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2013.04.23 

耕作放棄地解消へ新機構 農相方針 国費投入、賃借を仲介と、
華々しく、農業の競争力を強化するための機構成立と発表

しかし、この発表を言い換えると こう言う風に言い換えることもできる。


「大規模農法を実現するために、退官まじかな、大量退官者の受け入れ先として機構を成立して、TPPの対抗策銘打ち、退官者の大量就職先機構を成立する」


と、小規模多種少量生産高効率運営の農家からは見えてしまう。
日本の耕作地の特徴である、地域に密着した多種少量生産の高効率農法
を理解しない、TPPの威を借りた、土建、大規模農法の選択である。


確かに、中小の平坦な場所の農地は、大規模化して作業効率を高めて、生産性を上げることはある程度は可能である。しかし、今回のTPP対象国の中での一戸あたりの平均農家の耕作面積を比較すると、日本の農家の耕作面積は、最も耕作面積が少なく、良く言われる日本農家の平均耕作面積50アールと言われるが、私が知る限り、アメリカの小規模農家は2,000エーカーと言われるので、単純に計算すると40倍の面積である。(大規模農家はこれ以上に広い)
大規模化で、対応できるとしている、今回の新機構の考え方には、日本の特徴である中山間地域で、高低差がある農地を利用しての小規模農家からすると、疑問が生じるのです。
また、大規模化を目指す農家や農業法人に集約した農地を貸し付けるとしているが、作業効率や農機具等の消耗を考えると、高効率な平坦地の優良農地に特化され、ますます中山間地域の非効率な農地は置き去りになることになる。
(資本投下から考えれば、簡単に判断がつくことである。)
「大規模農業土木工事事業の推進の新機構の姿勢と、退官者の受け入れ先としての国税の投入には疑問があり、日本の農業のためにはならないと考えます」


私は自然エネルギーを利用した高効率の中山間地域の農業として、1997年より、農地での太陽光発電を研究してきた結果、農業と太陽光発電の組み合わせは、日本の中山間地域の農業には最適な有効な手段であることを確認しています。





(中山間地の畦畔を利用した太陽光発電所設置 事例)


中山間地にある、耕作できない農地、畦畔部への太陽光発電の導入を進言する者です。詳細については、現代農業や季刊地域(2012.No.10)にて発表した通りです。


それに対して、農水省の回答は、一時的な転用利用を認めた、一部の限られた、農地にしか適用されず、随所で20アール規模の農地転用が中山間地域で発生する原因となり、中山間地域の農地の減少に貢献する結果となっている。


原因は、太陽光の買取制度の充実により、中山間地域での農業経営よりも、太陽光発電所を経営した場合の収益が勝り、有効に土地活用ができるからです。
20アールの農地からは、いくら研究しても、年額200万円の収入は上がらないのです。太陽光発電だと、設置して売電ができると、それが可能になるのです。


高齢で、農業経営に悩んでいる家庭では、自己資本があれば直接設置して、太陽光発電を導入する農家が出てきています。農地が必要になれば、撤去して農地に簡単に戻すことができる工法で広がっています。
このやり方では、優良農地も減少することに繋がりますので、私たちは機会があるごとに、農地での太陽光発電は
『農地面積の20%以内で行い、約80%の耕作地においては農業の根幹である農業生産を実施する』このことにより、農業生産力を維持しながら農家の経営も成り立つようにして、農家が太陽光発電を農地で実施する場合は、届け出と、農業生産の照明をすれば、農地での太陽光発電を認める。このようにと、幾度となく農水省と交渉を進めてきましたが、旧体制の農業政策に阻まれ続けてまいりました。
農業と言っても、最後は経済論理になりますので、如何に安く、安定供給と言う面で行くと、TPPにおける農業政策面では、海外の農家に価格面では太刀打ちができません。
日本の主食と言われているお米で比較します。日本の、コシヒカリをアメリのカリホルニアで生産した場合、1kgあたり150円で輸入可能と言っておりましたので、国内産のコシヒカリ10kg当りの平均価格4,500円とした場合、カリホルニア産だと1,500円になる訳です。しかも、ASEAN圏で生産をすればこれ以上安く生産することができます。国内の食品メーカーが海外で、日本基準で生産したお米等がスムースに流通する可能性もあり、消費者の消費行動も大きく変化することが予測でき、国内生産の農産物は、限られた品目になる恐れがあり、大規模農家では太刀打ちできない小回りの経営戦略が求められます。


