HOME > News > 農地における太陽光発電とTPP (2011.11.17)

農地における太陽光発電とTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)
(農地を守る農家として)

TPPは、環太平洋戦略的経済連携協定と言われており、別の名を、環太平洋経済協定、環太平洋連携協定、環太平洋パートナーシップ協定とも言われております。

『ことの起こりは、貿易における不平等や不均等を無くし、自由な企業活動を行うための貿易約束と見られたのですが、経済格差が広がるにつれ、生産国の優位を保つために、多くの貿易協定が創られたようです。』

当初は、2国間協定が多く、消費国と輸出国との貿易摩擦をなくすことで双方の利害を一致させる協定でしたが、経済レベルの向上により、更なる摩擦が発生するに至り、新しい貿易協定が模索され、今日の多くの協定にと変化しています。私たちが教科書等で学んだFTA(自由貿易協定)は簡単にすると、売り手と買い手の間の約束と言うことになります。

現在では、売り手と買い手の約束だけではなく、売る物を作る人や物の流れまでもコントロールする協定へと変化して、EPA(経済連携協定)へと進化しています。このことにより、2国間だけではなく、多くの国を巻き込む経済圏へと変化しているのです。それらの代表例を挙げると、ヨーロッパ圏(EU)、中東圏(産油国)、アフリカ圏、ASEAN圏、オセアニア圏、北米圏、南米圏、等があり、さらに強い協定で、太平洋に面した国家間の利益を導きだそうとしているのが、今回のTPPです。現在は、ヨーロッパを中心としたEU経済圏と、中東圏、中国とインドに挟まれた区域とオセアニアを結ぶ経済圏、北米圏と南米圏とに大別され、中国は、独自路線で中国を中心とした経済圏を確立しており、日本は、2国間協定のFTAと、かろうじてASEAN圏に属しているのにすぎないのです。

現状では、各国に貿易協定で遅れをとり、一人孤立し、経済力のある消費大国と見なされ、ただの消費国と言っても過言ではない状況におかれつつあり、早急な対策が求められています。ここまでの状況に追い込まれたのは、日本の1次産業である農業を守ると言う理由で、各国との折衝を怠ってきた、ここ十数年余りの国際市場の同行を収集しきれなかった時の政府にあり、政治主導を怠った各政権に問題があり、現状は、日本の行く末を見定めた、確固たる政策が求められる状況に変わったのです。

これまでの保護政策、日本の1次産業の農業を守るとしてきた、貿易政策では、結果として国内農業の孤立と衰退を招き、農家の自主性を抑制し、農業の近代化や生産システムの立ち遅れを招く結果となってきたのです。

農家に対して、国内工業産業の育成のために、貿易相国とのバーター貿易で農産物の輸入のために、減反政策や奨励政策として国内穀物の減産調整と言う要求のもとに小規模農業の推奨や、小規模区画整理で農家の体力をそぎ落とし、輸入穀物とのバランスを図ってきましたが、今回のTPPでは農産物の消費国と言う立場の国と見なされ、急遽大規模農法への転換を図りましたが、時既に遅く、日本の大規模農業と諸外国の農家を比較した場合、その規模には大きな隔たりがあり、その生産効率から農産物の価格を決定した場合、日本産の農作物は諸外国の物と価格比較で5倍から10倍位高い物になります。価格競争の現状において穀物では、太刀打ちできないのが実態で、生鮮食料品以外の穀物では、諸外国の価格に太刀打ちできないのが日本の穀物農家の実状なのです。

さらに、気になるのが遺伝子組み換え食品の台頭です。

私たちは、安全安心を日本国民自らが決めて食品等の安全基準を決めてきましたが、TPPでは、輸出国基準が用いられ、安全上の問題で受け入れられないとした場合は、乱暴な言い方ですが相手国のメーカーが損害賠償を日本国に対して行うことが出来るシステムもあり、TPPは、輸出できる国の強みを生かすことのできる条約なのです。安全であるか ? 安全で無いかを輸出国の基準で決定されてしまう危険性もあり、輸入国に対しては、輸出国の基準を受け入れるように求める条約と言って良いでしょう。

日本の農業が何をすれば良いかと言うと、主食である米の場合を考えると、生産価格のコストダウンを図り、輸入農産物と対等な価格で市場において争う必要があり、高品位、安全、低価格が求められ、消費者の消費スタイルにより農産物の価格が決定されることになり、農家は消費者に合わせた農業生産になることを求められるのです。
日本国内において、対応可能だとして大規模農業経営において生産物の価格を低く設置することが出来るとしていることは、農機具の価格や人件費等において諸外国とは比べ物にならないほど高額経費になっていることを考えると、そこで生産された作物の価格は生産時点で、諸外国の農産物市場価格より高価な物になっており、この時点で国際競争力を失っていることを日本の農家は知っておく必要があります。

それらを知った上で、どのような対策をとるべきでしょうか ?

