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2004.06.25

東電はどこへ(第80回定時株主総会より)
 第80回定時株主総会に出席して

過去、数年の株主総会に比べて今回の株主総会は、質疑に対してヤジと怒号がいつにも増して多く、質疑の妨害をし、昔のシャンシャン総会を復活させようとする動きがあった。
彼等の言い分によると、提案株主の質疑で反原発ばかり言うな、しつこい質問はするな、いいかげんにしろ、議事進行をと言っていた。今回の株主総会での反原発グループとシャンシャン総会復活を願うグループとのやりとりを体験し、懐かしく過去の株主総会の場面を思いだしていたのは私だけでは無いと思いますが?

 ヤジ怒号を飛ばしていた方々は、提案株主の意味を理解し、商法を理解してヤジ怒号を発していたのか、ヤジ怒号を発するだけの目的で出席していたのであれば議事進行の妨害と商法の違反行為とみなす事ができる。これは、ひところ前の総会屋の復活を表します。東京電力は提案株主の質疑に対して、ヤジ怒号の中できるだけ提案株主の質疑に応じるようにし、提案株主以外の出席株主に対して議事をヤジ怒号の中粛々と進めている姿勢を見せて、低姿勢で質疑に応じ一般出席株主の同情を引き出していた。また、ヤジ怒号の総会屋もどきの声援をうけ、提案株主や質疑要望株主の感情を煽るように回答は内容のないもので対応し、いたずらに質疑を長引かせながら、株主総会出席の一般株主に対して、早く質疑が終わればのマインドコントロールを実施していた。
このようにして、反原発グループの質疑や質疑希望一般株主の発言をしにくくする対応をとっていたように私には感じられてならないのです。
 わたしは、3年間に亘り東京電力の原子力安全対策、事業内容、現場の安全対策、顧客管理、社員の職場管理・雇用条件、社員保護等、多岐に亘り質問をさせていただき、そのつど株主総会等で回答をいただいており、回答内容については、不十分な部分も多々存在するが、株主の質問に対して答える会社の姿勢は、情報ネットワーク社会の企業経営者にとっては必要不可欠で、株主との意見交換の最良の場である。
株主として思う事は、株価が安定している事が第一で、それには事業成績、会社の経営見通し等多岐に亘り、情報が会社から株主に適時に公開され、それら公開情報に惑わされる事無く、常に株価が安定している事と適切な配当が有る事が大事なのです。
 今回の定時株主総会に出席株主の大多数が希望する姿はと申しますと、国債と同じようになる事が株主の望みと思われます。反原発グループの質疑やヤジ怒号の無い平穏な総会を願っている株主がほとんどで、実際の株主としての役割(会社の経営や運営に係わる役割)をはたそうとする株主はあまり必要とはせず、会社の報告だけで総会が終了すれば良いとする株主がほとんどである。そのような中にあって、今回の株主総会では、今までいがみ合っていた反原発グループが、会社側の出した役員削減提案に賛成した事で、会社の利益につながる行為は両者とも賛同する事を株主総会の場で実証した事にあります。
反原発グループは、会社のためにならないと、反原発グループの提案や質疑に対して妨害ともとれる、ヤジ怒号を発していた株主よりも株主責任を果たしていたのです。また、一般株主の間からも質疑質問書が多岐に亘り出されており、例年にない質疑量となっていました。
     原子力発電について
 私の原子力発電についての質問は、原子力発電所から出る核廃棄物の処理方法と放射性物質の安全管理について東京電力の考え方を質問致しました。
原子力発電所から排出される核廃棄物は、国策の名のもとに核燃料リサイクルシステムの運用に向けて今までに各電力会社は総額で2兆円以上投資してきているので、今さら東京電力一社が抜ける事はできないとして、国策説を強調し株主総会で理解を求めたが、それが皮肉にも平成16年7月3日の新聞により、今まで言われていた原子力発電の1kWhの単価が疑わしくなり、核廃棄物の処理費が思っていた以上に必要である事が新聞紙上で報道された。
