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太陽光発電所建設ラッシュ 注意事項

浅川太陽光発電所 

○ 太陽光発電所建設ラッシュ注意事項
○ 太陽光発電所建設時の契約の前・確認事項
○ 太陽光発電所建設後の施設管理注意事項
○ 太陽光発電所直近の系統電圧使用量増加による電力使用制限
大きく分けて、これらについての注意事項を書き上げてまいりますので
太陽光発電所設置者(所有者)の皆様におかれましては、大事な事柄なのでくれぐれも、注意が必要です。


ここで、発表することにより「設置者の皆さんが知らなかった」、「業者説明が無かった」、「所有者に対しての販売説明を怠っていた」と言うことは、裁判等の訴訟問題に発展した時に、「何々〜かった、〜いた」等は、いっさい通じなくなることもあります。ご注意下さい。

○ 太陽光発電所直近の系統電圧使用量増加による電力使用制限



太陽光発電所が増加するにあたり、懸念していた事項が発生し、現場での対応が求められ、何のためのループ送電網か疑問が生じる事例が発生した。


毎年、市内にある体育館を使用し、イベントを開催しているのだが、25年2月のイベントでは、昨年の電力使用量を考え、発電機を3機(15A×2口を2機・20A×2口1機)使用し、館内使用量の調整を行っていた。
イベント開始から30分後「電力会社から電力使用量低減の要請」が体育館にあり、今まで、こちらの体育館を使用してイベントを行って来たが、電力使用量の低減要請を受けたのは、初めてである。急遽、体育館内の照明を半分以上落とし、ステージのみの照明として、対応し、日中のイベントなので、無事イベントを終了することができましたが、どうして、大容量を使用できるはずの体育館の電力使用をおさえなくてはならなかったのか、疑問に思い、今後のイベント対策や、緊急避難所としても使用される予定もある体育館であるので、
東電に問い合わせることにした。
東電の回答
 東京電力からの回答は、驚くものであった。
「該当する体育館は、東京電力との電力供給契約は無く、東電の幹線からの電力供給は行っていない」との回答がありました。
PPS要件を満たしている太陽光発電所として、再度どう言うことか説明を求める。(一般の方では、このレベルの質問には電力会社は回答する事はありません)


該当する体育館は、PPSから電力の供給を受けているので、そちらの電力供給制限を受けていることが判明した。


体育館担当者レベルでは、電力は全て、東京電力から購入していると思い込んでいたらしい。
今度は、行政問題として、PPSの使用方法を検討しないと、いざと言う時に電力が、今回と同じように使用できない場面に遭遇するので、契約を注意する必要がある。


周辺調査、


体育館は、高圧受電で6600Vからキューピクルを経て管内に電力を引き込んでいるので、需要電力量を充分満たすことができる設計になっており、なぜ電力の使用制限を受けたのか、天候は快晴で、昨年よりも気温も暖かく、周辺の電力使用量が急激に増える施設は体育館以外見当たらない。
当日、周辺での大規模イベントの届け出は、私たちだけである。


体育館の周りを確認したところ、すぐ後ろに太陽光発電所が出来ていた。
できたてホヤホヤ。売電専門の発電所。



写真でも、右下に見えるのが体育館、距離にして50m
イベント中は晴天で、気温が低かったので、沢山発電していたはずである。
その有り余る電力があるのに使用制限を受けた体育館(右下の建物)


PPS契約をしている、体育館管理に問題があることが、今回のことから判明致しました。
イベント開催から思わぬ問題点を見つけることになりました。


(タップ調整の可能性もあったので、あらぬ心配もありました)

○ 太陽光発電所建設ラッシュ注意事項



今回(H24)の固定価格買取り制度の決定により、随所に太陽光発電が設置されだしたが、それに応じてトラブルも生じている。
まずは、何処でも太陽光発電が出来ると思っている方が大半であることである。


太陽光発電所を運営するには、必要条件があり、それら必要条件の中で運営して行くことが求められるのです。(電気事業法を無視した契約横行)
土地の所有者や設置者に、太陽光発電設備を販売することだけを説明して
その他の重要な説明を省き、低価格の商品の販売を押し進める業者
トラブルの中にあるのが、太陽光発電設備と設置場所・太陽光発電設備と系統連経費用が主なトラブルの原因である。
太陽光発電設備を設置する場合は、概ね整地してある場所であることが求められるのだが、太陽光発電設備工事・整地工事・系統連系工事費は別々の工事であることが、通常の販売業者の認識です。
一方、設置者(所有者)側は、太陽光発電設備工事を発注すれば、整地工事と系統連経工事も含んでの価格と認識し易く、トラブルが発生している。


