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地球温暖化による気象変動と八ケ岳南麓の自然

『太陽光発電実績からの警告』

11.26.2006
浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男

 浅川太陽光発電所では、ホームページを通じて「八ケ岳南麓における地球温暖化現象」を複数年にわたり紹介してまいりましたが、本年大きな変動を捉え、八ケ岳南麓だけの変化ではなく、大規模なものであることが判明致しました。 当初は、太陽光発電実績から八ケ岳南麓に降りそそぐ太陽からの恵み(発電実績)の紹介のみでしたが、劇的な変動を1998年に捉え、自然環境のバランスが如何にもろいものであるかを知る結果となりました。

1998年の異常気象は、前年の12月より兆候が現れ、発電量の減少と言う結果が11ヶ月にわたり続きました。この中で、注目すべきところは、4月、5月、6月、8月、の発電量の減少で、これを農作業に置き換えると、田植えから生育期、出穂期に当たり、生育不足と開花期に低温の為に冷害となり、高冷地での稲作は大打撃を受けて、稲作の収穫量は平年の半分以下になりました。では、 2006年の発電実績をグラフにしましたので説明致します。(1133)


(棒グラフに致しましたが、アナログの為に見にくくなっております)

[1]のグラフで2月の後半の部分に積雪とは別の現象が読み取れます。 2006年の特徴は、前半の3月までは平年並みの傾向を示しておりましたが、細かく調べると2月に変調の兆候を読み取ることができました。

これらの変調が著しく現されているのが[2]のグラフです。(1134)

[2]のグラフでは前年と比較すると、5月、6月、7月、の発電量の現象減少が著しく、局所的には平年の日射量の半分以下の日射量しか降りそそいでおらず、農作物への影響が心配されました。この時期は、稲作の成長期に当たり、低温が続いた為に作物の生育状況が遅れ、通常の背丈より低い作物の生長となりましたが、8月に入ってからは、天候も回復し通常の気温を回復し、遅れていた稲作の生長も順調に進み、稲の開花時期に観測史上初めての大粒の雹害を経験致しましたが、3割程度の被害にとどまりましたが、蕎麦は大打撃を被りました。雹害がひまわりの開花と重なり、茎折れが発生しました。森に入る道をたどると、いたる処に落ち葉や枝が散乱して通行が出来ない状態になるほどの状況でした。このような気象現象や変動が野生動物の生態系に大きな影響を与えるとはこの時は考えもおよびませんでしたが、一部の研究者からはすでに、危惧する警告が発せられておりました。私も、2006.P2でそれらの現象を紹介しておりましたが、野生動物の生態系に大きく影響するほどの大規模な温暖化現象だとは気が付いておりませんでした。

八ケ岳南麓では、本年度の草花の開花時期が共通していたり、ニセアカシヤの花が遅れたり、一度に沢山の花が時期を同じにして咲いていたことを報告致いたしましたが、この開花時期が同じになったのと、開花時期が同じになった為に5月、6月、7月の日照不足をまともに受け、開花後受粉に必要な昆虫の活動が低温のために活発ではなくなり、受粉の手助けが出来なかったのと、受粉後の低温の為に、細胞の生長に遅れが生じ、カビ等による腐敗が進み落下する花が多く、実を付けても成長するまでに至らず、栗でさえ通常の2割程度の実の付きでした。特にひどかったのは、我が家の田圃40aに作付けしたひまわりの99%が実らずに収穫できたのは、40aでわずか2kgの収穫でした。

実際には、もう少し収穫できたのですが、野鳥がひまわりの実をつつき、半分以上食べられてしまったのです。(異変に、この時点で気付くべきでした) 収穫時期の田圃や畑には、イノシシ、シカ、サル、クマ、までが出没して、作物を荒らして、急遽、鳥獣被害に対する講演会が開かれ、対策が論じられましたが、根本的な解決方法は無く、一度、美味しいものを食べた動物は、必ず戻ってくることを忘れずに、農作業に従事する必要があることを痛感致しました。 11月に入り、夜間、八ケ岳横断道路を長野県の原村から自宅まで走行(約20km)致しましたが、急ブレーキを3回以上かける結果となり、夜間ドライブの危険性を新たに致しました。話には聞いていたのですが、夜行性のシカの飛び出しや、キツネ等の小動物の活動が人家近くで観察する結果になりました。同乗していた医師によると「君の車を頼んだのはバンパーがついているからだよ」と一言、確かに大きめなバンパーが装備されているが大型のシカやイノシシには対応できるかは疑問と言いつつヒヤヒヤで帰宅致しました。月末が近づくにしたがい用事が重なり、本日、コミュニティー放送局のFM八ケ岳82.2Mzを聞きながら、八ケ岳南麓から富士の南麓、富士宮までドライブしました。国道20号線で甲府バイパス、甲府バイパスから精進湖線で右左口トンネルまでは、走行中快適に聞くことができましたが、さすがに山間部は途切れることがありました。驚いたことに、雑音にまぎれて本栖湖近くで受信できました。

コミュニティー放送局FM八ケ岳、侮れません。82.2Mz、出力20W、 視聴範囲は山梨県民の人口の半分近くが聞くことができそうです。 今度、時間が取れたならば、国道52号を走りながら視聴してみたいと思っております。 だいぶ横道に逸れましたので話を戻します。

八ケ岳南麓と富士山南麓を往復し、感じたことは、11月の下旬なのに落葉が終わっていない。いつものこの時期では、常緑樹を除いて、広葉樹は葉が落ちているはずなのに、山々の木々には葉が付いているのです。紅葉が楽しめて良いと言うかもしれませんが、このまま落葉の時期がずれると、落ち葉が、腐敗せず、春先に落ち葉が水みちを塞ぎ、洪水になる恐れが発生します。