大規模農業の失敗例
国税を大量に投入して、大規模農場を作っても、農業生産に係る経費で、外国の農家には太刀打ちできず、大規模農場の荒廃例があります。


「日本国内での大規模農法の失敗例は、国策で押し進めた、国内に点在する大規模干拓地の農地荒廃がそれを示しています」


大規模農地では、資本主義が最重要課題で農産物の生産が行われ、偏った技術生産に移行するので、国内においては、常に資本投下が必要となり、農業法人の経営基盤撤退に繋がり、補助金が無くなると、それらの農業法人は撤退し、残ったのは大量の負債と、荒廃農地。


慌てて、大規模太陽光発電所を検討しても、その頃には固定価格買取り制度は終了しているので、採算は難しく、外資を導入する方法しか無くなり、この時点で日本の農業生産は壊滅し、個人菜園と自家用栽培の農家が残る程度になり
日本における、農業生産に関わる農水省は名前を変えて、食料省になり、主な仕事は、海外からの輸入農産物の取り扱い業務のみになって行くことになる。


世界を見れば、人口増加率は上昇して行くのに、日本では産業従事者の人口が減少し続けています。これは、日本の人口が減少の一途をたどり、50年後には私たちの住む、中山間部で農業を続けている人は、100戸に1戸程度になることが予測でき、ほとんど中山間地域では農家が無くなることを意味しています。
現実に、私たち地域にある70戸の農家にここ10年ほど小学生がいないのです。
小学生がいたとしても、農家では無いお宅で、しかも移住して来たお宅
あとは、お孫さんがいるとしても、都会におられ、戻ってこられる保障は無くただ、衰退するにまかせているのが現状です。
この地域に、若者を呼び寄せるには、それなりの産業構造が必要で、その産業構造こそが、農家が自由に然エネルギーを利用した、農家主体の農業生産が行えるシステムを作り出すことです。


例としては、
農地の一部を、一定条件の下で太陽光発電を行い、それと同時に農業生産を行う。農地に張り巡らされた農業用水路や河川を利用した水力発電等の規制の緩和を行い、農業従事者の経営を認め、収入基盤を安定させ、収入安定により中小農家の生産力を上げることで、農業生産力の全体をアップさせることが可能です。これらと同様に、地域特性(バイオマス等)に応じた、農業技術継承の農業政策を実施し、新規就農者の安定雇用に繋げることで、中山間地域の農業を育成、伝承する。
これが、緑の大地日本国土を守る戦略なのです。


国土を守る選択をしないで、大規模化ばかり叫んでいると、これから起こりうる気候変動には、狭い国土の日本では対応できないのです。


補助金失敗例
農家への戸別補償制度の充実
戸別補償制度のおかげで、大規模農家においては、転作を実施し、本来の作物よりも、補助金収入が多い作物へと移行して、転作を実施したために、私たちの地域で実施していた、蕎組合は大打撃を受ける結果となりました。



小規模農家が集まり、組合を作り、蕎作りで一大産地を形成したのですが、耕作地の広い場所にある農家が、作付けを蕎に切り替えたために、風味を主体として成り立っていた蕎が、大規模農が生産した形の良い大型の蕎に市場を奪われ、大幅な価格下落をしいられ、組合の存続すら危惧される状況に。


これと同じ、事例が他の作物でも発生し、国内で多発することになるでしょう。
TPP対応策としての大規模生産者農業は日本の農業に合っているのでしょうか?国の大規模農家への補助金ばらまき農業になる恐れがあるのです。


私は、大規模農業は平地では可能であるが、中山間地域には向かない誤った選択であると思います。農業経営面で見ても、維持経費が平地に比べて、3倍ほどかかり、経営を圧迫するので、中山間地域では大規模農業よりも規模を縮小して、他の産業生産と組、農業プラスαで行くべきです。
中山間地域の農業こそ、日本の国土を守る要なので、農家が自然エネルギーを利用した、農業経営が営むことができるように、農地法の解釈をシッカリとして、先にも紹介致しました、農業プラス太陽光発電や農業プラス水力発電
農業プラスバイオマス利用等を、農家が申請すれ簡単に実用できるようにして
農家の経営が安定する政策をすべきです。


10年後には、中山間地域には農家が存続できない、農業従事者が不足することがハッキリしているのです。政府は、このことを真摯に受け止め、早急な対策を取らないと、日本の食料生産力は、壊滅的なものになることを肝に銘じる必要があります。



2013.0424
浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男



今回の、耕作放棄地解消への新機構の考え方に対しての、中山間地域の農家としての、考え方をお知らせ致しました。
本文中の、誤字、脱字、が多々あると思いますが、感情のままキーを叩き、文を走らせましたので、乱文等ご理解いただけたならばと思います。