咲く、桜の写真に挑戦しておりますが、黄砂に邪魔され、私有地に勝手に駐車するカメラ小僧の車のためにベストショットを捉えることができませんでしたが、私なりのショットを撮りましたので紹介いたします。 早朝のため、コントラスト(空気の汚れ)に問題がありますが、桜の花の色を楽しめる写真にいたしました。

 写真 ついでに、八ケ岳と桃の花の写真も撮ってまいりましたのでご覧ください。

八ケ岳南麓の悲しい知らせ

 写真撮影に、彼方こちらと移動してみてわかったのですが、八ケ岳南麓にのびる七里ヶ岩の崖淵に、この時期咲くはずの紫ツツジの群生が完全に消えました。 国道20号線を北上し、韮崎市が小淵沢町に至る断崖に咲くはずの紫ツツジやツツジの群生が見ることができません。この東側を並走する国道140線に接続する中央高速須玉インターチェンジ付近の断崖にある紫ツツジも群生地も完全に消えました。このように八ケ岳南麓において、多くの植物の群生地が消失しております。八ケ岳南麓では、盗掘により、ドウダンンツツジ、アツモリソウ、シャクナゲ、各種の百合、が八ケ岳南麓から違法行為により持ち去られております。特に、個人所有の山林に無許可で進入し、盗掘して行く行楽客もおり、残念です。もうすぐ無くなってしまうのではないかと思われる群生植物に山吹があります。

太田道潅が、父を尋ねて越生の地に来た。突然のにわか雨に遭い農家で蓑を借りようと立ち寄った。 その時、娘が出てきて一輪の山吹の花を差し出した。道潅は、蓑を借りようとしたのに花を出され内心腹立たしかった。 後でこの話を他人にしたこところ、それは後拾遺和歌集の「七重八重 花は咲けども 山吹の実の(蓑)一つだに なきぞ悲しき」兼明親王(かねあきらしんのう)の歌に掛けていると教わった。 古歌を知らなかった事を恥じて道灌は歌道に励んだという。

 解釈を変えると 山吹の自生する場所は、自然状況の厳しい場所で、他の植物は水分が多すぎて育ちません。もし、良い場所に移動したとしても、数年で枯れてしまいます。 自然環境の厳しい場所でしか群生できないものを、盗掘して持ち去ったとしても、育て行くには、環境を作らないことには、盗掘植物は枯れてしまいます。

植物の盗掘と同様に山菜泥棒が横行

 多くの人が訪れることにより、地域経済は潤され、多くの方がその周辺の宿泊施設を利用するわけですが、宿泊施設等で出される料理に、問題が発生しております、地域特性を出そうとするあまり、山菜が必要になり、料理に使う山菜を、個人所有の山林や湿地から不法採取や盗掘する人々が近年目立ってきております。

  八ケ岳南麓は、多くの山林が個人所有の山林です。 私の知る限りでは、一般の行楽客や地域に属さない住民が、個人所有の山林や地域所有の共有財産区の山林には立ち入ることは出来ないはずなのですが、散策の名のもとに、それらの場所に立ち入る県内外からの車両ナンバーを確認しております。車両の駐車場所の先では、山林や畑等、山菜の栽培地や農地(田圃や休耕地)や個人敷地に入り込み植物の不法採取を行っています。 個人所有の山林や湿地の持ち主は、長年にわたり植物の自然環境を変化させずに、おいておりましたが、不法採取や盗掘量の多さゆえ、植生が変化しはじめており、数年先には山菜が無くなるのではと心配なされております。
 ただ一時の自己満足のために盗掘するよりは、毎年時期に訪れて、群生する植物を眺めることのできる人間になっていただきたいのです。

大規模発電所及び、各、高電子観測測定機関への報告 

 太陽光発電の発電を長期にわたり記録していると、自然現象としか考えらない現象に遭遇する場合があります。異常現象に浅川各太陽光発電所が遭遇した日時は、2005.01.01〜01.13と2005.01.10〜01.12と2005.12.19〜12.21の間に記録いたしました。以前にもあったのですが、機械的故障として、処理してまいりましたが、今回の場合は、機械的にも全て点検してあり、考えうる対策を講じての結果として、異常現象を確認いたしました。捉えた現象を報告いたしますと、異常電圧の発生を捕捉し、発電を停止いたしました。
停止状態を確認すると、発電中に突発的高電位の発生により、予測電圧上昇範囲をはるかに超えた発電により、保護回路の機能停止により、発電を停止したことがわかりました。私どもの発電システムには、気象状況の急変により突発的に発電量や電圧が上昇する範囲を通常の発電範囲よりも突発的発電範囲は高く設定しており、通常の天候や気象変動によるランダム発電に対応するように設計を行っておりますが、今回、観測した異常電圧は高電圧電子の移動によるサージ電圧と考えるのが適切ではないかと考え、ここに、報告をさせていただきます。
太陽電池は、アンテナの一種として機能することを、今回の異常電圧を確認することで皆様にお知らせいたします。太陽光発電に使用する太陽電池をアンテナとして利用した場合に何を観測できるかは、これからの研究者の研究課題として、研究材料になりうることをお知らせいたしますとともに、大規模太陽光発電所において、一定以上の高感度システムを取り入れた場合に、高電圧の電子の移動によるサージ電圧の発生を考慮したシステムを考える必要があることを提言いたします。落雷等ではなく、高密度の電子レベルでの移動があった場合に、私どもが捉えたような現象に遭遇することがあることを御知らせいたします。

浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男
2006.04.26 PS

本年も、乱筆、乱文、誤記等に御付合い いただき感謝いたします


▲上に

浅川太陽光発電所 - 八ヶ岳・北杜市大泉 -
copyright 2001-2009・The ASAKAWA soler power station / ASAKAWA Hatsuo

ホームページ掲載の写真や原稿には、著作権等があり、無断で使用することは権利の侵害になりますので、営利目的に使用の場合はあらかじめ許可が必要になります。

sun@mt8.ne.jp

【 お詫び 】
サーバ移行時にメールの設定が不十分のため、不達メールがでてしまいました。
お心当たりがありましたら、再度送信していただきますよう、お願い申し上げます。