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八ヶ岳南麓における地球温暖化現象 2007.I
急激に進む温暖化現象

 新年を迎え、八ヶ岳南麓在住の皆さんからいただく情報は、急速な温暖化現象を暗示する情報が多いのに驚いている静寂な2007年の新春です。
昨年の年末に、松飾りを飾る松を共有地に採りに行ったところ、多くの方が松を採りにきていたが、例年、こんなに多くの人と合うことはなかったので、各地域の共有林に、松が減少して集中したのだと思っていたならば、驚いたのは、テレビの報道で、これらの現象が八ヶ岳南麓の当地域だけの問題だと思っていたならば、そうではないらしく、甲府盆地で、寺の裏山の展望台になっているところの松の木を切り倒し、松の枝を持ち去ったと報道していた。松が無ければ、代用品もあるわけですから、よほどの大きな門松を作るために持ち去ったと思われます。確かに、各地にあった松が松食い虫にやられて減少している。
我が家の庭の椿が、年末に三輪ほころび、昨年より二輪多く、寒さに震えておりました。2006年の年末を罪作りな、これも温暖化のなせる技でしょうか?

 2007年を迎え、新春の各田畑を見回りに行くと、驚いたことに例年であれば、2月の下旬か3月の初旬に咲くはずの、福寿草が咲いており、驚かされました。
室内の、盆栽の福寿草は、梅と共に暖房の効いた場所で咲いておりますが、路地で咲き始めるとは驚きです。こんな間違いが自然界に存在するのかと、思っていたならば、散歩中の知人からも福寿草が咲いたとお知らせが、よく周りを確認したならば、我が家の畑で、白菜が越冬していた。これは確かに気温が上昇していることを現している。1年間の日射量の変化を太陽光発電の発電量で現したグラフを作ってみましたので、それを参考に八ヶ岳南麓での地球温暖化現象の進展状況を確認して行きたいと思います。


(グラフ 2007-003)

1月から3月のグラフでは、2005年も2006年も大きな発電量の変化は無く、過ぎているように見えますが、10年間の平均と比較すると、晴天日が3日ほど減少しています。このことは発電量の著しい変化には現れていませんが、この3ヶ月で、180kWの発電量の減少が生じたことになり、曇りの日が増えていることが判断出来ます。(2005年と比べると4日ほど晴天日が減少)


(グラフ 2007-004)

4月から6月までのグラフでは、全体的には良く発電をしているのですが、平均的発電量を比較すると、2005年に比べ2006年は、4月だけで、1月から3月の発電量の半分に相当する量の発電量が減っています。この現象は5月になり大きな現象となり、5月は月の約半分は発電できない状況に近く、著しい日照不足に陥りました。(2005年と比べ5日ほど晴天日が減少)
晴天率の10年平均と比較しても、2日ほど減少しており、平均的に曇り空が多い中においての日射量2日間分の減少は、植物の生長に大きなマイナスとなり、花木園芸農家においては、花のつき具合や、花木の生長に大きな影響を与えた。
6月の発電量からの晴天率において、前年の2005年の6月23日から7月の4日まで点検に入っているため、他の発電所の発電実績から計算して求めたのを点線の棒グラフで示しているので、16日表示と21日表示になっている。
10年平均で見ると、6月の発電量は例年と変わりなく、5月の実績をカバーしているので、このまま例年と同じような天候が続くのかと思われたが温暖化は大きな牙を用意していたのが、7月の発電実績である。


(グラフ2007-005)

