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太陽光発電ビジネス「固定価格買取制度」の充実と問題点P-2
太陽光発電所ビジネスは儲るのか?・・20年間を振返るP-2

浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男
2014.06

前回、太陽光発電所ビジネスは儲るのか?を、ご紹介致しましたが、
今回は、どのような事に注意が必要かと言う事をお知らせ致します。

固定価格買取制度で、太陽光発電所の設置ビジネス条件として、当初の登録制度は、一定条件が、付されていれば、誰でも、太陽光発電所の開設申請をすることができ、爆発的に申請がなれました。
ここには、落とし穴が存在しており、土地や建物の所有者の承諾もなく、第三者が、勝手に申請を行い、事業IDを取得しておき、後から土地や建物の所有者と交渉をするという悪徳業者や、同一場所で複数の業者が申請する等の出現により、実現不可能な場所で、事業IDを取得しておいて、高額買い取り、事業IDを第三者が、新規参入者に売り渡すと言う本末転倒な、構図が出来上がってしまい、本来の再生可能エネルギー利用発電を広める目的とは、違ったものになったので、事業ID取得後、一定期間内に発電所の建設に着手しなければ、事業ID*を、取消す、と言う処分となったのです。
(*取消には、条件があり、正当な理由がある場合は、一定期間の猶予がある)
それと相まって、各年度ごとに固定価格の買取り金額を下げて行く事で、事業者の責任と管理を充実させて、再生可能エネルギー利用発電所の建設コストを下げて、それに伴い、発電単価の値下げを実施することに繋げる事で、より一層の再生可能エネルギー利用発電所を広めて行くとしている。

しかし、本当にそれで巧く行くのでしょうか?

再生可能エネルギー市場の現状は、鉱物資源や埋蔵資源等を運動エネルギーに変換し、電気エネルギーを得たり、物理的エネルギーを効率よく電気エネルギーに変換して、成り立っている市場なので、1つの方法に執着するのは、市場形成から行くと終息につながりますので、幅広い分野での再生エネルギーの利用方法を開発して行く事で、新たな市場が形成されて、より良い再生エネルギーの利用方法を模索する期間が、再生エネルギー市場の活性化になっている。

私どもの、ホームページを御確認いただいておられる皆様は、太陽光発電ビジネスとは何かを御理解いただいておられると思いますが、今一度、太陽光を利用した発電を例に、市場形成や問題点を、浅川太陽光発電所の20年間の発電経験から太陽光発電ビジネスの経過を紹介致します。

気候変動と温暖化

1980年代から環境問題に興味を持ち、クリーンエネルギー源の必要性に思いを寄せ、燃料電池の利用に活路を見つけ出し、電気エネルギーと熱エネルギーの両方を利用できるシステムとして、知識を蓄積して行くと、1990年代では、現状のシステムでは、一般家庭への導入は、大型すぎと、価格に無理があり、装置の小型化が急務の課題となり、当時の技術力では、実現が難しく、不採用の結論になり、他の物を探る結果となりました。

「燃料電池の小型化は、2005年頃までかかり、現在では、一般家庭にも導入でき、太陽電池と組み合わせて、給湯・電力供給システムになっている。売電可」

そこで、注目されたのが、太陽光発電システムですが、1990年代は燃料電池同様、システム価格が高額で、一般家庭への普及は困難かと思われましたが、技術開発が進み、一般家庭用に販売できる価格として1,000万円で販売すると発表されましたが、これでは、高額すぎて販売ができないので、1993年、3kWで600万円の価格ではあるが、この内1/2を補助することで、1994年一般住宅への補助金支援と生産規模に応じて、価格の見直しと同時に、一定年度ごとに補助金見直しを実施し、一般住宅用太陽光発電システムの普及を目指すことになったのです。

現在の、固定価格買取制度も、この主旨に従った内容で、形づけられており、違っているところは、国の補助金ではなく、電気需要者(一般家庭を含む)からの、電気料金で、固定価格買取制度を維持している点である。
今回の、固定価格買取制度の充実により、急激に太陽光発電ビジネスが沸き起こり、固定価格買取制度の基盤になる消費者の電気料金に加算して、再生可能エネルギー発電促進賦課金等として、電力消費者から均等に徴収しています。
再生エネ賦課金は、再生エネルギーを利用した発電所の出力が増えると、再エネ賦課金も増えるシステムなので、固定価格買取制度においては、再生可能エネルギー発電所等からの買取り期間の20年間の価格は、各年度ごとに見直しがなされ、現在では1kWh当り約32円となっている。

太陽光発電ビジネスが儲るには、発電所の設置価格をいかに抑えながら、いかに安定した電力生産を、続けるかに焦点が移行していることに、狂乱した個人投資家は、あまり気付いていない。
安価な太陽光発電所建設単価に飛び付く傾向にあり、20年と言う年月に耐えうる発電所の建設へとは、考えが向いていないようで、自然からの猛威をまともに受けた、脆い太陽光発電所設置に狂乱しており、結果として、発電まもない太陽光発電所の崩壊に繋がっている。

