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農地や遊休農地の活用と太陽光発電
(荒廃農地の拡大を自然エネルギー利用で防ぐ)

 近年、山間地や中山間地における農業生産は、国の農業政策により平野部の農業と比べ大規模化や作業効率の低い地域特性から生産性の悪さを指摘され、
中心的作物の稲作を行えない減反政策の強化と農業従事者の高齢化により農地の荒廃の危機に瀕しております。

山間地や中山間地の田圃は、その保水力の高さから大規模なダムに匹敵する貯水能力があり、浸透水は地下水に還元され平野部の豊かな水源として位置し、潜在的な洪水防止能力や干害能力があるのを近年忘れかけております。
また、地球温暖化防止能力としては、作物による酸素発生能力・大気の浄化能力や温度調節能力、微生物による浄化能力等が2006年からの国策により、今まで以上に稲作を中心としていた山間部や中山間部の田圃から失われます。
私たち、山間部や中山間部に位置する農家は稲作に変わる中心的作物の確保に努力致しましたが、現段階では環境面や収益面から稲作に変わる地域特性を活かした農作物を見つけ出すに至っておりません。このような状況下の中、高齢化により稲作を断念される農家と間に借地契約を結び、農地を借り受けて中山間部における農業のあり方を模索し、農地の高度利用を目的として、太陽光発電と施設園芸や農業後継者による集客農業(農園・体験農業)等を組み合わせ、農地での自然エネルギーの有効活用の一例を実際に実施し、地球温暖化防止のハイブリッド農業の効果を見ていただきたいのです。
施設園芸は、農産物を生産するだけでは付加価値が限られますが、太陽光発電所からの電力を供給することで、環境に負荷のない農産物を作り出せるのです。
集客農業(農園)は、農地に多くの人々を集めることにより、農園地域に経済効果を発生させ、農地の荒廃防止と景観維持に大きく貢献し、地域交流の場を提供致します。しかし、集客により車等の環境汚染も心配されますが、農業後継者等が参加することにより、適切にアドバイスや管理を行い大気汚染等は最小限とどめることが出来ます。環境面では、農地の一部に太陽光発電システムを設置し、農地の生産性を損なうことなく太陽光発電システムを駆動させ、環境汚染の無い発電システムであることを体感していただき、環境汚染の無い、電力を地域に供給し、提供する様子を訪れた方々にも体験していただきます。

農地の多面的高度利用

 今まで考えられていた農業は、農地に作物を作り収穫するためだけを考え農業政策が決定されたて参りましたが、地球環境の変動ともに地球温暖化が進み地球環境保全の必要性を切実に感じた北欧各国やドイツを中心に環境エネルギー政策が実施され農業とのコラボレーションが盛んに行われるようになりましたが、日本においては自然環境に恵まれ農業とのコラボレーションが実際に行われた例は少なく、ほとんど紹介されずに現在に至っております。
今回、私たち農家が出来ることを考え学び実証すべき時期にあることを実感し
集客農業実践者や農業後継者や施設園芸農家等とコラボレーションし相互の利点を生かしながら、中山間地における農業の生産性を落とすこと無く、地球環境保全と環境エネルギー政策としての秘めたる可能性を実証しながら更なる農業の可能性を模索したいと考えております。

 今回のオイルショックは、植物燃料の可能性に光明を見いだす結果となり、EUでは、植物燃料油を利用したディーゼルエンジンに注目が集まっております。植物燃料油を利用したディーゼルエンジンから排出される排気ガスは石油燃料を使用した場合エンジンの排気ガスに比べディーゼルエンジン特有のカーボンの発生が少なく、黒煙を排出せずエンジン出力にもさほど影響が無く、大気汚染物質が石油燃料に比べ極端に少ないことが注目されており、日本では悪玉になってしまったディーゼル車が環境先進国のEUでは、CO2等の排出量がガソリンエンジンに比べて少ないことから注目を集めております。
各自動車メーカーは、研究しているようですが、なぜ、日本の農業政策の現場と、世界一の自動車生産国である、日本の政策が、がどうして、EUのように関係機関が協力して自然エネルギー利用やバイオ燃料の研究を行わないのか、
このような大切なことに注目をしないのか不思議で仕方なかったのですが、このような場合にも日本政府の政策や高度成長期の政策路線が影響を与えており、現状の分析能力が減少しているように思えます。農業政策機関の現状維持の為の農業政策により、農家が他の産業とコラボレーションすることを望まない農業政策が押し進められ、自然エネルギー利用や食物エネルギー生産現場の農家に弊害をあたえていることを忘れてはいけません。