5月の日照不足から6月で平年並みの日照に戻りつつあったが、平年に比べ、7月の中期が最も日照が減少し、野山の木々に花が咲き揃ったところで、受粉まもなく、低温にみまわれ、ほとんどの木々の実が成熟せず、実をつけることができないまま落下していました。畑のブルーベリーも被害を受けて、平年の半分程度の収穫でした。また、6月の気温上昇に合わせ、一斉に草花が咲いたために、昆虫の活動期が気温の上昇に合わせることができずに、受粉活動が低温のために十分に行なわれなかったようです。たとえ受粉ができたとしても、7月の中旬の日照不足と、低温のためにカビにより、実をつけることは出来なかったようです。この影響をまともに受けたのが栗でした。秋の収穫時には、平年の3分の1以下の実がついたに過ぎず、毬をむいて出てきた栗は極端に小さく、その多くが十分に育った実ではありませんでした。
7月は、ホタルも低温に悩まされ、平年の3分の1も飛びませんでした。
7月後半から、8月にかけては順調に天候が推移しましたが、8月の12日には
私の知る限りでは、最大級の雹が降り、作物に大きな影響を与えた。あとで確認できたことだが、八ヶ岳南麓において、車のフロントガラスが割れるほどの雹害は初めてであったことが、古老から聞くことができた。我が家の網戸の網と、タキロン屋根に大穴が空き、その破壊力の凄さを確認しました。
8月後半から9月後半までは、例年にない日照不足となり、稲作への影響が心配されましたが、高温と、日照不足ながらも、風が吹き、大きな病虫害を受けること無く、9月の後半からの晴天日増加まで過ぎて行きましたが、本年は、雑草の成長が著しく、稲の背丈よりも、畦半の草の成長が著しく、草刈り回数を例年より一回多くしなくてはならず、農作業に追われる結果となりました。


(グラフ2007-006)

