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エネルギーをめぐる国際戦略と地球温暖化
再生可能エネルギーを含めたエネルギー利用と国内情勢

浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男 2007.01

 再生可能エネルギーを含めたエネルギー利用について、自然エネルギー利用発電を実施している立場から、地球温暖化を考えてレポートを作成致しました。

 地球環境は、地球温暖化により劇的な環境変化を迎えようとしており、地球全体の生命をも左右しうる状況を作り出そうとしております。私たち人類が、活動範囲を増し、活発に活動するに従い、地球環境の悪化に拍車がかかり、人類が自分で、自分自身の生存環境を破壊する結果となって行くのですが、これらの教えを太古の史跡が手本として私たちに伝えているにもかかわらず、私たちは、それらの遺跡の謎をやっと解き明かす位の学力しか持ち合わせていないのです。人工遺跡であるアンコールワット遺跡、中米のジャングル都市、マヤの遺跡等は、増え過ぎた人口が周囲の環境を破壊し、自然消滅して行ったのです。人類は、水を求め河川の流域へと移動し、新たな文明を築き、現代人は河川からはなれて都市を築きましたが、これらが成功しているのは、水の管理を適切に行なっているからに過ぎません。水が枯れたならば、これら人工都市は二週間程度で、廃墟になるのです。農業も同じで、地下水を利用している灌漑農業は、大規模なものにすればするほど地下水位の低下をともない、数年後には農業生産の低下を招くことになり、砂漠化を招くことになります。大規模灌漑用水路でも、水源からの供給量を無視した灌漑を続けると、世界第4番目の面積を誇る湖であった、アラル海が消滅しようとしている現状がそれらを証明している。湖が枯れると、塩分濃度が高くなり、農業生産は不可能になるとともに、砂漠化が周囲から始まることを理解しなくてはいけません。いったん砂漠化が始まると、塩分濃度の高い表土が飛散し、植物の育たない土壌へと変化し、さらなる砂漠化を招くことになり、大陸中央部にある湖の管理には大きなリスクをともなうことを知っておく必要があり、ここでの気象変化が地球大気の対流に大きな影響を与え、同緯度地域の気象に大きな変化をもたらすことが衛星写真等から判断でき、水がなければ私たちの生活が成り立たないことを証明しております。私たちが地球上で使用可能な水には、制限があることを忘れてはいけません。海水を淡水化すれば良いと答える方がおりますが、塩水濃度が一定を超えると淡水化は環境変化をともない危険なシステムになります。

水の次は食料です。

 近代農業は、人類の知識により機械化と化学肥料の登場により、飛躍的に進歩し多くの人々を飢えから救い、工業のさらなる発展を導きだし、農業生産の現場を河川流域農業から、広大な森林部や密林、サバンナ、ジャングル等、人類が生活可能領域を広げるとともに農業も拡大してまいりました。現在では、乾燥大地では大規模灌漑農業が行なわれ、適切な降雨量のある土地は、ほとんどが農地として開墾され、食料を作り続けておりますが、地球環境に最も大切と言われる酸素の供給源であるジャングルにまで、人々は触手を伸ばし、耕作地として切り開き、多くのジャングルや密林が急激に減少しております。

このような、急激な環境変化は、かつて地球が経験したことのない方法で緑が失われ、農地に変わり、耕作地が広がって行き、食料を生産しております。

地球温暖化の影響か、アフリカ大陸の東側インド洋に面している赤道付近の環境変化が、話題になっております。降雨量の増加が報告され、洪水が発生しているとの報道があるかと思うと、フラミンゴで有名な湖の塩水化の進行や汚染が報告され、アフリカ最大と言われるビクトリア湖は環境汚染と、外来種の持ち込みにより、日本の琵琶湖と同じ悩みを抱えています。結果として、タンパク質の供給源であった湖からの食料が減少となり、湖からの食料供給が絶たれようとしています。このような状況の中で、食料が不足する地域からの住民移動により、環境の汚染は進み、農業への影響が心配されております。

