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原子力保安院との質議に参加して              原子力保安院との質議


平成14年11月20日
時間 午後4時30分〜5時30分 
場所 経済産業省・地下鉄地下通路に面した1室
質議提案者 伴英幸

          質議内容及び質議事項

  1. 今回のスキャンダルを契機として、原子力安全・保安院を推進行政から切り離して、規制行政として独立することを求める声が上がっています。木村守男青森県知事も同様の発言をされたことが報道されています。保安院としては、このような発言をどのように受け止めていますか? 原子力発電の老朽化が進行する中で、安全行政はますます重要になってくると考えられますが、保安院の規制行政に携わる姿勢を示してください。

  2. 情報公開の重要性は、今回のスキャンダルでこれまでも増して強く指摘されているところです。保安院として、情報公開をどのように考えているのでしょうか?保安院の活動にとって不利と考えられる情報も積極的に公開していくのでしょうか?

  3. 1)  「東京電力点検記録など不正の調査過程に関する評価委員会」が中間報告を提出しましたが、その後、この報告の扱いはどうなっているのでしょうか? また、この報告に拘束力はあるのでしょうか?
    2)  同報告書の中で「専門人材の育成・確保および体制の整備」が指摘されていますが、これに対する具体的プランは立案されましたか、また、未定であるとすれば、プラン作成プランを示してください。
    3)  同報告の中で、(5)iii)に「地域住民などからの申告を処理するため」の体制の整備をうたっていますが、どのような意味から地域住民からの申告を挿入したのですか? 原案は事務局が示したものですから、そのときの経緯などを含めて説明して
    下さい。
    4) 同報告の事業者に対する指摘事項について、国はどのような対応をとっていくのでしょうか? 指摘事項に沿って、改善されたかどうかをチェックするのでしょうか?

  4. 1) 電気事業法改正案が出されていますが、3条を1条から分離させた経緯を説
    明して下さい。
    2) 同法54条に「経済産業省令で定めるところにより」の文言を追加していますが、これは何を意味するのでしょうか? 現行との違いを含めて説明して下さい。
    3) いわゆる「維持基準」について、規則、省令、告示などが整備されて、その基準で実施可能となる時期の見通しを示してください。

  5. 1) 日本機会学会のJSME S NA1-2000の改訂版がまもなく公表され、それには、シュラウドの検査、欠陥評価などが含まれていると聞いています。その内容は、東京電力が8月29日に公表した評価と同じものですか?
    2) 東京電力の欠陥評価では、シュラウドにおける亀裂の進展は、年間22mm(11mmが両側へ)となっていますが、これは、これまでの東電の発表による事実と異なっています。例えば、柏崎刈羽3号炉で、前回点検(98年)には傷はなかったと言っていますが、今回は3.2mに達していると発表しています。また、同2号は2000年12月から翌年3月までの第8回定期検査でシュラウドの全溶接線を調査して異常なしでした。
    それが、今回の検査で全周に及ぶひび割れが発見されている。これらは、亀裂進展予測が誤っていることを強く示唆しているが、保安院の見解をうかがわせて下さい。
    3) 亀裂の進展を予測する「評価期間」は誰が、どこで、どのように定めるのですか? 詳しく説明して下さい。

以上について質議を求めたのに対して口答で答えるものでした。

冒頭、出席者の紹介で始まりましたが、双方が全て口頭で紹介しために、原子力保安院の出席者の身分確認が出来ませんでした。

原子力保安院との質議に参加して、私なりに感じたことを述べさせていただきます。

現状の原子力保安院は存続必要無し、経済産業省は直ちに改革を行い、機能する機関にすべき !!!!!
の結論に達しました。

 今回の質議に出席した原子力保安院の態度は、午前中の質議に出席した資源エネルギー庁の皆様とくらべると、大きな違いが感じられるものでした。
私と同行した若者は、原子力保安院とのの質議は、ただ時間さえ消化すれば良いと感じられ、熱意や、品位に欠けているものであった、参考にはなったが、午後の時間をムダに過ごした気がした。と感想を述べていた。
私は、今までに数回の資源エネルギー庁との質議に出席しているが、質議に際しては、質議内容について、検討し、回答を用意し、質議が進行するものと考えていた私には、
今回の、質議に対する原子力保安院の質議・回答ぶりにはひじょうに驚いた。

原子力保安院の使命と任務は、第1に、事故・トラブルの未然防止あり、原子力等の産業活動に伴うリスクを正しく認識し、原子力安全・産業保安行政を確実に実行し、国民のみなさまへの危害を未然に防ぐことにあり、事故が発生した場合は、迅速かつ的確に対応し災害の発生を未然に防ぎ、損害の拡大を防止し、事故の再発防止に徹底的に取り組む。
以上が、原子力保安院の使命と任務と聞いているが、質議・回答からは、それらは、余り感じられず挫折感ばかり感じてしまったのは何故であろうか?