10月に入り、一週間は天候にめぐまれず、農作物の生育が心配されたがそのご天候は回復し、稲も生育を回復し、穂を付けることができましたが、例年に比べ背丈は低く、雹害もあり、収穫量は平年の7割程度になりました。
収穫時期に、雹害を全く受けていない標高の低いところの稲作を観察する機会がありましたが、高温障害で、株の分蘗は進んだが、進み過ぎたために株間が塞がり、窒素障害が発生し、稲穂の重みで倒れて、稲が倒れた圃場が発生致しました。このような天候時には、肥料の配合により倒れやすい稲作になることが証明されました。稲作以外では、花木の成長速度が季節には関係無く進む結果となり、日本列島が高温で推移したために、高冷地から秋用の草花を出荷時期が来ても、消費地の気温が高く出荷できないことになりました。
日照は少なくなっているが、日本列島全体が高温に保たれ、秋の気配を感じることが出来なくなり、秋を実感できたところは山岳部の高山地帯に限られ、低地域では12月になるまで落葉現象が続き、秋の季節感が余り感じることが出来ない気候が続きました。季節を感じる人がいなくなったのか地球環境の変化なんか生活には関係無いと思う人間か増えたのか?
イチョウの葉が12月に散るなんておかしくないですか?
このように、私たちの感覚より着実に地球温暖化が進んでいると思われます。
このような自然現象が、八ヶ岳南麓の農業にどのように影響するのか関係者と研究してまいりましたところ、降雨量の増加と気温の上昇により作付け作物の植え付けや、種まきの時期を昔ながらの時期に戻すのが良い方法ではないかと言うことと、化学肥料の多様を控え、堆肥の使用を進めとともに、作付け後の管理を適切にし、稲作であれば、肥料の効き過ぎを防ぎ、肥料が切れたならば追肥を使用し、作物の必要量に合わせたきめ細やかな肥料管理が必要になる農業になるので、高齢者には難しい農業になるのではないかと予測しました。
特に、国が進める集約型の農家においては、このようなきめ細やかな農業は路地では難しい物となり、施設園芸的なハウス栽培や工場栽培は発達するが、営農者の技術的管理能力よりも、マニュアル農業になってしまい、広大な農地の活用を考えた上では、マイナス農業になって行くと思われる。
現在押し進めている農業政策により、農業全体では、集団化や大型化で、一時的には生産能力は上がるが、元々、狭い農地で高効率管理農業を行ない生産性を高めてきた、きめ細やかな管理農業を実施してきた日本農業から比較すると、大型化や集団化は、歳を経るごとに生産能力が低下すると思われ、中山間地域の農業は危機的な農業体系になりうると言うのが、農業研究者と農業従事者・農業指導員等交えた私どもの研究結果です。
また、補助金を利用した大型農業機具は、負荷の多い中山間部では故障の発生率が平地の農業と比べ桁違いで、移動にともなう動力系の故障は致命傷となり、大型農機具の維持管理を補助金で補おうとしたならば、補助金政策が5年ごとに変わるシステムを導入している現在の農業政策では、農家にかかる負担は平地と中山間部ではどのような補助金制度を持ってしても不平等の農業補助金制度となり、農業に係わる外郭団体を養う補助金政策に利用されると思われる。
以上結果からして、体力のある大型化農業は成功するが、補助金を利用しての機械化や、集団化農業は、農業従事者の高齢化とともに事故の発生や、消耗品のメンテナンス機械管理ができずに、外注に修理を依頼することが多くなり機械管理の維持費が増し、衰退すると思われる。
このような衰退予測を回避するのには、農地の管理能力を高めて、高効率の圃場利用を押し進め、耕作面積を確保しつつ他の産業との共存で、経営基盤の安定化を図り新しい農業体系を作り出す必要があるのです。このためには、農業の基本である自然エネルギーの高効率利用を行ない、圃場の確保と、耕作面積の確保を自然エネルギー利用と農業生産を組み合わせた農業政策を進め、農業従事者の育成と高効率農業を育て、収支面でも地球温暖化の変化に対応できる農業を育てる政策が必要で、地域特性を活かした自然エネルギーの活用を押し進めた自然エネルギー等の利用を最大限利用した農業政策が求められる。
このような観点から、私どもは、農地に太陽光発電を導入する研究を押し進めており、発電結果をこのようなグラフにし発表することにより、多くの方に情報として発信し、農業の参考にして多くの方に役立ていただき大と思います。
例年、この時期の八ヶ岳南麓の標高900m地帯では、マイナス10度を記録することがありましたが、近年は、マイナス8度よりも低くなること無く、マイナス5度前後までしか下がりません。ここ10年で、この時期の最低気温が5度くらい上昇しており、この2〜3年は上昇が著しいものになっております。
このように、全国的に気温が上昇しているのに地球温暖化現象としてではなく何故、エルニーニョ現象としてしか取り上げないのだろうか?
気象番組や天気予報に何か不都合が生じているのではないだろうかと疑いたくなってしまうが、実際に植物分布では異常が発生しており、1月にここ八ヶ岳南麓ではタンポポが咲き、福寿草が咲いているし、ビオラは1年を通して咲いているこの現実を、どう捉えるべきなのか誰も触れようとしていない。
温暖化現象のあおりを受けたのが石油業界ではあるが、暖冬により石油製品の消費が抑えられ暖房費が押さえられ、家庭には温暖化は貢献したと思われる。
地球温暖化のあおりを受けたのは私たちだけではなく、八ヶ岳南麓の動物たちは野山に餌となる木の実が不足して、農地まで餌探しに訪れます。
地球温暖化の影響を受けた野生動物は、ここ八ヶ岳南麓では食料を求める野生動物の夜間移動に合う場合あり、野生動物の移動の痕には、荒らされた畑を見ることができる。

(写真996・995・997)

1月に入り、6日、7日と雪が降って、露地栽培で畑にあった野菜が雪をかぶり、糖分を増したならば収穫するつもりで残してあった野菜が一夜にして食べ尽くされました。この畑に山から鹿の足跡が続き、一夜にして糖度を増した大根が食べられてしまいました。

(写真1000・998・1001)