 経済産業省は今まで「原子力発電の1kWh当の発電単価5.9円」としてきたが、新聞報道によると、原子力発電所からの核廃棄物の処理費を含めると処理方法にもよるが、1kWh当の処理費用が1.23円〜2.30円になり、これを電気料金に組み入れると、1kWh当の発電単価が7.13円〜8.20円になり、今まで原子力発電の発電単価が最も安いとされていたが、LNG発電の1kWh単価6.4円、石炭火力発の1kWh単価6.5円を上回る結果となる事が10年前の作業部会で判明していた。
今まで原子力発電の発電単価が最も安いとされていたが、嘘であった事が10年以上前に判明しており、各電力会社と経済産業省は、10年間あまりに亘り国民をだましていたのです。
 本年3月参議院予算委員会において、福島瑞穂議員の質問に対して、経済産業省資源エネルギー庁長官は「コスト試算による比較はない」と答弁した場面がテレビで放映されている。私たち太陽光発電普及協会は、国との協議の場において機会あるごとに原子力発電の発電コストの提出を求めてきたが「そのようなものはない」として私たちの追求をかわしてきた。10年前の作業部会の資料発見は、担当者が頻繁に変わるので資料がわからなかったとか、参考資料だから提出しなかったなどと言った言い訳は通用しない。
ましてやロッカーの中にあったなどとは馬鹿にするにも程がある。
(私たちは、参考資料として提出を常に求めてきた)
このような事実を電力業界や旧通産省・現経済産業省は知っておりながら隠し通し、HIVの時の厚生省と同じ手法で、ころ合いを見図りロッカーの中から小出しをする。しかも小出しした資料と10年前の物価と比較されるのを恐れ、新たに基本となる数字を変え、今回の株主総会では原子力発電所の寿命までも変えて発表(今まで原子力発電所の寿命40年と言っていたが、点検技術の向上などを理由に原子力発電所の寿命を60年と発表)
しかも平均金利を4%に設定し、リサイクル費用が今後10数年間で19兆円、1kWhあたりの上乗せは1.43円としている。(作業部会資料は平均金利5%)
【私どもと経済産業省との協議の場において、経済産業省から提出していただいた原子力発電所の発電原価データー(平成10年算出)では、原子力発電所発電原価5.9円/kWhの内訳は、資本費2.3円、運転維持費1.9円燃料費1.65円となって、合計で5.9円になる表をいただき、さらに細かく見て行くと燃料費1.65円の中にフロントエンド0.74円再処理費0.63円バックエンド0.29円(中間貯蔵0.03円、廃棄物処理・処分0.25円)で原子力発電所からの核廃棄物の処理費用は含まれているとしたデーターを提供していただきましたが、今回の新聞各社の報道の数値とも異なる数字を当時提供していただきました。】
このように自分達の都合の良い数字の羅列や、ロッカー隠しばかりである。
 今回の新聞報道にしても、報道規制らしきものが存在して、私は「現時点で原子力発電開始当初からの原子力発電所から排出された核物質の再処理に必要な金額が19兆円」と記憶していたのですが、この新聞報道からすると、原子力発電を始めた頃の核廃棄物はすでに再処理が行われており、すでに終了し地中に埋設保管されている事になる。
実際には核燃料サイクルは、まだ始まっていないので、今までの分とこれからの分を足すと、再処理システムの運用に必要な経費は、過去分19兆円+これからの分19兆円となり総額は約40兆円になる。
各新聞報道では、原子力発電開始当初から現在までの分の核廃棄物処理費用が消されている。
このような国策の名のもとに、原子力政策が強引に押し進められ、電力会社は国への協力を惜しみなく行ってきて、結果として電力の安定供給は今までなされてきた。
 電力の安定供給は必要だが、今回の核燃料リサイクルは、あまりにも高額になり、核燃料リサイクルシステム稼動には、処理費用や運転費用等を電気料金に上乗せし、徴集するしか方法がなく、一般家庭電気料金が高額の電気料金になる可能性が出てきた。