私たちの地域では、降雪による被害が発生、経験不足の設置方法により壊滅的な被害に遭っている。
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CIMG2933.JPG降雪 CIMG2369.JPG
これらは、安易な建設や、安価な設置方法で建設した結果なのです。
地形や、地質、地域特性を理解しない、設置がまだまだ続くと思われ、安易な考えで、設置をすると、多大な損失を招くことと、経験が無い業者が建設しているので、アフターケアーがなされない場合が多くなることが予想されます。

私どもが、アドバイスする用件を例にし、お話をすることに致します。

儲るための条件1

安価な太陽光発電所の建設方法での注意

一般の方の多くは、インターネットを通じて業者を選定するのが多いと聞いておりますが、ここには、危険があり、そのリスクを承知での業者選びでしたならば、問題は無いはずですが、雪害のように壊れてしまった発電所の復旧は誰が、行うのかと言うことになります。引き渡しが済んでいれば、発電所の所有者が全てのリスクを負うわけですが、引き渡し前だと、設置業者が負うことになるのですが、当初の、気象条件をも超えてしまったための崩壊では、一概に業者責任を問うことはできませんが、同一地域に有る、他の発電所が壊れていないところからすると、これは、設置業者の経験不足と、情報収集能力の無い業者と事業者が、設置したために、壊れたと言え、業者と事業者、両者の責任と言えます。安価な場合は、このようなリスクが存在することを一般の投資家はご存じないようです。
では、どのような条件で、太陽電池を決めるのか!!

  • 立地条件に合った太陽電池の選択。
  • 条件1、太陽電池の価格・性能で決定する。
  • 現在、主流の太陽電池は、太陽光を電気にかえる変換効率が高いものが主流で、発電効率が高い分、設置面積が少なくて済む利点がありますが、太陽電池単価としては、価格は高くなります。
  • 狭い土地を、効率よく利用するのであれば、高効率の太陽電池を使用して、発電電力量を増やすことで、高価格の太陽電池の設置をする。
  • 広い面積を利用できるのであれば、高効率の高価な太陽電池よりも、発電効率の低い(旧タイプ)、太陽電池を利用して、価格が安い分面積を有効利用して、安価な太陽電池を多く配置して設置価格を抑え、発電力量を増やしてゆく。

大きく区分すると、この2つに集約されると思います。

  • 選択した太陽電池が、地域環境に合った物であるか。
  • 条件2 太陽電池の設置方法 直接設置と架台設置

※ 太陽電池架台は、どの点に注意が必要か!!

太陽電池設置架台は、一般にコンクリート基礎を用いた物と、金属杭を用いた物に別れているのが、現状です。

  • 短期工事では、金属架台が、工期が短く、設置期間を短縮でき、早期の発電開始ができるので、準備期間の借り入れが短くて、早期、投資金額の回収が可能である。但し、地質によっては、大きな自然災害を受けることになる場合があるので、地質には注意が必要である。
  • コンクリートを使用する場合は、形状にもよるが、工事期間を短縮しようとして、基礎部分の面積を少なくすると、自然の驚異を受けやすく、基礎工事を大きな物にすると、安定はするが、工事期間が長くなるのと、工事単価が上昇する。不安定な地盤でも、比較的安定した架台が設置可能。
  • 資材による注意事項として、使用部材の強度を確り計算していないと、降雪時や、強風時に思わぬ力により、部材が曲がったりして、太陽電池の破壊に繋がる。
  • 地質、地形等を考慮しない設置は、太陽光発電所設置後、数年以内に周囲の環境に対して、雨水等により、土砂の流出を起こしているので注意が必要である。
  • 地形で雨水による、冠水被害による、感電事故も予測でき、対策が必要。
  • 「注意点としては、太陽電池は、光りが当たれば、発電をしていますので、太陽電池パネルの接続数により、電流・電圧が高い場合は、冠水がなくなってから、システムの復旧にのぞみましょう」「発電施設は冠水が予測出る場所に設置してはなりません」
  • 直接設置の場合は、建物等の強度「対震・降雪」検証を確実に行うこと。

※ 用地確保について

太陽光発電所の運営上は、自社の持ち物である土地や建物の上に太陽光発電システムを設置するのが、税制上や資産管理上で優位であることは、間違いが無く、今後、10年以上の使用、用途が決定されていないのであれば、太陽光発電システムを導入して、資産安定化を図るべきである。
借地等で、太陽光発電所の運営を考えている方は、借地料金と借地期間の問題があり、固定価格買取制度の買取り金額によっては、投資を控えるか、安価な太陽光発電所建設で対応すべきとろに、近づいて来ている。電力の買取り価格が、1kWh当り30円を切ってくると、借り入れを行い、借地での太陽光発電ビジネスは難しい物になってくる。