山林に餌が無い証拠に、ブロッコリーや雪の下にあるホウレン草まで掘り起こし食べて行きました。白菜は青い物は葉を食べ、丸まった物は横から食べた跡がハッキリと残っております。不思議なのは、大根は全滅、ホウレン草は奇麗に食べられましたが、白菜や他の野菜は大根に比べたならば、被害は少ないのです。ミネラル分の多い野菜が狙われていることが判り、八ヶ岳南麓では増え過ぎた動物がミネラル不足になっていると思われます。道路の融雪剤の痕の塩分を補給する場合があるので夜間の凍結路面を運転する場合は、特に注意が必要になるので、動物との交通事故に注意しましょう。自動車保険によっては動物との事故では保険が利きませんので要注意です。
さて、ここまで色々な八ヶ岳南麓の情報を発信してまいりましたが、昨日からテレビ報道で異常気象を取り上げておりますが、地球温暖化を本格的には取り上げておらず、異常気象の領域を超えての報道とはなっておりませんが、多くの方が地球温暖化現象の到来と感じているのは事実なのです。
例年では、この時期の太陽光発電所の発電量は最大の出力を示す発電量を示すのが今までの発電実績ですが、本年は少し変わっていて、晴天に恵まれているのに発電量が伸びないのです。発電を開始した1997年の1月の1日当たりの発電量と比較すると、本年度は晴天にも係わらず約90%の発電量にとどまり、大気中で光の屈折がおきて、太陽電池に光が届かなくなっていると思われます。
日射量は日射量計から見ても余り変化はしていないが、発電に必要な光の領域に変化が発生していると考えられます。複数の太陽電池が発電量の減少傾向を示し、同じ傾向を示している以上太陽電池以外のインバータ性能の低下も考えられるが、浅川太陽光発電所の各インバータは、その都度改良を加え、最新の設計で高効率を目指しており、インバータの性能低下とは考えにくく、他社のインバータも同一傾向を示しているが、浅川太陽光発電所の第3発電所ではそれらの現象が最小現象で現れているところを見ると、私どもの研究方向の正しさが証明されている結果ではあるが、それだけ大気中の微粒子の増加が進んでいることを示しているわけで、地球温暖化とともに大気中の微粒子の変化も注意することが求められており、地球温暖化は複数の要因で急速に進んでいることが、浅川各太陽光発電所の発電記録から推測でき、太陽光発電所が地球の大気中の変化まで確認できるシステムであることが証明できます。
私どもの太陽光発電所が、八ヶ岳南麓の自然条件の良い場所にあることによる研究成果であり、市街地では、これらの研究成果を捉えられたかは疑問です。
中山間地域の特性を活かしたシステムであり、農業と組み合わせることにより多くの恵みや恩恵を設置した地域にもたらすことのできる施設です。
これらの施設の運用管理を適切に行ない、地球温暖化の進捗状況を的確に捉え農業従事者や皆様にお知らせし、自然環境の保全と地域産業である農業の発展に自然エネルギー利用を導入して努力し、地域の環境の保全を目的とします。
 環境変動について
昨年から、急速に発達する低気圧の脅威について警報を発してきましたが、警報の内容を理解するのは、かなりの知識を必要とするので解りやすくできる範囲で説明させていただきますと、低気圧による降雨量や風速は最大時で今までの1.5倍ほどの力となり、局地的には3倍ほどの威力となると思われますので
雨量範囲の移動速度は早く、散発的に強弱を繰り返すので、河川等の立ち入りは非常に危険が伴います。近付かないことが肝要です。八ヶ岳南麓は南斜面なので、太平洋上を日本列島に沿って南岸を低気圧が通過した場合は、特に注意が必要になりますので、気象情報の確認を怠ること無く、安全な場所に避難を御進め致します。このような気象条件では山岳登山は危険となります。また、出水が予想される場所では低地には近付かないことが大切です。普段から身近な危険箇所を確認しておきましょう。できれば普段から家族で避難経路や集合場所や連絡方法を確認して、生活することが大切な時代になってきているほど、地球温暖化が急速に進行しているのです。私たちは、日本の四季の季節感が残っているこの環境を後世に伝えるために努力をしなくてはならない、時代に到達したのです。

2007年になり、新しい情報が確認できましたならば、私の理解できる範囲内で皆様にお知らせして、行きたいと思っております。本年も、乱筆、乱文に御付合いいただけますようお願い申し上げます。

2007.01.12
浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男

▲上に

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