HOME > News > 平成23年度農業・農村の6次産業化総合調査…おおいに疑惑 (2012.01.06)

平成23年度農業・農村の6次産業化総合調査…おおいに疑惑

日本の農業を考える

平成23年12月に入り留守中に、6次産業化総合調査表なる物が送られてきた。
そこには、農林水産省と明記してあるので、早速、農林水産省のホームページで、確認を試みた。
農林水産省のホームページにある、どこの部署にも、今回の6次産業化総合調査票に関する記述が無く、本当に農林水産省の調査であるか確認すべく、問い合せ先である「農林水産省6次産業化総合調査事務局」に電話で問い合わせた。しかし、問い合せ先への電話では、責任者は存在しておらず、まったくの見当違いの調査である事がわかった。
これは、内閣府の統計を扱う部署が行っているらしく、農水省の名を借りて調査を行っているようである。
調査内容に疑問があったので、調査票の問い合せ先に、どのようなことから今回の調査がなされているのか問い合わせたところ、調査本文に書いてある問い合わせ先では、回答いただける場所ではありませんでした。


『もし、この調査票の内容が流出しても、誰も責任を取ってはもらえない。
 本当の担当部署がどこなのかが調査票には記入されていません。』


通常の農家の収支や形態は、各都道府県の農政事務所や、市町村の農政課を通じて統計が行われており、今回の調査票にある、住所・氏名・年齢・性別・家族構成があり、農業等からの収入構成・製造販売・タイアップ及び連携体制・それらに関する戦略・海外への輸出等や思想調査等まである。
特に農業への思想調査がなぜ必要かが疑問である。


農業を行っている人が、農産物を自由に生産し、消費者に販売でき、農地等を時勢に合わせて必要な農業形態で維持し、農業生産を行い、農業の継続を図ることが農業である以上、今回の調査票の内容は、農家の懐と、思想調査ととれる内容が多く、本来の目的が見えず不気味な調査票である。
農家を育てるための調査であるのであれば良いのだが。


内閣府であるのであれば、内閣府から調査票であると明記すべきである。
内閣府が農政の全てを決定する政府組織であるとは考えにくいのです。
それであれば、農林水産省の下部組織は必要ない組織となります。
また、その逆もあり、しっかりした組織形態がなされていない事を表しています。
特にこの調査票で、気になったのが、自然エネルギーを利用した再生可能エネルギーの利用状況についての調査である。


そこには、太陽光・水力・風力・バイオマス・その他となっており、農業関連施設への供給とその他の利用についてとなっており、特に驚いたのは、次の質問(2)では、すべの表記がkWh表記である事です。
今、はやりが、発電だからそれだけを質問すれば良いとしているのであれば、それは、農業に失望させる再生可能エネルギー利用である。
再生可能エネルギーの利用状況として、設備の設置の有無と、農業関連施設とその他の利用と発電設備を設置している場合の出力としか質問がされていない。
農業施設にどのように再生可能エネルギーを利用しているかの実例に対する具体的質問がないのです。
発電だけ質問すれば、再生可能エネルギー利用になるのですか ?


農業に、新しい産業構造を望む農家に対して、否定する調査内容です。


特に驚いたのは、今回の調査票の中で、海外に輸出をなされている個人農家がある事です。
個人で海外に輸出をしている農家がある事を初めて知りました。
私の知る限りでは、複数の農家が協力して、輸出に挑戦している事は知っていましたが、個人単位で輸出しているとは、すごい事です。
ここ山梨では、桃、ワインを海外に輸出しておりますが、採算ベースには疑問が残る部分でもあります。
桃については、出荷時の検査漏れから、害虫が輸出先の国で見つかり、信用を失墜致した経験から、農産物の輸出には万全の防疫体制を整えて、検査を実施した態勢で望んだとしても、害虫が見つかった場合には、一気に信用を失うことを覚悟したうえで、農産物の輸出に産業に取組むのか、等の問題があるのにただ質問をすれば、問題が解決できるとでも、言いたいのか、と取れる質問です。
農産物の輸出には、相手国と農業条約を結び、取引国との間で、両国が共同で対策をとれるようにするか、一方的にTPPの様な協定を結び、リスクもろとも強引に輸出する覚悟が必要になります。とは、書いてはありません。


農家に何を聞き、農家に何を求めているのでしょうか ?


また、ワイン等でも、輸入国の受け入れ態勢で、競合する商品と比較した場合、日本製は、価格面で高額な為に販路が難しいとも言われております。
輸入国の内情に合わせた、商品開発が必要であることを理解しないで、輸出についての質問をしている今回の調査は、何であるか、農家からすると疑問だらけである。
今回の調査票と、相互して「調査票提出のお願い」が送付されてきた。
こちらには、農林水産省大臣官房統計部消費統計室からの委託を受けたとの主旨が書かれていたが、担当者名がなく、調査委託された業者名だけが記載されている。
農業に関する、統計調査は、農林水産省の出先機関である、各地にある農政事務所が行っており、そちらからの資料を上げれば調査はしなくて良いことになります。各市町村の農政課からも資料を上げてもらえば今回の調査は必要ないと思われますが、調査を実施したところを見ると、これらの行政機関が的確に動いていないので、改めて、調査を実施したと取れるのです。


農林水産省の行う調査は、現有する農政関係各機関を利用した調査は、信用できないから、大臣官房が直接行っているともとれ、現農家に直接意見を聞くためには、現有する農業政策機関等を利用せずに、第三者に委託して、調査を行う必要があると判断したと思われます。


『このことは、言い換えると、現在の農業行政に無駄の多い機関(外郭団体)が存在していることを、農林水産省の大臣官房が認めていることになる』
ともとれ、大規模な農業行政改革が必要になりつつあることを示している。


『本業務は、農林水産省大臣官房統計部消費統計室から委託を受け、…』


とあるが、農林水産省大臣官房統計部消費統計室の誰が責任者ですか ?