現在最も深刻な食料不足地帯は、政情不安定な国々にあり、経済的発展の恩恵を受けていない地域に多く、先進国に対しての不満が増しているようです。
世界的に見て、農地開発は進んでおりますが、農業後進国の急速な大規模機械化農業により、森林破壊と、農業用水の不足に拍車をかけるように地球温暖化の影響が押し寄せており、農地の拡大とともにジャングルを開拓したところでは、降雨量が増加や減少で、農耕地の表土の流出により、砂漠化が心配されております。灌漑設備をともなっていない農耕地の荒廃が特にひどく、いったん砂漠化すれば、それを阻止する経済力が無いのが、農業後進国の農業で、栽培する種子は、経済大国が握り、販売経路までコントロールできる状況で、後進国の農業は、経済大国に握られた食料供給システムに組み込まれているのです。

このような実態を回避すべく、後進国は無秩序の開発を押し進め、自国の収益の確保を目指し、農産物の輸出に拍車をかけ無秩序な開発が益々進み、地球環境に大量に酸素を放出しているジャングルの開発を押し進める結果となります。

膨大な酸素供給地域が急速に減少し、これと引き換えにCO2排出地域が拡大しており地球環境への影響が心配されているが、水や食料の確保に、先進国が経済力を武器に置き換えて、経済支配を先進国が実施した結果、資源保有国の反撃が始まり、エネルギー供給国は、経済力に対抗しうる戦略として、エネルギー供給システムのコントロールを武器に、自由経済とエネルギー経済がその支配を、今までの経済社会に変わる価値となりうることも考えられます。今回、日本も先進経済国家として、後進国のエネルギー供給国から、エネルギーと資源、農産物の輸入拡大策を打ち出さない限り、日本製品の輸出関税の引き上げ等の処置を検討され、太平洋地域や各地域ごとに自由貿易協定を締結し、農産物の自由化を迫られる結果となっている。結果として、日本の農業は衰退の一途をたどり、中小の農家は見捨てられ、農業生産効率の低い農地は、荒れ果てる結果となり、中山間地域には荒廃農地が広かる結果となる懸念が存在する。しかしその一方で、人工知能を搭載した野菜工場などの出現により、屋内野菜生産工場や施設園芸ハウス栽培では、農作業用産業用ロボットの開発により、高効率の生産工場の出現が予測される。この場合、生産される農産物には限りがあるので、農業技術力向上には向かないが、無菌システムで生産が可能になることにより、天候に左右されず生産が可能になり、季節感は無くなるが、病害虫にさらされない無農薬野菜等の安定供給は可能になる。また、資源については、リサイクルが進み、原材料価格の高騰により、国内にある再生可能な資源をリサイクルし、資源の有効利用に原材料価格の高騰が後押しになるが、しかし、これらの工場を稼働させるエネルギーの問題が発生し、膨大な電気エネルギーを必要とするようになることも予測できる。これからの時代は、物を生産するエネルギーや資源の確保が問題となり資源消費国である日本にとっては、環境問題・資源・エネルギー有効活用とリサイクル技術力の強化を図り、自立型経済社会を目指して、厳しい世界に乗り出さなくてはならない。