 私が、太陽光発電を農地に導入するに当たり、太陽光発電から作り出されるのは電力で、農業製品ではないとする考え方がありますが、農地を農地として利用し、農業関連施設を維持しながら、電力を作り、地域に供給することは、これからの地域活性化を目指す農業には必要不可欠で、多くの人々とつながりを持ち、新天地に乗り出さなくては、これからの農業経営は成り立ちません。
私たちが、今回行うコラボレーション(独特の効果を作り出す)は、農地の荒廃を防ぎ、農地を太陽光発電と作物生産に利用し、主要作物生産とは違うが農地を荒廃させること無く農地として利用し、農地の管理をともに行い農地からの恵みと収益をそれぞれに分配する仕組みの試みなのです。例えば、自然エネルギーを利用した太陽光発電等では、直接農産物を生産することはできませんが、発電した電力を周囲に供給することで、周囲に点在する農業施設(ハウス等)で生産された農産物は、意識しないうちに、電気を使うことで、環境に優しいエネルギーを利用して生産された農産物となり、一つのブランドを立ち上げることも可能なのです。また、太陽光以外のエネルギー利用で発電することもでき、その電力により作物の継続生産も可能なのです。
このように、色々な仕組みや、多くの人が参加することにより、中山間地における農業の実態を観察しながら農作業を体験し、色々な施設や仕組みを組み合わせることにより広く学習し、実体験を多くの人に知らせることが出来、環境問題や農家が抱える問題を理解していただけると思います。
中山間地における田圃の農業の収益を米作中心から、エネルギー燃料生産をも視野に入れた自然エネルギー生産拠点に活性化できないものでしょうか。
私たちが子供の頃見ていた菜の花畑や、レンゲソウの広がる田園風景は現在の農業に必要性は無く、ただブランド名家柄の米を農業政策に従って作り続け、外国からの食料を購入すれば良いとする政策には疑問を感じ、大いなる危険性を予感致します。いま国は、集団化農業政策を推し進めておりますが、農業従事者が安心して、農業に従事する環境を整えなくては、農業従事者の未来は無く、現状で集団化型の農業に移行すれば、中山間部の集団化農業従事者は農作業に追われ、健康管理もままならず、地域社会との交流がおろそかになる現状があり、新規営農者への手本となるどころか、逆効果に繋がり、それらの現状を見ている後継者は、農作業に従事する機会や農業に参加する機会がなくなり、農業人口の抑制につながる恐れが生じます。私たちは、地域ごとに生活する人が、色々なことに参加できる、循環型農業の一端として、農業の衰退の著しい中山間地域に太陽光発電や、その他自然エネルギー利用等を取り入れ、色々な形の農業を実際に農地で実施し、農業の価値と魅力を伝えたいのです。

 現在、私どもの近くにおいては、定年なされた方が農業に挑戦なされております。定年時の退職金で農業施設や資材を購入し、年金生活を営みながらの農業挑戦です。私から比べると、20年以上過ぎてからの農業挑戦です。
農作業の繁忙期には、皆様が私より一回り以上スリムに見えます。
私どもの中山間地での農業実践は、就労者が1人の場合は、おおむね1ヘクタールが限度の様です。急傾斜地の為に圃場の畦半(土手)等の草刈りが主な労働作業になり、一日中草刈りを行うと体調を崩してしまいます。
私も、体調を気にしながら、草刈りを5月初旬からはじめ、農地の草刈りが一段落したのは、6月に入ってからです。農耕地を増やせば、それだけ草刈り面積が増えてしまうのが、中山間地農業なのです。平均的な圃場整備後の圃場、長さ百メートル幅5メートル斜度30度以上の土手で草刈りを行うのは、高齢者にとっては危険な作業です。この作業を減らすにはどのようにしたならば可能かと考えた時に、この畦半(土手)に太陽電池を設置したならばと、考えて実験した結果、かなりの手応えを感じましたので、今回は、規模を大きくして挑戦することにいたしました。農業後継者が何もしないでいるのではなく、挑戦しているのですが、新しいものへの挑戦を認めようとしない農政機関の動きがあり、農業後継者の育成の弊害を生じていることを皆様に知っていただきたいのです。農業後継者は、このような重圧の中にあっても、地形を生かした農地の保全や農作物の生産に努力し、さらに食料経済形態さえも支えております。
農業後継者や従事者が、安心して農業に従事できるようにするためにも、
私たちは、荒廃農地で自然エネルギーを利用した農業ブランドを立ち上げることが可能であることを証明し、農業現場から、農業の新しい未来への道筋を照らし、農業生産の自給率の向上に努めます。

 作物(食べ物)作りが行われなくなって、都市部に作物が届かなくなったときにあなたは何を感じるでしょうか。(どこかの国に買い物に行きますか)

 私たちは、農地を管理維持できるシステムを考え、農業が「地球温暖化防止対策」に有効で、農業に新たな価値を見つけ出し、未来派農業での環境保全対策を提案し、現実なものとして実体験できる場を提供して行きます。

2006.07.01. 
浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男
RPS法 電気事業者 浅川 初男

▲上に

浅川太陽光発電所 - 八ヶ岳・北杜市大泉 -
copyright 2001-2007・The ASAKAWA soler power station / ASAKAWA Hatsuo

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