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八ケ岳南麓における地球温暖化現象 2006・P3                            2006.07.〜10

 八ケ岳南麓は、近年にない大量の降水量にみまわれ、太陽光発電所の発電量は、太陽光発電が始まって以来の7月の最低発電量を記録しています。
今回の、異常気象は、4月に発表した原稿にて注意を呼びかけましたが、私の予測範囲を遥かに超えた異常気象にみまわれ、驚いております。
前回、地球シミュレータのお話しを紹介させていただきましたが、その際に、今年が地球温暖化現象のターニングポイント(立ち止まるか・悪化させるか)になっていることを紹介せずにおりました。(現在、深く反省をしております) 2008年が地球環境の大きなターニングポイトになることは、京都議定書の中に紹介されており、私たちが、何もせず、現在の生活をこのまま続けていたならば、地球の大気中の平均気温が急激に上昇し始めるのが、2012年と言われています。本年2006年は、大気中の平均気温が1990年頃と比較して0.5度C上昇していると発表され、結果として地球規模で起きた現象が、北半球におけるジェット気流の蛇行と言う現象が報告されておりますが、それらの現象を的確に捉えている観測システムが日本にあります。気象衛星写真です。
私の記憶によると、気象衛星ひまわりが全球写真を撮り始めた頃から比較すると、本年度の赤道上の雲の発生場所が、北よりに上昇していることが見受けられます。日本を中心とした衛星の全球写真で見ると、インドのヒマラヤ付近からニューカレドニア付近までの直線上に雲の発生場所を見ることができますが、 当初は、このような傾斜はなかったように思えます。テレビでヒマラヤ山脈にある氷河が溶け出しているのを紹介しておりましたが、地球平均温度が0.5度上昇したことにより、このように、気象条件の異常が地球全体規模で起こってくるのです。これ以上の気象変動や異常気象は体験したくありません。

 私たちは、自然豊かな八ケ岳南麓に住んでいるので、この豊かな自然環境を守るためには、どのような行動をとれば良いのか日々考えた結果として、一般住宅に太陽光発電の導入と言う道筋が作られました。私は、農地での太陽光発電導入の道筋を切り開き実践しておりますが、1994年から太陽光発電を実践してきて、多くの人々とふれあう中において、太陽光発電を通して少しは、地球環境における、気象変動による自然環境の現状や悪化を皆様に知らせることができたかと思っております。地球規模の気象変動を招いてしまう地球温暖化効果ガスの発生を、少しでも抑制するために私たちが、どのような努力を行えば良いのでしょうか? 私たちの何気ない行動から、ご一緒に考えてみたいと思います。

 地球温暖化効果ガスには多くの種類があり、私たちの行動が直接影響するものを上げてみると、冷房機に使用されているフロンガス(代替フロンを含む)等があります。少し前だと、化粧品のヘァースプレイ等のガスとして使用されておりました。私たちが食事に使用する火により発生する地球温暖化効果ガス、また、私たちの移動手段に使用する乗り物から発生する地球温暖化効果ガス、私たちが、食事時に食べる肉を育てる間に発生するガス等が代表的なものと言われております。私たちが、生活して行く上で、どのような地球温暖化防止策が各家庭で実施できるのでしょうかと言うと、すでに浅川太陽光発電所のドキュメント等には、その内容が紹介済みなので、ここでは、私たちが、とかく忘れている身近なところからの地球温暖化防止策に注目して行きたいと思います。

 私たちの食生活は、戦後(死語になったと言われている)自由主義社会の発展とともに急速な進歩をとげ、日本では、自由と言う言葉の意味を『ワガママ』と置き換えてしまったために、飽食の時代を謳歌しその終演を迎えております。
(自由とは、自己責任において物事に対応し処理できる範囲の行動を言う)
いつでも、不自由なく食べ物が手に入り、食べ残しても注意をする人もなく、生ゴミとして処理することを推奨するような生活環境になっているのです。 私たちの食事の90%は外国に依存しているのです。私たちが食べ物を粗末に扱わなければ、地球温暖化はこれほど深刻な問題になっては、いなかったのではと思います。(食料の自給率とは違い、流通、保存等を考えての90%です) 自由経済の発展に伴い、飽食の時代に突入し、飽食が当たり前の感覚を養ってしまう経済発展を遂げてきたのです。珍しいもの、旬に関係なく、季節にとらわれることなく、飽食を重ねた結果が、地球温暖化なのです。私たちの食べ残しの食事がどれだけの遠方から運ばれてきたことを考えたことがありますか? 私たちの、食事には多くの輸送コストと加工コスト、貯蔵コスト等が見込まれ、これらをバランスよく、サイクルシフトするために、電気、石油、等が大量に消費され、それとともに地球温暖化効果ガスが大量に発生していることを私たちは、考えなくてはなりません。活動に必要なエネルギーの摂取量以外のエネルギーの摂取を控えることが求められる時代がすぐそこまで来ているのです。