一番簡単なのは、保証制度を整えることですが、現政権下でも所得保証制度と言って実施していますが、農家の収入が増えたわけではなく、見せかけの規模拡大を唱え、農家への対策としたわけです。では、農家が農産物を生産し収入を得ながら輸入農産物と価格競争するには、どのような対応が必要でしょうか?

TPPの外圧が穀物生産現場での競争力と言う日本の農業の新しい姿を浮かび上がらせています。競争力を上げるには、日本式の大規模農業では、生産能力や生産価格の面においても太刀打ちできないのです。

また、補助金では、いずれ資金面での枯渇があり、簡単には補助金とも言えないのです。では、どのように対応すべきか?

TPP対応方法は、農地の高度有効利用を行う必要が見えてまいります。

この農地の高度有効利用は、農地において、最優先で太陽光の有効利用にあります。私が唱えている「農地での太陽光発電」の実施がTPPに対応するうえで、効果が一番有効と考えられます。

農地の一部で太陽光発電を実施、農業生産はもとより、発電した電力の有効利用を行い、1年を通して太陽光発電からの農家の収入を確立し、農家保障を行い、穀物価格が低くなったとしても、太陽光発電からの収入で補う制度を確立すれば、離農農家を無くし、農業が魅力ある物に変わり、耕作放棄値の減少に繋がり、農業従事者の安定した生活環境に繋がるのです。

また、日本においては、古くから集落単位での用水路等があり、それらの水の力を有効利用することにより、農業用水を利用した発電を集落単位でも可能で、それらから上がる収入を、農業収入として各家に分配し、農家の経営安定化を図り、農作物の価格低下を補う処置に利用すれば、農産物の価格低下は農家の収入の減少にはなりますが、減少した分を自然エネルギー利用からの収益で補い、農家の経営安定政策とすることで、日本農業の衰退を防ぐことが可能です。

これらの内容については、私のところで研究した結果を論文にして、既にまとめてあり、日本の農業の未来図をより明確に示してあります。

私たちは、今回のTPPにより離農に拍車がかかることは避けたいのです。何故ならば日本の農地は優良野農地で、世界人口の増加速度から考えると、ここ20年は絶対に守らなければならない農地なのです。国内の大規模農地利用では現時点で既に農産物の生産価格で、海外の価格に負けており、国内の大規模農業法人が倒れた時に、国外の資本が優良農地を買いあさるのだけは防ぎたいのです。それらの防止策として、農地で農業生産を続け、自然エネルギーを利用した農地での太陽光発電を実施し、農地の高度利用を行いながら30年先にある、食料飢餓を前提にした、未来農業を見る農業政策が必要になっているのです。

現在、提案されている荒廃農地を一カ所に集めて、ある程度の広さの場所で太陽光発電を実施する考えには賛成致しかねます。

荒廃農地がなぜ点在しているか、それは、農地に適さない農地が真っ先に荒廃農地になるわけで、それら荒廃農地を一カ所に集めたとしたならば、少なからず優良農地が荒廃農地と入れ替えがあり、優良農地が消えることになります。

また、入れ替えた荒廃農地が、優良農地になるとは考えにくいのです。

これらの案は、単に大規模土木工事事業を農地で行うために発案されたように見え、荒廃農地を利用した太陽光発電とは違う物に見えてしまうのです。

農地の一部を利用した、農地での太陽光発電であれば、点在している荒廃農地を一カ所に集める大規模土木工事は必要ではなく、消費に合わせた地産地消のスタイルや分散電源システムにも通じることになり、何よりも農家経営の安定を約束し、日本国内農業の特徴である中山間部に広がる農地おいて、最小面積での農業経営が可能になるのです。

TPPとは何か、物を消費する方は、価格が最初は下がりますが、生産が一極集中するので、生産地で不作が発生した場合は、一挙に価格上昇に転じ、消費者にそのしわ寄せが来ることになります。長い目で見ると、特に食料と言う面では、多様な供給方法を国内で確立しておく必要があり、農地の荒廃を加速させるような農業政策は、食料輸出国に生命を預けることになり、現在の世界人口増加予測から見ても、人口が多い国に向けての輸出が主になり、産業構造の変化から人口減少に転じた日本では、消費能力から生産国に供給制限を受けることになり、食糧価格の高騰に繋がります。明確にあらわになっているのです。

そのため、国の基盤である食糧安全確保のために、農地の保全と安定した農業経営方法が必要になります。このために、農地で自然エネルギーの利用を農家に認め、そこからの収入と農業生産による収入により農家を育成する政策が必要で「日本農業の生き残りをかけた太陽発電、水力発電、風力発電等、を利用したエネルギー生産と食物エネルギー生産の両者を合わせた複合経営を農家に認めることが必要なのです」。

先進国としての、日本の貿易立国としての地位を確保するためには、国内基盤の確立として自然エネルギー利用を基盤とした農業政策を展開し、他国に類を見ない政策を実施し、TPPに対して、現段階で確固たる対応が求められているのです。

浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男
2011.11.17

PS
急遽の原稿のため、参考にする場合は、不備や、乱筆、乱文、誤字等ありますので、ご注意ください。