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太陽光発電と地球温暖化対策 2017

浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男

近年、地球環境の気候変動がめまぐるしく変化し、数十年に一回とか、数百年に一回とか言われる、気候変動があちこちで起きている。

そこで、気候変動枠組条約締約国会議が世界各国を交えて開催された。今回は第21回パリ会議からのシナリオと京都議定書の違いを確認すると、今回のCOP21は、温暖化対策への取り組みが、世界各国が合意の基につくられていることです。
この会議において、日本は、2013年比で、2030までに温室効果ガスの発生を26%削減(2005年比では25.4%削減)しなくてはならず、私たちの生活と関係する家庭部門のCO2については、約40%の削減目標を上げています。
日本における、温暖化効果ガスの削減は、企業ベースでは、設備更新時に積極的に温室効果ガスを発生しにくい設備へと転換が進んでいますが、私たちの生活分野においては、省エネ部門は蛍光灯からLEDへ、電力は一般住宅の新築部門においては、自給型の太陽電池と蓄電池や燃料電池を組み合わせた物への導入が進んでいます。

また、日本の主力産業である自動車業界においても、電気自動車(EVカー)へシフト転換が、相次いで大手各社から発表されました。

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(ネット資料より)

これは何を意味しているか?

環境に配慮した自動車の開発が、一般家庭の温室効果ガス抑制に繋がることを
各自動車メーカーはCOP21の結果から知るところとなり、2030までに確実に生産体制を整えないと、マイカー取得台数各家庭1台と言われているので、家庭部門から排出される温暖化効果ガスの40%削減の大部分を占めるマイカーは、この基準をクリアーできる電気自動車(EVカー)でないかぎりは、各自動車メーカーは生き残れなくなります。国内での内燃機関を利用したエンジンの使用は特別な場合を除いて、残り10年余りで使用不能になることが予測・判断できたからである。

日本は、2030年までに、生活部門で約40%のCO2を削減しなくてはならず、その多くは、私たちが毎日、使用する電気を作り出す発電により温室効果ガスが作り出されていますので、これを少なくすることが求められています。
最も簡単に削減するには、原子力発電の再開ですが、災害国日本において、原子力発電所を稼動させることにより、3.11災害を上回るリスクを選択することになり、現在の国際状勢から言えることは、テロの攻撃目標を安易に増やすことにもなり、リスク(処理問題も含め)の上乗せになります。
これらのことに配慮すると、自然エネルギーを利用した発電事業の開発と高効率化を図り、安定した電力網の構築が必要になります。
私たちの一般家庭での削減方法は、既に導入が進められており、将来は全ての家庭がこのようになると予想されます。(集合住宅を除く)

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電力網と一般住宅が独立し、自己の発電能力から余剰を電力網へと全ての時間帯で供給できることで、一般住宅からの温室効果ガスの削減目標は2030年にはこのような方法により可能になります。

炭素税の導入の道のり

このほかの方法としては、太陽光発電が始まった当初、導入時に検討されていた炭素税の復活です。炭素税導入により、企業等の温室効果ガスの抑制を迅速に進めることが予想され、今回は、全ての電力消費者は、一定の炭素税の対象になると、予想されることです。
当初は、太陽光発電を導入するに当たっての検討でありましたが、今回は、太陽光発電の導入には固定価格買取制度の協力金として、一定金額を電力料金に上乗せして徴収する方法が既にあるので、2030年までには、電力の使用量に合わせての、炭素税を徴収する方法になると思われます。
これは、一般家庭だけでなく、事業体や企業も対象となりますので、今まで以上に電力消費量の削減に努める必要になりますが、限度があるので、各事業体や企業・一般家庭も含めて、空いている場所には全て太陽光発電設備の導入と蓄電池の組み合わせが必要になりますので、ここ10年以内で、設備投資をして行かないと、2030年の温室効果ガスの削減目標に届かなくなりますので、各企業等は、具体的な準備対応策が必要で、経営はかなり難しくなってまいります。
この場合、太陽光発電により景観が損なわれる等の問題を定義する方がありますが、現在(2017年)の太陽電池に比べて、発電効率が26%を超える物が主流になりますので、発電に必要な面積は、現在の物に比べて半分程の面積で同等の発電が可能になります。従来の太陽光発電能力では、企業等の工場の使用電力に比べ、太陽光発電からの発電電力は微々たる物でしたが、次世代の太陽電池は市販ベースで約2倍の発電能力になるので、広い工場の屋根等に設置すれば、メガソーラー級にすぐになるので、経済性を比較すると、使用電力量に応じて炭素税で上乗せされる方式においては、発電して自家消費を減らしながら炭素税の上乗せを減少させる方式が経済的に確立できるようになると予想されます。

太陽電池の性能向上により、電気自動車は日中に太陽電池で充電した電力で走行が可能になり、昼間の停車時間の長い車程、余った電力を夜間等に家庭で使うことも可能なりつつあるのです。
このように、太陽光発電により発電された電力利用が盛んになるに従い、従来の太陽光発電は、設置後10年を超え、そろそろ設備更新や住宅用では20年を超えてきますので、安全基準上問題が生じてまいります。

