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2014.2.14豪雪被害3(積雪移動荷重による太陽光発電架台被害)
(太陽光発電所の崩壊(運営機能の停止)) ※浅川太陽光発電所発

2014.03.28

2.14豪雪は、山梨県に一中夜にして、1m以上の積雪をもたらし、私どもの住む北杜市も例外ではなく、150㎝を超える積雪が市内各地に点在する太陽光発電所を襲い、多くの発電所が被害を受けました。
残雪が無くなった地域から、順次、北杜市内の太陽光発電所の被害調査を今回実施し、皆様が今後、太陽光発電所を建設する時に参考になるように思い
雪害の被害メカニズムと、被害共通点をお知らして、今後に役立てていただきたく、浅川太陽光発電所からの豪雪による被害情報を発信するものです。
当初、皆様に報告致しました、こちらの倒壊した発電所は
01.png豪雪後
1週間後


02.png3月25日撮影(下)



このように完全に片付けられています。基礎のコンクートの横に人がいますが、この大きさのコンクリート塊を持ち上げるほどの豪雪の力が信じられません。

また、構造が違う、単管パイプの留め金(クランプの)取付け不備が原因で、傷ついた発電所は、調査に行った時は、そのままになっていました。

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他の、発電場所では、構造が、スクリュー杭と、アルミ架台を組み合わせた
太陽電池架台に被害が集中していますので、それらを紹介致します。
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こちらは、完全に片付けられていますが、積み重ねられた太陽電池パネルの取付け部分のフレーム穴が変形しているのが確認できます。
太陽電池パネルの損傷は、重ねられている方向が裏面なので、表側のガラスの部分で、どのように損傷しているかは判断致しかねます。
しかし、極端に荷重が懸かった部分については、マイクロクラックが太陽電池セルに発生していても、通常は判断できませんので、これらのパネルは廃棄処分にするのが懸命だと思われます。設置業者は、事業主との契約にしたがい速やかに対応をする必要があると思われます。(自然災害保険等が掛けてあれば)

造成間もない所での設置事例
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こちらの変形原因は、基礎部分がスクリュー杭であるのと、変形している部分が繋ぎ手の部分であったこと、基礎スクリュー杭がN値(地盤の支持圧)を確認せずに設置したもので、設計者と設置工事事業者の技術力不足と思われます。
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特に、系統連系前の発電設備に多いので、事業主との契約内容に沿っての保障となるので、施工業者側も事業主側も莫大な損失になっていると思われる。

では、実際にはどのくらい雪の力がすごいものであったのかを、確認できる実例がありますので、紹介致します。
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08.png送電用の電柱も折るほどの雪の重みです。(08)
このように、電柱の1/3の所から
ポッキリと折ってしまうほどの力が
豪雪により雪の移動で発生したわけです。



太陽電池パネルの全面では、こちらと同じように雪が傾斜に沿い移動した重みで、捻れ荷重が発生して、基礎部分のスクリュー杭をねじる力が発生して倒壊の引き金になる場合と、雪の移動の重みにより、荷重が集中したため、スクリュー杭の抵抗が無くなり、沈み込み現象が発生して、変形や倒壊に繋がったと思われます。
特に、N値の計測を行っていない業者、N値の意味を理解してない業者や事業者は、埋め戻しの場所や切り盛土の部分でも、設置単価が安価なスクリュー杭や小口径の単管や杭を使用している場合があり、これらの場所は、今回の豪雪で太陽電池架台が変形している箇所が多数ありました。
(特に地盤形成が成されていない造成地に多発している)

南向き斜面を造成し、設置された太陽電池群
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小口径のスクリュー杭を使用したために、豪雪の重みで歪んだ太陽電池アレイ

これらは、大手の業者でも見受けられ、大部分の場所は地盤形成がなされた場所上部に太陽電池を設置してあったのですが、一部地盤形成を行っていない傾斜面では、地盤形成がなされた場所と同じ工法で、太陽電池架台を設置した場合は、このように豪雪の被害を受ける結果となっています。
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真ん中が、豪雪の移動荷重で、沈み込実変形しています。
使用している横筋が確りしているので、なだらかな変形になっているが、太陽電池パネルには、よじれが発生しているので、太陽電池内のセル(1枚の太陽電池)は薄いので、変形にたえられなくなり、クラックが発生しやすくなり、将来的にはクラック(ヒビ割れ)やPIDの発生につながる恐れがある。
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上部の地盤形成を行った部分の太陽電池には、変形は見られないが、斜面の地盤形成を行っていない部分に、設置した太陽電池には、波打つような変形が認められる。地盤の支持圧を示すN値の大切さを、今一度、施工時に考えてほしい。
特にN値の意味を知らない施工業者には要注意です。

また、単管パイプや小口径のスクリュー杭の基礎は、太陽電池面に降り積もった雪の重さで沈下が激しく、被害を増大させていましたが、
北杜市内にある北杜サイト太陽光発電所にある大口径のスクリュー杭の基礎の場合は、沈降は一切見られませんでした。

北杜市にある、北杜サイト太陽光発電所2Mは全て、大口径のスクリュー杭で基礎を構成していましたが、1m以上の降雪にも、何ら変化を受けていませんでした。やはり地盤を確りと捕まえている、大口径のスクリュー杭の有効性が実証されました。被害を受けた施設の多くは、小口径のスクリュー杭を使用した施設で、何らかの被害を受けていました。また、くい打ち方式や単管パイプ使用でも、N値を無視した施工を実施した所には、豪雪の被害を受けていました。
北杜サイト太陽光発電所の大口径スクリュー杭基礎は、3.11の地震時にも、震度6弱の揺れを経験していますので、安心して経年経過を観察できますが、今回、豪雪で被害を受けた、置き基礎コンクリートや小口径のスクリュー杭基礎は、地震に対しては全くの未知数なので、長期震動や横揺れなどに対しては、共振作用の発生が心配され、構造上の心配が残るところです。

不安がある太陽電池設置架台の施工例
小口径のスクリュー杭を使用
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捻れ方向への荷重移動に対しての、対策が成されていないと思われる架台。
この勾配だと、台風などの強風時に、雨風の抜け道が塞がれるので、風雨に対応した、架台配列への対応が必要と思われる。また、今回の豪雪に対応して、架台高を上げているように見えるが、地上高と太陽電池パネルの取付け位置が高くなると、風に対しての対策が必要になるが、太陽電池パネル取付け面積に対して、基礎部分の取付け方に強度不安が残る設置方法です。
また、傾斜のあるかなりの、広い面積に設置してあるにもかかわらず、排水路の整備は、なされておらず、周囲を縦断している河川への土砂流出が心配されるところです。何事も無く、20年以上の耐久性があることを祈りたいところです。

北杜市には、沢山の太陽光発電所が点在しており、それぞれが特徴ある設置をしています。
将来は、その中から、地域に合った、最良の設置方法が生まれてくるのではと思っております。

浅川太陽光発電所所長 浅川 初男2014.03末日

これらの情報が、今後の太陽光発電の発展に寄与することを願っております。