東電の社長が株主総会で発言した「東電一社が核燃料リサイクルをやめたいとしても、東電一社ではどうにもならない。国策であるから・・・」の意味がわかる。
しかし、10年以上前に作業部会でわかっていた事だけに、政府と電力各社の10年間に亘る国民だましの原子力政策を押し進めてきた責任は重い。

この問題に関しては、次回国との協議の場で担当部署及び監督部署の責任を追求するとともに、次回第81回定時株主総会で当時の経緯をお話いただこう。

今回の株主総会で私なりの注目すべきところは、核燃料サイクル機構の運営経費の部分と
原子力発電所の放射性物質の安全管理、電力会社の顧客情報管理・顧客の危機管理体制、電力網の事故対応、社員の労働管理でありました。

 東京電力の顧客情報管理については、太陽光発電設備設置者の設置状況を一括して、東電の補助金受給架空団体に与えた事はすでにみなさん御存知のはずで、そのことについて株主総会で質問した時には、各個人の了解をはがきで得たと回答しており、情報管理のイロハを理解してなかったが、最近は顧客情報管理にも十分注意をはらっている様子が、各情報関連の企業情報漏れ指摘される中、東京電力関係で表にでていない事から伺える。
 組織が大きくなるとそれを統率し、適確に運用する事が求められてきているが、電力会社としての基本的な部分に対して、不安を残す材料として夜間における緊急連絡網の整備と連絡体制を挙げる事ができる。 実例を挙げると、夜間の事故停電に対しての対応が一般家庭に対してまったくと言ってよいほど取られていない。(安心して電気を使えるシステムであるはずが、不安を抱えるシステムになりつつある)
夜間の停電時には、電話連絡だけとなり、現在の音声メッセージ対応システムでは集中する問合せに対応できずに、電話はつながるがお話中になってしまい緊急連絡が一般家庭からはできなくなってしまう。2年間に亘りこの問題に対して株主総会の場で質問しているが具体的な回答もなく、対策もとられていない。

このように不安ばかりが目立つ第80回定時株主総会であったが、歓迎すべき点としては一般株主が質問書を提出し、質疑を求める一般株主が増えた点と、それに答えようとする東電幹部の姿勢があった事です。東電幹部の質疑に答える姿が株主総会だけのパフォーマンスではなく、事実の姿であって欲しいものです。
企業業績の向上により株価の安定と、健全な会社管理のもとで株主に高配当を行える企業であって欲しいものである。

以上

2004.07.06

東京電力・中部電力・関西電力・四国電力 株主 浅川 初男


追伸

 私どもは、東京電力に対して株主としてだけではなく、所有している各太陽光発電所で発電を行い、発電した電気のほとんどを東京電力に供給し、東京電力が新エネルギーとして利用できるように微力ではありますが協力をおこなっています。
株主総会後、経済産業省の記者クラブを訪問した時に、経済産業省本館と別館をつなぐ歩道の屋根部分に太陽電池が設置されているのを見る事ができましたが、発電量を確認すると0表示で発電を行っておりませんでした。歩道の屋根部分は環境保護の観点からか藤棚になっているが、それが屋根に設置した太陽電池を覆いつくしており、まったく発電できない状況になっていました。一度物を作ってしまえば、後はどうなろうと関係ないという役所の姿勢があり、これは原子力政策と同じで維持管理・後処理は他の人がやる、自分らには責任はない、役人姿勢と同じであると思った。(後学のために藤の葉が茂っているうちに一度見学してみてください。一見一興の価値あり)
経済産業省のロビーにある薄型テレビで官庁街に設置した太陽光発電設備の情報提供を行っているが、前回私が訪れた時には情報提供している情報の数値が桁外れに間違えて表示されていたが、今回訪れた時には修正され、正し情報が提供されておりました。

2004.07.07

▲上に

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