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浅川第5発電所 発電終了(実験終了)2015.01

2006年12月より発電をしてまいりました、浅川第5発電所は、2015年1月をもって、足掛け、約10年間に及ぶ研究を終了して、発電所を撤去、本来の農地の姿に戻りました。

撤去前の姿  夏 冬

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撤去後の姿 2015.01

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2006年12月28日から農地の畦畔を利用した太陽光発電実験結果
総出力15.75kW、 年平均約21,000kWh 、月平均約1750kWhでした。
発電開始からの9年間で約189,000kWhを発電致しました。
日照時間に恵まれた、八ヶ岳南麓での好条件により、実証実験発電できたことに感謝致します。
今回の、撤去については、当初からの借地契約で、研究期間を10年で実施することになっており、工作物(コンクリート等)を一切使用し無い、設置方法で設置してあり、撤去については、雪に悩まされながらも、2週間と言う短期間で、撤収することができました。これが単管架台の優れている点です。
使用済みの単管を確認しましたが、大規模な腐食は発生しておらず、あと15年位は問題無しに使用できそうでした。(移設先検討準備中)
比較の為に、撤去後の地中に打ち込んでいた単管杭の状況を説明致します
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向かって、左が、水分の少ない畦畔に打ち込んだ単管で、右が水分を含んだ畦畔に打ち込んだ単管杭長さ1m物です。水分を含んだ地面に打ち込んだ部分は、錆が発生していましたが、杭として荷重を支えなくなるほどの重大な腐食は10年余りでは、発生しないことが分かりましたが、腐食性の強い地中成分を含む場所によっては、10年が一つの節目となることが判断できました。
今回の、買取制度の20年間では、水分の多い場所では、10年過ぎで点検が必要になるが、水分の少ない場所では、20年間の使用にも問題が無いことを確認できました。何故ならば、他の発電所が、同じ単管パイプで架台を作製してあるが、15年を過ぎ、まもなく20年目に突入しますが、点検の結果、現時点では、単管パイプの架台には、錆は有りますが、構造体全体に係るような問題は、確認できませんし、発生もしておりません。
最も注視する点は、9年間の間に、落雷に数回は遭遇しており、その内1回は架台に落ちたのを確認致しましたが、太陽電池本体と、PSCには全くの影響が無かったことです。単管架台がアース効果を発揮して、発電に支障をきたす機材のへ損害が無かったことで、単管架台の安全性に間違いが無かったことを証明できたことです。

農地での太陽光発電の可能性

浅川第5太陽光発電所の当初の目的、農業とミックスした太陽光発電は、現在各所で、ソーラーシェアリングと言う形で発展をしております。
当初のモデルとは形は変わりましたが、農地での太陽光発電の道が開けたことは、大きな収穫であります。また装置の開発においては、インターネットを使ったPCSと双方向の通信、太陽光発電の弱点でもある日照や幹線の電圧変動に対して、インターネットを使用して、通常の出力変動の確認や・出力調整の実験のモデル器が作製でき、他の実験場で、通信試験と出力変動に連動し、インーネットを介しての遠隔操作の実証実験ができました。
また、新しいパワーディバイスを使用したインバータの製作とこれを用いたインバータの実証器も連係でき、新しい道筋を描くことができました。
これからの太陽光発電システムの基礎技術に貢献できたことが何よりの収穫でした。

10年前・最初の状況

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撤去後の姿を見ていたならば、当初の借地契約をした頃の状況を思い出しました。露出石が畑全体に散乱している畑を思い出しました。
当時の様子・石がいたるところにあり
畑としては、これらの石を除去するしか方法が無く、自前で1ヶ月以上、重機で掘り起こしました。
最後は、体調を崩し、業者にお願いして整地を行いました。
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整地後の畑の中と周囲には、トラック数台分の掘り出した石の山が出現致しました。結局、9年間で、畑の1/2を耕作できる状態に戻すことができました。
特に苦心したのは、この荒れ地に使用されていた農薬で、作物による除染を実験した結果、除草剤の影響を無くすのに10種類ほどの作物を試しました。その中において、5年間ほど「ひまわり」を作り続けると、除薬効果が現れ、除薬作業に一番適切な植物は、ひまわりであったことを確認、結果、他の作物を作ることができるようになり、確実な除薬効果が判明するとともに、残留農薬の影響が無くなり、葉物野菜を6年後から栽培することができました。
当初、荒廃農地を農地に戻すには、除草、除木作業が必須で、これらの費用の捻出には、農地での太陽光発電を利用した方式(売電費の利用)が最適であることが分かりました。現在では、一部の荒廃農地で、ソーラーシェアリングも導入され、農地利用が進んでいますが、現在の農業政策下では、現状の農業生産方式しかできず、農地の維持に経費がかかりすぎて、農業生産まで考えると、都市に密着した一部の有益な農地利用の方法しか無く、益々、荒廃農地が加速して行くことが判断できます。

現在、山梨県内では特産品であった葡萄畑や果樹園に、太陽光発電の導入を検討する農家が多数あり、高齢化により収益率の下がった葡萄畑、市街地に点在する畑では、周囲から住宅が迫り、農薬散布が出来ない葡萄畑や果樹園を太陽光発電所に転用する姿を見ることができます。農業政策に臨機応変に対応していた農家が、自立をする為には、農業から一時的に距離をとることになる太陽光発電を導入し、農家が経営する太陽光発電所の姿が各所で見られる山梨県内です。

昭和の農業政策から取り残された桑園や田畑が荒廃し、荒れて山林化していた、荒廃農地、昨今の、太陽光発電ブームに乗り、その多くが転用され、太陽光発電所に姿を変えているのです。宅地化が進み、農薬散布等の農作業が困難になり、放置されていた荒廃農地の、薮が無くなり整地され、整然とした太陽光発電施設が点在しています。
太陽光発電を導入した農家の中には、防風林として使用していた赤松林が、松食い虫の侵入により、枯れて行くのであれば、防除方式として太陽光発電所を建設して、松食い虫の進行を止めたところや、有害獣の侵入により荒れ果てた農地に、太陽光発電所を設置し、有害獣の侵入に対して緩衝地の役目を持たせたところなど、多くの農家が、実験的方法を試して、次世代に農地を受け継ぐべく、努力をしている農家もあることをお知らせしておきます。

私が実験を始めた当初と比べ、太陽光発電を農業に導入する法的基準等もできてまいりましたが、農家が求める形の農業生産に繋がる、他の産業とドッキングした農業政策、特にエネルギー貯蔵農業整備までは、理解されていなのが現状です。
今現在では、農業生産と太陽光発電がベストミックスした農業が、エネルギー貯蔵農業の現実に最も近く、農業システムとしては必ず必要なので、もうすぐ思わぬ形で現れてくると思われます。 

これについては、次世代の農家に託したいと思います。

2015年1月浅川第5発電所実験終了