 世界人口で、地球の農業生産面積を割ることにより、一人当たりの必要農業生産面積を求めたものがありますが、先進国の1人分の農業生産面積で数百人の発展途上国の人々を養うだけの能力を先進国の人々が奪い取っているのです。 私は、日本にいるから外国のことは判らない、私は、日本国内で生産された物を食べているのであまり関係無いし、わからない、などと、大量の食物摂取エネルギーを消費している責任のない言葉は、言っていられない時代になってきているのです。では、私たちは、どのような対策をすれば良いのでしょうか?      

地球温暖化効果ガスの発生量を減少させる生活

 先ほど、説明いたしましたが、無駄な食物エネルギーの摂取量を減少させることにより、地球温暖化効果ガスの発生を抑制できると紹介いたしましたが、人間の快楽の一つに食事があるわけで、これを規制や抑制すると社会が崩壊することにもなりかねないので、私たちが、しなくては行けない行動は、食べ物を粗末には扱わないのと、日本では旬と言う言葉がありますが、旬を楽しみ、季節に合った食事を摂り、食べ残しをするような食事スタイルを無くすことが、一番効果がある地球温暖化防止策につながります。もちろん、節約料理も地球温暖化防止につながります。わたしたちは、往々にして目と量で楽しむ外国料理スタイルの方に目を向けがちですが、これに対して日本では、懐石料理と、精進料理があり、必要量を多くの品数でカバーする料理スタイルがあります。 日本料理、と外国から来た料理、それぞれ特徴があり優劣付け難いのですが、地球温暖化防止を食事面から考えると、食材の確保の方法や調理方法、食事の取り方や、料理の量(食べ残しを出さない量)まで考えなくてはならない事態まで地球温暖化が進行していることを知っていただきたいのです。異常気象と言う言葉で語るのではなく、私たちが引き起こした気象変動であることを自覚し、地球温暖化現象を止めるために、私たち自身が、身近なところの食事から飽食生活スタイルを改めることが必要なのです。

 こんなことを言っていると、このごろの物価上昇のあおりで地球温暖化の話しどころではなく、生活が大変で仕方ないと返答が返ってきそうである。8月に入ってからは、石油元売り価格の値上げにより、多くの企業は節約モードとなると思いますが、温度の上昇とともに各家庭での電力消費量はうなぎのぼりになると思われる。この電力需要を補うことができるのは、太陽の光を利用した大陽光発電システムです。昼間の需要ピークに合わせて発電ができる太陽光発電システムが普及することにより、多くの火力発電所で使用する燃料を節約できるとともに、火力発電所からの地球温暖化効果ガス(CO2)の発生を抑制できるのです。さいわいにも、私どもの北杜市は、日照時間が日本一の明野町を筆頭に、他の地域と比べると太陽に恵まれ日照時間が長いために急速に一般家庭にも太陽光発電システムを取り付ける家庭が増えており、さらには、移住者や別荘所有者が太陽光発電システムを取り付けるのが目立っております。

 このような、北杜市住民の環境への意識の高さに対して北杜市でも、北杜市、市民に対して太陽光発電システム導入に際しては、補助金を支給して、市民の環境への高さを応援するために補助金により、後押しを行っております。