太陽光発電ビジネスは、大規模に行えば、スケールメリットはあるが、個人投資では限度があるので、1kWh当りの買取り価格が、やはり、30円を切ってくると難しくなってくるが、自分の土地・建物で行う場合は25円付近が限度であるが、固定価格買取制度に属さず、PPSで行くとなると、話は別になってくる。
近い将来、火力発電所の発電単価より、低い価格で電力が供給できるのであれば、消費先が新規制度の選択制により、優遇されることになると思われるので、ここで、第2の太陽光発電ビジネスの飛躍点があると思われる。

太陽光発電ビジネスの良いところは、一般発電方式と比較すると、営業運転にともなう燃料費がかからず、運転費用がおさえられ、無駄な出費が極端に少なく、必要経費も、各年度後に一定しており、メンテナンス交換も10年程度の間隔でシステム交換をすれば良く、必要維持経費が抑えられることにある。

儲けるための経営戦略

太陽光発電ビジネスは、短期商法ではなく、長期商法で考えていただきたい。
最低、20年間(一般住宅は10年間)は、固定価格買取制度があるので、これを過ぎた時には、第2の太陽光発電ビジネスチャンスになることは、決定しているような物で、ここから20年間の間で、飛躍的に太陽電池の性能が進歩して、現在、主流の太陽電池の変換効率15%〜20%が、25%を超えたときは、現在ある太陽電池の入れ替えをして、新しい経営戦略を実施して、PPSとしての路線を確立できるように、しておくのが、先を見越した経営者と言えるだろう。

先行投資

こちらは、一般投資家や金融関係者には縁のない部分になるが、研究者的投資であれば、新規市場を開発できる。
私が始めた、農地での太陽光発電は、ただ、農地で発電するのだけではなく、農業と言う基幹産業にいかに、太陽光発電を組み込み、新規の投資市場を開拓するかと言うことで、利潤こそ少ないが、長期安定型投資先としての市場育成を行い、ともに安定した金利を生むことを目的にした物で、現在広がりつつある、ソーラーシェアリングは、ごく一部の考え方であり、農地での太陽光発電のごく一例です。私が提唱しているのは、日本国内の農地、特に、中山間地域の農業支援策として、また、農山魚村の活性化の起爆剤としての活用を提言する物で、これについては、一昔前に、荒廃農地への取り組みが地元テレビ局により放映され、最初放送は、1996年5月・続いて1997年12月に、その概要について発表しております。
また、農業関係の学会でも、既に発表済みで、将来の来るべき農山漁村の姿を自然エネルギーの利用から体系づけて発表してあります。
しかし、現在、農林水産省から発表されているこちらの方法では、農家自身が自ら、再生エネルギー利用を模索しても、現状に合わないものになっており、更なる改革が必要と思われます。
特に法律の主旨となっている文においても、「農山漁村において農林漁業の健全な発展と調和の取れた再生可能エネルギー電気の発電を促進・・・」となっており、現場が求めている農林水産業の再生に寄与するとは、なっていないために、限定的な部分、法律の解釈で、農家等を縛っている農地法の解釈まで真摯に考えていないと取れてします。
国の考えは、こんな感じで、再生可能エネルギー利用、立国としての国策には、ほど遠い物になっています。

農水25-4.pdf

農林水産省の再生可能エネルギー政策は、発電を促進するための措置としており、現状の変化速度にそぐわず、限定的なものになってしまう傾向にあり、大きな産業変化をもたらす資質がある、再生可能エネルギー利用を発電に限定しており残念です。更なる農業行政改革を期待致します。

今回、小規模太陽光発電所(50kW未満)の乱立により、不適切事項が発生したため、設備認定の見直しがなされました。
http://www.fit.go.jp/index4.html
ご確認下さい。

申請先が、7月よりJPEAにかわりましたのでお知らせ致します。
http://www.fit.go.jp

認定運用時の内容変更については、以下になりますので、ご確認下さい。
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/20140328_nintei.pdf

20140328_nintei.pdf


申請先を間違えないようにお願い致します。
50kW以上については、従来と同じ方法での申請となります。

太陽光発電に限らず、再生可能エネルギーの利用は、発電のみにこだわるのではなく、発電+にして、ビジネスを考えることで、多くの選択先が生まれ、その先にビジネスチャンスがあるもので、なくてはなりません。
太陽光発電ビジネスを考える場合、視野を広くし、個々の奮闘を祈るところであります。

次回は、太陽光発電のリスクとして、知っておきたい知識の学習方法や、考えられる太陽光発電事業のウイークポイント、について考えてみたいと思います。

2014.06.27
浅川太陽光発電所