当然、山々の養分は補給されませんので、一時的に森林の生育に影響が考えられます。山林に生息する動物には厳しい時代が到来したのかもしれません。

それと、あと一つ考えられるのは、積乱雲の局所的発達が頻繁になることが予測されます。先般、空の上で、通常の高度で飛行しているパイロット情報として、上空の温度が上昇していて、燃料の節約に敏感になっているとの話を載せましたが、平均温度が0.5度上昇することにより、中緯度付近では、産業地帯が多いわけですから、平均温度の0.5度以上の上昇が起きていると考えるべきです。この中緯度付近の航路上で0.5度以上の温度上昇が発生していた場合、局所積乱雲の発達は、高度1万5000m付近まで上昇すると考えて良いでしょう。 航空機は、局所積乱雲によるダウンバースト発生や、積乱雲までに至らないダウンバーストの存在を的確に捉える方法が必要となり、気象情報に細心の注意をはらい、最新の情報プラスαを常に考えて航空路の安全を確保する必要の時期に来ていると思われます。  横道に逸れましたので元に戻します。

[3]のグラフ(1135)によると、7月以降現在までは前年並みに推移しており ますので、降りそそぐ太陽光の急激な減少現象は無いものと思われます。

このことにより、考えられることは、気温の温度変化が北極からの冷気の下降がどれほど日本列島に近づくかが問題となると思いますが、日本列島を取巻く海面温度が高い為に、寒気と暖気が衝突するところでは、今まで以上に急激に激しい気象現象が起こると思われますので、陸、海、空、交通機関や船舶は特に注意が必要になるでしょう。ここ八ケ岳南麓では、暖冬の影響を受けやすいのと、急激な温度変化に対応する必要が生じると思います。

路面の変化や、夜間移動する動物に対しても注意が必要になりますので、車の運転には、細心の注意を心がけるように致しましましょう。

温暖化現象による気象変動により、山の食べ物が減少したことで、野生動物が人里に近づくことが予測できますので、野菜等の取り残しは無いようにして、野生動物の耕作地への進入を防ぐことが大切です。野生動物は、餌があれば多少の障害があっても餌に近づきますので、人災にならないうちに、耕作地の取り残しの野菜等の処理を行なうことが肝要です。特に大型の動物においては、餌不足が深刻になれば、食物貯蔵庫等を荒らすことが予測されますので、作業小屋等の管理に注意が必要ですし、別荘等にある食料なども対照になると思われますので、においの発生する物を外におくことは危険な行為になります。

農作業では、 気温が高めに推移すると予想されるので、農地に入れる肥料成分の調整をこまめに行なわないと、今年のように高温で化学肥料を主体とした肥料設計を行なった場合に、急激な温度変化に作物が対応できずに枯れてしまう場合があります。これは、葉物の野菜に集中することですが、稲作にも言えることなので、堆肥の分解速度と化学肥料の分解速度をバランス良く調整する必要があります。 土が凍る前に、耕耘を行ない、微生物の活動しやすい状態を作り出します。

春になり温度上昇とともに醗酵により腐敗させるのではなく、耕耘等より耕作地を掘り起こし、土をほぐし、土中生物や微生物が活動しやすい環境を作り出し、微生物等の活動により堆肥等の分解を促進させる土作りをオススメ致します。地球温暖が進むにつれて、農作物が気象変化に対応しやすい地力ある土壌を作るように、今まで以上に努力が必要になってきていると思われます。

また、作付け時期や発種時期を、今まで通りに考えていると、病害の発生につながりかねないので、こまめに作物の管理が求められるでしょう。

作物の出荷時期に対しては、消費地の温度と生産地の温度の違いから、消費動向をつかむのが難しく、生産地間の調整が必要になる場合が多くなる傾向にあり、情報の収集と処理能力の向上が求められ、処理した情報から作付け時期の判断を行ない、農家自身による自然環境の変化があった場合のリスクへ軽減の対策が必要で、今まで以上に季節の変化を捉えることが求められている。

八ケ岳南麓から富士南麓まで短いドライブであったが、走行中景色の移り変わりに驚きながらのドライブであったが、八ケ岳南麓での太陽光発電で知ることができた自然界の異変が、八ケ岳南麓だけでなく広範囲に及ぶものであったことが、11月下旬からニュースに報道されることが多くなって来たように思えます。2008年が地球環境の大規模変化をもたらすとした研究者のシミュレーションが的中しないように願うばかりである。静岡の友人の会話からも地球温暖化をにおわせる事実が語られた。今まで鮎の遡上が無かった小さな河川に鮎が遡上して来ている。けっして清流ではない川だけど、ドブ川よりはましだけど、大きな河川ほどきれいな川ではないところに大量の魚が遡上して来ている。

「小魚を捕食するカワセミは増えて良かったけれど」

山から海までの距離が極端に短い川での出来事。

最も考えられることは、河川の水温の上昇が原因と思われます。 このように,私たちの身近なところでも、温暖化の兆しを捉えることが多くなり、それが当たり前の現象として、認識され『暖冬』と言う言葉に置き換えられる、今日この頃。

地球温暖化防止の努力を行なわなければと思ったドライブでした。                           

2006.11.26

この文章が皆様の、お役になればと思いお知らせいたしました。

いつもと同じ、表現力の無さに落ち込む私の文章に、御付合いいただき感謝致します。

浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男


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