 7月の終わりから、八ケ岳南麓では植物や木々が季節変化を微妙に捉え、あちらこちらで、秋を連想する現象が見られます。特に驚いたのは、キノコの発生です。食用で、紫の色が鮮やかなムラサキシメジやアミタケの発生がありました。また、私が紅葉の目安にしている桜の木は、早々と緑の葉から赤の葉に衣替えをし、鮮やかな紅葉を見せてくれます。逆に畑に植えたグラジョウラスは8月になって、やっと花を開花させ微妙な遅れを示しています。ジャガイモはメークインと男爵が異常気象の影響を受けて、収穫量が減少しましたが、アンデスは異常気象の影響を受けることなく平年並みに収穫できました。 化学肥料をバランスよく使用すれば天候の影響は受けにくくなりますが、自然の甘味や香りは押さえられ、苦みや、渋みが強くなり、香りと色艶だけの野菜になり、野菜本来の野菜自体の特徴が無くなってしまう野菜になります。 今年も、トウモロコシの種類を甘味の強い生食タイプを作付けいたしましたが、発種に失敗し、トウモロコシは惨敗です。生食で食べられるトウモロコシは、高冷地では必要以上に、苗の温度管理をしないと育てるのが難しい代物です。 今年は、日射量の不足から私の作っている野菜は、全て小型です。来年度は肥料を別な物に変えないと、温暖化の影響を受けることになりそうなので、ただ今、来年度の肥料の変更計算を行っています。農家って思っている以上に科学的なんですよ。今回の肥料計算には、太陽光発電所のデータを参考にしながら、6月、7月の日射量不足と、低温に対抗できるように肥料成分を検討し、稲作が終了次第、来春の準備に入っていきます。畑作を実施している農家は、今回の長雨により、多大な被害を被った農家もあり、他人事ではありません。 私の所でも、蕎麦の作付けを7月中に40a予定しておりましたが、天候不順で本日、8月5日に終了いたしました。長雨のために2週間以上農作業の予定が狂っており、ミョウガの畑は草丈が茗荷と同じになり、草刈り機のフルパワーでやっとこ、草刈りが可能なようです。明日からは、短い夏を惜しみながら草刈りです。例年、この時期には、昆虫が発生し、ツバメが捕食する姿が田圃のあちらこちらで見かけることができるのですが、ツバメの数が年々少なくなっています。我が家の周りや、我が家の田圃には、例年以上にツバメが訪れるのですが、全体的に生育環境の変化とともに個体数が減少しているように感じます。我が家の田圃の周りの農家は、農薬の使用を控えるか、使用しないで、無農薬栽培に協力していただいておりますので、我が家の田圃を中心にツバメの飛行が見られますし、防獣柵の上がツバメの休憩場所となり、子育て中の幼鳥に親が餌を与えたり、幼鳥が親に餌をねだる様子が観察できました。

有機栽培実験圃場に侵入者

 皆様の御協力により、無農薬・有機肥料による稲作を展開中の圃場に、本年関係者以外の人間の侵入者があり、有機栽培としての資格が無くなりました。

 有機栽培中の圃場の見回り中に、圃場に捕虫網を持った2人の男性を発見 圃場に進入した2名の男性に対して、誰の許可を得て進入したのかと尋ねると、 蝶や昆虫と、水生昆虫を採取しているのだから、注意されるのは不愉快とした態度であった。私の圃場は、農道から20m以上離れ、直接圃場に進入できないように道路側は、畑にして、ひまわりを栽培しており、巾3mの水路で圃場に水を引いています。この水路を利用し長靴で歩き回り、圃場を汚染したのです。 蚊取り線香一本を持って、圃場に入った場合でさえ、有機栽培は取り消される厳しさなのに、私有地の中を勝手に歩き回り、あげくに、田圃まで進入するとは、不届き千万、有機栽培摘要不可能による損害賠償を請求したいくらいです。 今回は、その不心得者が使用していた車の写真をここに公開して、皆様にお知らせいたします。

ナンバーは隠しません。


(写真641)

所有者と使用者に反省を求め、なぜ、私有地に許可も得ずに入ったのか、正当な理由を示し謝罪することと、圃場への不法侵入により生じた損害の補償、維持管理5年間分を求めるものです。 今回は、お金では解決できない5年分の有機栽培に適合するだけの期間と、その間の農作業と、有機栽培地としての資格が発生する間の5年間の農作業を保証することになりますので、前後5年間で、10年分の請求になると思います。 八ケ岳南麓では、無断で農地等に入り、環境を荒らす部外者が頭痛の種です。 いつものように横道に、だいぶ逸れてしまいましたので、話題を環境問題に 戻したいと思います。

今年は、日照不足と、長雨のために我が家の野菜は、生育不良と病気により、打撃を受けて、収穫量は大幅に減少いたしました。昨年と同様に、梅雨明けまじかの頃から、害虫の攻撃を受け、トマト、茄子、キュウリ、ジャガイモ、豆、の葉を害虫に食い荒らされた上に、長雨のためにトマトにベト病が発生。 8月に入り、天候も回復しましたが、本日、突然の雷雨とともに天空から氷の固まりが,雹に混じり降りそそぎ、地域一体の農産物に被害を与えました。北杜市中西部の標高900m地帯を中心に東西に約幅2km長さ4kmの範囲で約1時間にわたり雹が降りそそぎました。はじめは、小さな氷の固まりでしたが、時間が経つにつれ大きくなり、氷の固まりは大きい物では、ゴルフボール以上の物があり、落下速度の衝撃はひまわりの茎おも挫き、ひまわりの大輪を落下させました。当然、畑の野菜は、穴だらけ、トマトは落下し、葉物には大きな穴がたくさん開いて、収穫量の低下につながると思われます。