住宅用太陽光発電設備の点検状況(設置配線トラブル編)

当初の、太陽光発電は、専門家が設計し、安全基準を各個人が設定し、資材等を選び、過度の安全対策がなされていましたが、固定価格買取制度が想定されはじめた頃から、電気技術者ではない職業からも、住宅用太陽光発電の設置に係る人々が増え、各メーカーは、ライセンスを取得した技術者により住宅用太陽光発電の設置に努めてまいりましたが、昨今、10年以上経過の住宅用太陽光発電を点検する機会があり、点検に同行すると、取り付けメーカーが既にない場合や、事業所が無い場合・電気店等、取扱業者が無くなっている場合に遭遇いたします。

○ 住宅用太陽光発電所を点検していて驚いたのは

1、太陽電池からの配線で、通常使っている単芯ケーブル線2本(+線 – 線 )になるところに住宅用配線複数(2芯)を使っていた例があったこと。
05.pngまた、このような、線間対電圧の違う線を用いて、太陽電池と太陽電池を繋いでいた例があったこと。


(ネット資料)
2、屋根裏をケーブル線が這い回っていたこと。(適切にまとめて止め処理をしていない)
3、まとめ処理をしているのだが、適切に固定してない物があったこと。
4、屋根伝の配線で、屋外配線に被服パイプを用いずに、折れ曲げを行い金属部分と接触していたこと。(被服パイプが難燃性でない場合があった等)
5、配線が雨水等に触れて被服部分に水が溜る可能性があり、結露や凍結に合う危険な配線がしてある場合があったこと。(長年の間に水分が侵入し漏電に)
6.太陽電池からの配線は通常、集電箱まで1本線で持って行くべきところを、接合部が数カ所みうけられる場所があったこと。
7、接合部を点検してみたところ、一般接合(100v)の電材を使用しており、接合面積の不足接合をしていた接合部分が大半であったこと。
など上げれば、きりがありません。

一般太陽光発電を導入されている家庭では、適切な時期に、お近くの電気工事店で直流配線工事を経験している電気工事師による点検をお勧めいたします。
特に、新しい太陽電池と設置交換する場合は、新規の配線工事を行い、安全確保をするようにしましょう。

大規模太陽光発電所に置けるトラブル発生事例

近年の太陽電池は、高効率かのために配線電圧が上がっていますので、住宅用とは別物になってきています。
発電電圧が当初は200v〜280vくらいであった物が、300v・400v・600vと上がって、現在では1,000vになってきていますので、配線接続には特に注意が必要になってまいります。太陽電池の配線に使用しているケーブル線はφ2.8mm〜φ3.8mmを線間電圧に沿って使用するのが通例ですが、それらが守れない場合や、接続時に線間電圧にそった圧着端子使用すべきところを、通常の断面積に置き換えて圧着している場合などがあり、結露の発生時に漏電を引き起こし、線火災に発展する場合があり、特に地中配線は、長年の埋設環境において、水の侵入が起こる場合があり、的確な点検が必要になります。
実際の写真がありますので、紹介いたします。

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こちらの写真は、結露により接続ボックス内でアーク地落が発生し、配線が炭化した例で、点検したところ、高電圧にも係らず配線を圧着した圧着端子が100v用を使用してあり、圧着も1回で、さらに防水処理がなされていなかったために発火した物です。配線が+−別個に接続してあるので、配線1回路の事故ですみました。

続いて紹介するのは、設置後20数年を経過した、地中配線屈折部で、水が配管に侵入して、長期の浸透水により配線ケーブル内で被服内に水が浸透して地落して、燃焼した例です。

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発火点は、確認できませんでしたので、地中部を確認したところ、深部で地落した結果、地表部で難燃材の配線管を高温で溶し、燃焼し、さらに破断した配線部に緑青が発生しており、長期に渡り地落したい様子が確認できました。
今回の地落は、同一管に+−の配線を入れ、長期に渡り水分を含んだ結果、防水層が老朽化したために被服からの放電が発生し、地落し、結果として、燃焼に至ったと言うことが判断できました。また、このような場合は集電ボックス内の安全ブレーカー等は、作動しないことがあることも今回、確認できました。
実際の、発煙時に対処した担当者から聞き取りをした結果、システムが正常に作動したために、主幹が漏電を感知し、落ちたことも推測、確認でき、全てのシステムに対し、新しい対処方法を見つけることもできました。
事故は、起こりにくい設計になっているのですが、地落の場合は、見つけにくいのが、今回の事故例で、新たな設計思想が必要なことが、わかりました。

今回は、太陽光発電と地球温暖化と題して、企業や個人が取り組むことができる発電部分の温暖化対策として、自給電力とその仕組みや企業の取り組みを紹介するとともに、年月を経過した太陽光発電システムでの事故例などを挙げてみました。これらのことが皆様のお役に立てればと思います。

機会があれば、情報の発信は行って行きますので、たまには、ホームページを確認いただければと思っております。

2017.09.01 浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男