エネルギーについて

 ヨーロッパにおいて、ロシアからの石油や天然ガスの供給停止騒ぎが発生したわけですが、資源保有国が消費国に対する警告の意味を持っての騒ぎであったことを忘れてはなりません。この結果として、大規模な自然エネルギー有効利用のシステム構築へと向かい、太陽光・風力・バイオマス・水力等が見直され、太陽電池の需要が急速に高まったのです。日本も極東ロシアからのガスや石油の資源輸入パイプライン計画が頓挫し、大幅なエネルギー調達計画の練り直しが必要になりましたが、中東へのエネルギー資源の確保に注意信号が灯った事件が発生致しました。中東のフォルムズ海峡で中東から日本に向けて航行中のタンカーと戦略艦船との衝突事故です。この海峡は、戦略拠点として中東で動乱があるたびに注目され、フォルムズ海峡と対峙する国では、海峡全体を射程におさめた移動式対艦ミサイルが配備され、この海峡を通過する大型タンカーは全て、ターゲットとしてロックオンされており、いつでもミサイル攻撃が可能になっております。海峡通過中の大型タンカーを4隻から5隻沈めることにより、海峡の完全封鎖が完了するために、自由経済社会のエネルギー生命線とも言われております。この地域の安全確保が世界経済を支えており、自由経済社会の支えとなっており、戦略拠点となっているわけで、この地域に核兵器が持ち込まれることは、自由経済社会の喉元にナイフを突きつけたことになり、私たちの生活も左右されることになります。これらの背景から、日本に向けて石油やガス、鉱物資源の輸出国が、石油や石油製品以外の農業製品の買い取りを日本に迫り、特に、エネルギー供給国のエネルギー生産部門を国営化する動きが目立っています。結果として日本は、輸入農産物の関税撤廃を迫られ、自由貿易協定を結ぶことになり、エネルギー確保と引き換えに自国の農業、林業、水産業を犠牲にして国益確保と、企業保護に徹して、日本国内の所得格差を広げることにより、国内経済の安定を図る傾向が見られますが、国内製造業が衰退することによる社会基盤システムの崩壊が始まっていることを、国の借金財政が証明している。国内の多くの企業は、日本に生産拠点を置くよりは、生産に必要な材料や人材が豊富なところに移動し、国内への財源支出を減らし、企業全体の収益を上げており、国家の財政や地方自治体の財政は、今までの政策では破綻する結果が見えており、各自治体は補助金目当ての財政から、自立財政再建への道に方向転換しない限り、一部の自治体しか、継続できなくなる恐れが発生いたします。このような現状をふまえ、シミュレーションした場合エネルギーの供給がストップした場合は、私たちの生活だけでなく、社会システムそのものが崩壊することにつながり、益々格差を広げることになります。

エネルギー・食料・環境への日本の対応策

 日本の電気エネルギー対応策、第4回RPS法小委員会が年末に開催された。

新エネルギーの導入とエネルギー資源の開発を目的とした法律で、電気エネルギー政策の一翼を担う法律の運用を検討し、新エネルギーの導入を進め、新エネルギー利用により、環境の保全に寄与し、国民経済の健全な発展に資することを目的にする法律であるはずが、おかしな方向に傾いて進んでいる。

今回のRPS法小委員会の議題は、主にRPS法で決定した発電規模に関して、企業の利益が上がるように大規模な物へと移行できるように法律を改正する必要があるとの意見が多く、環境に配慮した意見は、見当たらずバイオマス発電(ゴミ発電の老朽化対策は後回し)は原料を国内から求めるのか海外ら求めるのか委員自身がRPS法の当初の法制定目的である、循環型社会へのステップアップの法律へとの、崇高な目的は消えてしまい、地球環境はどうでも良く、企業育成型の法律へと移行することを各委員が誘導しているように感じ、個人が参加できる太陽光発電については、個人発電所からの電力の買い取りが企業利益に悪影響を与える恐れがあるので、買い取り電気の価格を今後どのようにするか等の意見により、新しい政策が必要等と企業側の委員からの発言が目立ち、RPS法本来の個人も参加できるとした道を閉ざそうとしているので、一部の委員が指摘するも、聞き流されている。結果として、自然エネルギー利用促進の必要性は理解するが、個人が参加することは避けさせ、企業が独占的にエネルギーの供給を握り、太陽光発電のような個人参加型のエネルギー政策は企業には余り馴染む物ではなく、個人参加は排除する傾向が強く感じられる。実例として、各電力会社管内において、住宅用太陽光発電を設置する場合は、家庭内部消費を拡大させたシステムの住宅には、住宅用太陽光発電を認めるが住宅用太陽光発電で、発電した電気が沢山、電力会社側に流れるシステム回路は認められないとする窓口が増え、実際に相談にさえのってもらえない状況になっており、電力の売電に関しては、各電力会社が独占的に支配力を強固なものにしている。また、原子力政策を押し進めることにより、有り余る夜間電力の消費拡大を狙い、オール電化を推奨し、co2排出量の少ない家庭燃料電池システム導入条件としては高いハードルを設けて、売電は認めないとする低効率の運転を強要しており、地球温暖化防止よりも、電力業界に他者の進出を認める姿勢を示しながら、実際は電力会社の独占をあらわにしている。