(写真712)

被害は、野菜だけには及ばず、稲作の穂をおり、出穂まじかの茎までもおり、畑や田圃に作付けされた蕎麦を完膚なきまでになぎはらいました。蕎麦は、直ちに蒔き直しが必要。


(写真722)


(写真728)

ここ八ケ岳南麓の農家には最悪の地球温暖化現象となり、自治体や地方団体の被害調査が行われており、数日の内に報告がまとまると思います。施設園芸のビニールハウスは北側からの雹による攻撃をまともに受け、ビニールハウスの種類に関係無くいたるところで穴が空き、ビニールハウスの張り替えが早急に必要になってきています。地球平均気温の0.5度の上昇により、夏場の積乱雲の成長過程が今まで以上に強力になり、高度差で100m以上高くなったために、通常、親指大の雹も、さらに成長して、落ちてきた雹を見ると三層構造のゴルフボール以上の大きさにまで成長し、落下したために大きな被害をもたらす結果となりました。雹害の日から、ほとんど毎日夕立があり、蕎麦は湿害にもさらされ被害が拡大しており、思わぬ地球温暖化の被害となりました。

地球温暖化のために、農作物の病害駆除に農薬を使用するかしないかの選択岐路に立っており、日々、農作物の自然治癒能力に期待を賭けております。 有機農業て、自然相手の博打みたいな物かな。

めげずに、お仕事頑張りましょう。
八ケ岳南麓に夏が戻ってきた(後一週間で9月なのに暑い)

 ここのところ、夕立ではなく 八ケ岳南麓にスコールが多発中   八ケ岳南麓に確かな地球温暖化現象としてスコールの発生を確認 ?  突然ですが、本日我が家のベランダにサルが出現。(9月12日)


(写真 CIMGO783.JP)

八ケ岳南麓には、10年前は、猿はいなかったのに、個々数年で八ケ岳南麓に分布。個体数は、まだ少ないようだが、農作物の被害が拡大しそう。 猿の進出は、通常人の作った道を使うのが常とう手段のようです。 八ケ岳南麓を中心に南アルプスから茅ヶ岳につながるレインボーライに沿って野生動物の繁殖分布に異変が生じているようです。 この他にも、シカ、イノシシ、ハクビシン、クマ、イタチ(ペット)、アライグマ、など多くの目撃情報があります。 そのほとんどが、今まで八ケ岳南麓では目撃されたことのない動物の目撃例が多発しています。八ケ岳南麓の温暖化現象と、どのような因果関係にあるのか不明ではありますが、野生動物の進出と別荘開発には関係があり、野生動物の保護問題と地元農家の農作物に対する野生動物による食害被害の発生に頭を悩ましておるのが、農家の現状です。とくに今年ひどかったのは、カラスによるトウモロコシへの被害が多発したことと、稲作地帯にシカやイノシシが出没し田圃や畑の作物を食い荒らすのが目立ってきています。農家としては、野生動物による食害防止には、増え過ぎた野生動物の駆除と、農作地への進出防止のために、ハンティングと、追い込みを行ないたいのですが、別荘地に点在する住民の反対があり、増え過ぎた野生動物の駆除ができません。また別荘地の中においては、野生動物への餌ずけが行なわれたふしがあり、ペットフードが別荘地内に散乱しているのを確認する場合があります。また、この時期、別荘地内におけるペットの犬の保護数が増える時期になってきています。毎年この時期に野犬化したペットの保護や捕獲に際して、病気にかかっている者が多く、飼い主のマナーと良識が問われる結果となっています。ペットを飼う以上最後まで看取ることを最低条件で育ててほしいものです。                       以上

2006.08.30
浅川太陽光発電所 所長 浅川 初男
RPS法   電気事業者 浅川 初男

【追伸 】 取り急ぎ、原稿を作成致しましたので、難解な部分も有るとは存じますが、地球温暖化の急速な進行や世界情勢の急展開に、原稿が追いつけていません。 いつも通りの、乱筆、乱文では有りますが、皆様の御役に立てればと、思っております。            最後まで、御付合いくださいまして、ありがとうございました。

2006.09.05


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