              質議・回答の一部抜粋
◎原子力保安院は中央にあり、実動は、地方事務局にある、そちらからの報告書が上がってこなければ、中央にいる私たちに対していくら質問しても返答のしようが無い。  と、とれる発言をくり返したことでした。
原子力保安院として、回答したものは、
◎原子力発電所の報告義務に違反した場合の罰則規程を厳しくした。
◎原子力発電のチェック体制強化のため人員の育成に努めて行きたい。
◎情報公開に際しては、できるものとできない物があり、一概には公開できない。
◎原子力保安院は、原子力発電実施者に対して、原子力発電実施者が実施した検査で、必要と認めた物については、提出を求めることができると思う。

 企業が定期点検や自発的に検査を実施し検査記録を持っていても、それらを原子力保安院に報告する必要は無い、ととれる発言である。
原子力発電を行うものは、原子力保安院が報告を求めた時に報告すれば良く、原子力発電所施設に異常事態が発生しても、通常は原子力保安院に報告しなくても良いともとれる。

◎原子力発電所の調査には、地方局が検査をやっているので検査内容等は、報告書が上がってこなくてはこちらではわからない。検査資料も膨大な量になるので、どこについて質問されているのか調査するのに時間がかかりこの場では回答できない。

 また、質議内容の「地域住民等からの申告を処理するため」についての説明は
◎今までの申告・告発スタイルでは、情報提供者の身元確認が容易にわかってしまうので
身元確認が容易にわからないように、広い意味に置き換えた。
ととれる説明で、「地域住民からの申告を処理するため」は実際に原子力発電所がある地域住民にはなんら関係のない条項のようにとらえている説明に聞こえた。
質議提案者である 伴 氏らが原子力発電所で使用されているここの部品強度について質問した時も、 伴 氏らは、時間とともに変化して行く部品強度の劣化をどの時点で危険とみなすか、交換時期についてたずねるが、原子力保安院サイドは、
個々の部品製造時の製造基準の説明に切り替えて、使用可能な対応基準には一切触れずすべて、個々の部品の製造時の製造基準の説明に話の内容をすり替えていた。

           シュラウドの検査について
質議の中でシュラウドの傷について、今回は、3.2mに達していると発表しているがと説明を求めると、
◎3.2mの傷は誤りで、検査機器の測定幅の中で傷が確認された部分を単に足して行ったらば、3.2mになったのであって、3.2mに及ぶ傷があったわけではない。
個々の傷はミリ単位の物である。

個々の数ミリ傷程度の傷やひびでは、原子力炉の運転には支障があまりない、全て新品の状態で運転できるわけがないので、傷くらいでは、原子力発電を停止させることはない。
と、とれる説明を終始続けた原子力保安院であった。

質議の内容はまだありますが、私なりに感じた部分だけの抜粋になりました。

以上。

最後に、午前の資源エネルギー庁との質議と同じように、以下の文章を私から出席者全員に配付して終了致しました。
配付文章

    電力各社の原子力発電所において行われた
         不正運転に対して


 原子力政策の過ちと 机上の政策の失態
 現場にはマニュアルだけが存在し、技術者やマイスターは存在しなかった。

 1994年6月、福島第1、第2原発でシュラウドのひび割れが発見され直ちに修理され万全の体制で発電がなされていたと経済産業省へ報告され、その報告をうのみにし原子力発電を続けさせた経済産業省に対して、電力会社サイドから今回、原子力発電所の重大事故につながる警告がなされ、電力会社サイドから発表がなされたようですが、その際に 適切な指導を怠った為に、電力会社の要望とおりの原子力行政がおこなわれてきた。

 結果、大きな重大失態を招き、身動きできないところまで来て、94年の修理にかかった時間から原子炉運転時間をはじき出し、原子炉停止の今回の発表となっている。
また、発表に際しても、行政、電力会社とも最小限の影響になるように、電力消費地に必要以上の火力発電所を設置させ、休止さて置き、原子力発電への非難を最小限にさけるべく、今回、それらを使いこの場を乗り切ろうとしている。電力会社と必要以上の火力発電所の建設許可を出した経済産業省のシナリオ通りである。
経済的には、早く停止しておれば、傷口は小さく済んでいたのでわないか。
親方 日の丸の護送船団的、机上政策の実体である。