交通機関では、1990代に電気自動車についての論戦を広げた時に、思わぬ業界関係者と関わり、反論を受けた。電気自動車の開発に興味を持ち、設計を進めている段階での大きな水入りであった。当時は、電気自動車はSFのものであり実現性の無いものとして、当時(1990年代)電力会社で開発された電気自動車の開発値段が3億円以上であったのを記憶している。私が考えていたものは、市販車をベースに開発費が2000万円程度で、自宅で充電でき、一回の充電で150km走れれば良いとするものでしたが、電力の供給システムに太陽電池と発電機を組み合わせて走行可能なシステムを考えておりましたが、燃料を使わない完全なEVであったがために、論文を読んだ方が大手石油会社の関係者で、全国のガソリンスタンドの仕事が無くなるとして、かなり強い意見をいただきました。今回、バイオガソリンE3に対して、ガソリン供給元の業界の猛反発に遭い、バイオエタノールは苦戦を強いられることとなり、日本の燃料業界や電力業界は地球環境の温暖化は自分たちには関係無く、環境に優しい燃料や、自然エネルギーを利用し、発電した電力は、本業の障害になるので極力取り除くとした決定を下したのです。環境を守ろうとすると、利益確保のために、どんなにすばらしい提案があっても、既得権益確保のために葬り去る。

このことから、日本の産業界は、地球温暖化対策と言いつつ関係各省庁の足並みが揃わないのと同じで、地球温暖化が急速に進み、大型化した低気圧の影響により、高波が発生して、東京や大阪の半分が水没しない限り、具体的な地球温暖化対策を政治的にも、企業的にも取るつもりが無いことを、燃料業界と電力業界で今期ハッキリと、自然エネルギー利用を推し進める私たちに対して、示したことになります。

電力や、燃料は、生活に必要な物で生きて行く上で、切り離すことの出来ない生活システムだとして安心しきっており、国民を完全に愚弄している。

電力業界では、消費者を囲い込むためにオール電化を進め、燃料業界では企業利益を優先し、どちらも消費者が逃げないように囲い込みに躍起になって来ている。今回、国の提案で道州制が施行されようとしているが、見方を変えると、大手電力会社間の電力網と類似するのは何故だろうか。

どの業界も人口が減少し、消費と購買能力の低下が数年後訪れ、大規模で複雑なシステムを管理する能力ある技術者が一気に退職し、危険度が増す時期に道州制を取り入れて、完全支配で切り抜けられるのではと言う甘い考えに対して、自然界は地球環境の大規模変化、地球温暖化で牙を剥いて襲いかかってきます。日本の行政機関と企業サイドの見識の甘さに驚いたことと、国民生活の安全管理と環境の保護に対しては全くと言っていいほど興味を持たない、拡大増殖する官僚システムの為に私たちがどのように決断し、行動するか、個人レベルではあるが、私たち自身が地球温暖化を意識し、自分たちの生活圏をどのように確保し、守り行動すべきかを選択する時間になったようです。

私たちは、自然エネルギー利用を最大限に利用して、地球環境の保全を考えて行動しておりますが、地球温暖化の被害が現実化するか、被害者が発生しないと関係各省庁や関係各機関は、私たちの行動により官僚制度や管理支配制度が崩壊するのを恐れ、環境問題に対して、真剣に取り組もうとはせず、利益確保や、地位にしがみつき、それらを温存するために抵抗を致しますが、地球温暖化はどうも、そんな動きに関係なく着々と進行しております。

日本における各大手企業は、日本国内に留まることはせずに、海外に拠点を分散させ、地球温暖化による企業リスクを分散させ、企業の生き残り策を模索しております。現状は、国内にある資金をどのように集め、利用するかに移行しており、金融経済も分散化する様相を呈しております。

経済力のあるうちに、地球温暖化の影響が最小限になる地域を探し、その地域に集中して、資本を投下するビジネスシステムになると思われます。

私は、日本を離れることができませんので、この地において、自然エネルギー利用により地球温暖化防止に役立てて、行けるように、農業と太陽光発電を組み合わせた、新しい農業システムの構築に努力いたします。

皆さんが、地球温暖化防止対策に良い選択をすることを望みます。

浅川太陽光発電所 所長 浅川 初男 2007.01.16
RPS法 電気事業者   浅川 初男 

▲上に

浅川太陽光発電所 - 八ヶ岳・北杜市大泉 -
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