私どもでは、これらのトラブルを未然に防ぐために、設置者(所有者)になられる方の説明時に同席(業者依頼)して、それぞれについてアドバイスを致しております。


特に、電力会社と発電所を結ぶ、系統連系の申請は、所有者となられる方のお名前が必要で、こちらの工事費は、電力会社からご本人に請求されるものであって、別途契約であり、必要費用も電力会社幹線との距離や容量により、系統連系事の価格が一定でないことをご説明申し上げております。
また、連系点(電力会社と結ぶ)距離が、長くなると設置工事費がかさむのであきらめていただく場合もあることをご説明申し上げております。

○ 太陽光発電所建設時の契約の前・確認事項



これは、私どもが同席しない場合についての注意事項です。
今回の、固定価格買取り制度では、10kWを超える発電設備については、太陽電池の種類、仕様に関しては何ら規制がありません。
ここでは、大規模な発電所建設の費用対効果を優先して、設置市場価格の低価格化により、発電コストを下げる目的があります。
ここに注意点があります。
特に使用している太陽電池の多様性に問題があり、せめて使用する太陽電池には、国際認証・CE・ ISO 9000・ISO14001認証や環境リサイクル認証 PV認証などがあり、最低でも6種類以上の認証を持っている製品を、お選び下さることを御勧め致します。
これらは、後々、太陽光発電所を処理する場合には所有者責任で処理をすることになりますので、ご注意申し上げます。(リサイクルマーク)
またこれらの認証マーク等がない製品は、価格が低価格なため、安易に使用されておりますが、品質保証がないと、発電能力が低下した場合に補償の対象にならない場合もありますので注意が必要です。
私どもの経験から申し上げますと、電池製造販売世界ランキング上位50社以内で、太陽電池製造に10年以上携わっている会社を御勧め致しますが、この業界の特徴として、一夜にして会社が無くなることもあるので、それらの情報も所有者になられる方は確認された方が良いと思います。
(太陽光発電の月刊誌等も沢山ありますので参考にしてください)


国内メーカーでも20年以上の実績を持つのは3社しかありませんが、国内企業の場合は、中小の歴史があるので、ある程度の安心は出来ると思います。



○ 太陽光発電所建設後の施設管理注意事項



太陽光発電所の建設時や設置後の施設管理注意事項に対応必要事項が多数あり
これらを施設管理注意事項としてお教え致します。
まずは、大規模な面積を使用している場合は、施設管理の法律が摘要されますが、一般の小規模太陽光発電所(50kW未満)については、全てが管理者(所有者)の責任になります。
その施設がある事により生じた問題には、所有者が責任を持って対応することになります。特に、事故等が発生した場合は、事故発生に対しての即応性や対応能力が、所有者に求められ、敷地内に侵入した物による感電事故の防止策を取っていたか、感電の危険性を知らせていたか等が大きな問題になります。
個々の太陽電池等が破損した場合は、所有者自らが復旧作業に当たることになります。
今回、多くのところで販売されている50kW未満の太陽光発電所については、個人所有が大半なので、敷地管理も個人で行わなくてはならないいが、敷地内に発生する雑草の駆除作業に農薬を使用する事を考えている場合は注意です。


※ 太陽電池が敷地内に有るところでの除草剤等の薬品使用は太陽電池の寿命   
  を縮めることがあり、最悪の場合は太陽電池の発電能力を奪う事にも繋が  
  ります。
太陽電池の裏側にはバックシートがありますが、これらが薬品等で急速に劣化する事が判明しております。ですから、太陽光発電所内では除草剤の使用を控えた方が、より長い期間安全運転に繋がる事をお知らせ致します。
特に、アンモニア等には腐食作用が大きいので注意が必要です。




このように、太陽光発電所設置には、沢山の問題がありますので
設置者(所有者)としての責任があることを忘れないでいただきたい。

2013.03.15 浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男