 又、原子炉不祥事についての情報提供者を差別し、電力会社が容疑者のごとくの扱いをしているにも係らず、情報提供者の保護を経済産業省は怠っている。
あろうことか、情報提供者の保護をすべき経済産業省が電力会社に通報している。
結果、情報提供者は職場で差別待遇を受けることになった。情報提供者が経済的、精神的苦痛を招かないように調査すべきところを逆行為をしている。
これらの行為も、責任所在がはっきりしない経済産業省の机上政策のためで
これらの問題点の解決には、中立的な立場で現場の状況を把握する機関が必要である。

今回の告発以前に、原子力発電所の危険性について、専門的に指摘している人物がいるのに経済産業省は調査もしていない。

 原子力発電について
 原発がどんなものか知ってほしい の題名で各地で講演をおこなっていた平井氏の声には
耳を傾けず、無視し続け調査もしていない。
http://genpatsu_shinsai.tripod.co.jp/hirai/  このアドレスにはそれらの経緯が記されている。
経済産業省は、人命を危険にさらしても原子力発電所の運転を続ける政策を行っている原子力発電所の安全性に危機感を持っているのか疑問である。
原子力発電所で放射能漏れが発生した場合、経済産業省は指導機関としてどのような責任を取るつもりでおられるのか?
現状の法整備状態では、責任所在がはっきりしない為今、回の問題は救急病院のタライ回しにならぬようにしっかりした対応が必要である。

今回の問題を手本として、今後の対応策を確立し、同様の不祥事が発生しない様に万全の法整備を行い、日本国民の人命確保が第一であることを各企業に認識させる必要がある。

 原子炉の運転に関して
 原子炉を運転している電力各社は、原子炉内部で生じている現象を確実に把握し安全運転をしているのであろうか疑問が残るので以下の疑問点に回答し、公表する必要がある。

  1. 軽水炉型の原子炉の沸騰水型・加圧水型原子炉では、原子炉圧力容器に必ず起こる振動 をチェック記録くし解析し原因を把握しているのであろうか?

  2. 原子炉内部における振動発生現象、この現象に附随する論文 記述資料の発表が公にさ れないのは何故か?
    特に、原子炉内部で発生しているウォーターハンマー現象について

  3. 原子炉本体の原子炉圧力容器から発生する振動の聴音・振動には原子炉ごとに特徴が有るので、各原子炉毎に記録し、保管されて有れば、常時、どの原子炉で異常な現象が発 生しているかは簡単に捕らえることができるはずであるが、各電力会社に聴音・振動記 録を義務付け保存させているか?原子力保安院にはそれらの記録は存在しているのか、 又、これら現象の存在を認知・確認し、原子炉の安全運転に適切な対処措置をとつてきているのか?

  4. 原子炉内部におけるウォーターハンマー現象について、実際に対策を講じているはずであるが、その方法などについて公表していないのは何故か?

  5. 原子力発電所の運転寿命に対して、誤った発表をした責任は何処に有るのか?
    今回のトラブル隠しにより、運転寿命が発表されている数字より短くなっているのでは

  6. 今回、各原子炉の点検・修理を行っているところであるが、それらの作業に従事してい る作業員に対して、各電力会社が適切な安全教育を行い作業に従事させているか?

 現場で実際に作業にあたった従事者を抽出し聞き取り調査を実施し、作業時間、放射線 被爆量、作業シフト、等を確認する必要が有る。


7.消費者がBSEと同じ行動に出た場合は、電力の自由化の妨げになることが予測さる が、原子力発電を推進してきた関係各位は、責任の所在を明確にし、タライ回しが起こ るのを防ぎ、自らの責任で対応しなくてはならない。

以上

太陽光発電普及協会(全国太陽光発電所長会)山梨支部
浅川太陽光発電所 所長 浅川初男

今回の、質議に、出席した原子力保安院の方々は、今一度、原子力保安院の使命と任務を確認していただきたい。
伴 氏の質議内容に、使命と任務を考えれば、質議・回答も良い成果を見出せたのではないでしょうか?

太陽光発電普及協会(全国太陽光発電所長会) 山梨県支部
浅川太陽光発電所 所長 浅川 初男

▲上に

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